ヴェノマニア公の狂気(色欲) 

2011年08月11日(木) 10時00分






コンコン

「やあ、いらっしゃい。」

今日もまた
美しい淑女が
僕の元へ訪れる。

「お招き頂き
光栄ですわ。
ヴェノマニア公。」

可憐に微笑むあなたは、
新しい妻となる。


僕は女を魅了する力を
手に入れた。

一ヶ月前。僕はその力を手に
入れようと、
ある一人の老婆のもとへと
尋ねた。


『本当にいいのかい。 
別にあたしゃ止めるつもりはないが・・・』
 
そう。老婆はまるで
悪魔みたいな人だった。
それはまるで悪魔との
禁断の契約。

「お願いします。」

『今時風変わりな男がいるもんだね。
富や地位を失ってまで**をやるなんてねえ・・・
一人だけ**をやった男はいるけど、
その先の人生が幸せだったかなんて・・・』

「ぼ・・・僕は、
小さい頃から 
この顔の事で散々
いじめられたんです・・・
あんな想いは嫌だ・・・
だから・・・
だからお願いします!!」

男は目を閉じた。

老婆は、一瞬ニヤッと笑い
針箱から金色の
鋭い針とハサミを出した。
『キヒヒヒ。痛くても泣くんじゃないよ。』

老婆はまた笑った。
そして容赦なく男の顔の*を剥がし、
**の*を縫い合わせた。

男はただただ、痛みに
耐えるしかなった。

『さて、終わったよ。
まだ痛むだろうが技術の方には自身がある。
鏡を見てみな。』


男は久しぶりに鏡を見た。
そこにはもう、自分じゃない
自分がいた。

『あんたは、今日から死んだ事になるからね。』


男は帰り道。
その“力”に気づいた。
僕を見た全ての女は
魅了され、堕ちてゆく。
それは確実な力だった。

老婆の言った
富や地位をすてると言うのは、
新しい自分として生まれかわるという事。
そのためには、前の自分は
殺さないといけない。

“綺麗な死人の皮膚”を使って行う施術。
人は皆、気持ち悪がり
それを行う人はいないと
老婆は言った。

だけど、僕はそんな事
微塵も思わなかった。
むしろ、感謝している。
鏡があるたびに覗いて
しまう“今の顔”は
明らかに、昔の顔と
天と地の差があった。

 
いつしか僕は
外に出るのも面倒になった。

ほっておいても
どこからか噂を聞きつけては
屋敷を訪ねてくる。

「君はなんて綺麗なんだ・・・」

『ヴェノマニア公・・・貴方様もとても美しい・・・』


男は一人住む屋敷の地下室に
ハーレムを作り上げた。

毒を秘めたリビドーの味 
突き刺した刃の快楽
血と汗は混じり合いやがて 
紫の滴へと変わる。

『・・・ぁん・・・っぁ』

服を脱ぎ捨て抱き合えば 現実へはもう二度と戻れない。


自分自身で燃やした昔の肖像画。 
捨て去った過去の顔。

誰しもがあざけり笑った 
あの醜くさは忘れたいものだ・・・。


夜も深まり、男は次々に女を変えていく。

スタイル抜群の
ピンクの綺麗な髪の女。

落ち着いていて安らぎを与えてくれる
ツインテールの娘。

大人な物腰でいつも僕を楽しませてくれる
真っ赤な口紅の女。

そして
傍らの可愛い娘を
抱き寄せてキスをする。
彼女はそう 
かつて僕のこと馬鹿にした
幼馴染―・・・

『貴方キス上手ね・・・』

彼女がこんなににも
可愛く笑うことが
出来たなんて―・・・


ある日を境にして
国中の女が
いつしか次々と
行方をくらませた
あるものは女房 
あるものは娘を
失い途方に暮れた

コンコン


今日もまた美しい淑女が 
僕の屋敷に
足を運ばせる。

僕はもはや人ではない。
神とまで称される生き物だ。

ガチャ・・・
静かに扉が開く音。

『あの・・・ヴェノマニア公爵様ですか。』

「そうだが・・・君は・・・?」

『良かった!私カノンと申します。貴方の妻になりたくて
ここまで来ました。』

「そうか・・・。さあおいで
・・・僕の胸の中へ・・・」

カノンという女は
ゆっくりと近づき
僕を抱きしめて 
かすかに微笑んだ

『・・・クス』
その瞬間

突然の鋭い痛みとが走る。 
血に染まる僕の胸。
白いシャツは、元の色を
残さない。

「な・・・何を・・・」

『・・・最近。町中の女達が
行方をくらましています・・・
娘や女房。彼女達はどこへ行ったの・・?
みんなが慌てる中
私の恋人も姿を消しました・・・。
森を探そうとした途中・・・。
恋人の靴を拾いました・・・
よく見ると無数の足跡が・・・
それを必死に辿りました・・・。
・・・ここまで話せば・・・分かりますか?』

「君の恋人?・・・ぼ・・・
なにかの・・・間違いでは・・・っ」

『その足跡は
一つのお屋敷に繋がっていました。
私は正門以外の
通り道はないか・・・裏庭に回りました・・・。
そしたら・・・
沢山の沢山の沢山の沢山っっ
女ノ屍ガ無残ニゴロゴロとッ!!
そして・・・
「僕」の恋人も・・・・・・・ッッッ!!
・・・お前を・・・許さない・・・!
!必ず殺スッッ!!』

「!!・・・君は!?」

カノンという娘は消えた恋人を探してた男。
居場所を突き止めた場所は、
悪魔[人殺し]の住む屋敷
男は女装して悪魔に近づいた。

「僕が・・・彼女達を・・・?
殺し・・・た?」

男はまったく
覚えていなかった。

だけど不思議だった。
次々くる女達は次の日には
すっかり消えていた。

「この・・・手で・・・う゛っ!?」

男はもう一度
懐の刀を悪魔に突き刺した。
何度も何度も。

毒を秘めた刀が刺さり
僕はその場に倒れこんだ。

ドサッ

男は今度は顔に
数回刃を翳した。

『!!・・・ウゥ・・・嫌ダ・・・イタイ・・・
顔ハ・・・止メテ・・・ゴメンナサイ・・・』

荒れ果てた男の姿。
それは、前の醜い自分よりも
醜い顔になっていた。

『アーハハッッッ!!ざまぁみろ!!
お前のご自慢の顔ッッッお似合いだぜぇ?』


男は笑いながら部屋を
出でいく。

血と汗は混じり合いやがて 
紫の滴へと変わっていく。

『ひぃっ嫌だっ人殺し!
こっちへ来ないでっっ
気持ち悪い』

・・・彼女達を・・・ころ
殺したのは・・・僕・・・の
昔の自分・・・だったんだね・・・

「ごめんなさい・・・
虐めないで・・・っ
みに・・・くくて・・・
ごめんなさい
気持ち悪くてごめんなさい・・・
誤る・・・からぁ・・・僕を
一人にしな・・・しないで・・・」

彼の瞳から流れる
大粒の涙。
しかし、そんな彼に
気づく事はなく、
術のとけた女たちは全て 
我に返り屋敷から逃げ出した

僕のこと一瞬だけ見て 
最後に屋敷から出たのは
あの幼馴染  
僕が・・・この力を
欲しかった理由は・・・
君に・・・君に・・・・・・
「・・・て・・・待って・・・」
僕はまだ君に
好きだ・・・と言ってない。

そんな思いさえすぐに消え
男は深い眠りにつく。

      END
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