ビル・エヴァンス The Paris Concert, edition one 

2006年07月20日(木) 17時46分
評価8.5/10

概略
 1979年11月26日、欧州ツアーのパリでのコンサート。ぶっちゃけ、なにかよく分からなくなっていたエヴァンストリオが、その流れを断ち良い円熟味を醸したといえる1枚。

良い点
・ゴキゲンなエヴァンス
 これほどノッているエヴァンスを聴くのは、70年代後半にあって珍しいのではないか。当時ジャズ界はエレクトリックなプレイが熱くなっており、フュージョンという時代が波及するとともにリリシズムという地位を確立していた、つまり引っくり返せばマンネリの状態にあったエヴァンスが、ブームに追従することなく積極的にトリオを入れ替えて、良い意味で洗練したものにしようとした成果がこの1枚に詰まっている。
 前半こそ静かにゆっくりと2,3曲。そして4曲目のMy Romanceからゴキゲンな調子に変わってくる。「ゴキゲンな」これはエヴァンスに似合わない形容のしかたなのかもしれない。しかし、あと1年もないエヴァンスの命と結局は最後のキーストン・コーナーまで連れ添っていくベースのマーク・ジョンソン、ドラムのジョー・ラバーバラとのギグは、おそらくエヴァンスにとって会心のトリオだったのではないか。そしてその愉しみと自信が発露したものだと信じている。

森博嗣  スカイ・クロラ 

2006年07月20日(木) 17時31分
評価9.0/10

あらすじ
 国ではなく企業が戦争をする世界で、「僕」は戦闘機のパイロットとしてとある基地に着任した。無機質な「僕」という主観を通して彼の前に現れるのは、地上を離れての戦闘という日常と仕事として人を殺すこと。
 しかし、彼にとってそれがどれだけ純粋で自由なのか流麗に展開していく。

良い点
・綺麗な文章
 よく硬質な文章と表現されている。無駄を排し、透過させた言葉は、戦争のリアリティや戦いの生々しさを洗練させて感じさせない。
・詩のような戦闘シーン
 前述の綺麗な文章を担っている。単なる字数稼ぎだと揶揄されるかもしれないが、戦闘の刹那を表現するのに気持ちのよい疾走感と十分にとることができる。そして淡々と進んでいくシーンは詩のように訴えてくる。

悪い点
・数々の用語
 物語の中ではジェットエンジンが開発されていない設定となっており、登場する飛行機はプロペラ機のみである。飛行機の各部を指す名称や飛行する際のテクニックの用語が、物語の中で多々使用されている。飛行機になじみのない読者にとっては、理解に窮するだろう。
2006年07月
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