卒業 

March 19 [Mon], 2007, 23:42
今朝の新幹線で浜松から舞い戻ってきました。

出かける間際に
「ハヤちゃん(わが家の愛犬の名前です)、兄ちゃん今から会社に行くけどすぐに帰ってくるからね。
頑張ってくれてどうもありがとう」
と声をかけて。
その時、苦しい息の下でこちらをしっかと見つめながら、コクリとうなずいてくれたハヤタの横顔を、ぼくは一生忘れることはないでしょう。

そして今、ぼくは今朝の約束どおり、明日の夕方に再び浜松に帰ることになりました。

いもうとが、ハヤタがついに、ほんの1時間ほど前に、安らかに、犬としての人生を卒業したからです。


3月19日、この日浜松駅に向う車中でたびたび、卒業式や卒園式に向うこどもたちの姿を目にしました。
そしてその時、後ろの座席に座っていた母が
「あぁ、ハヤタも卒業するんだね……」
と呟いたのです。

卒業、ハヤタにとって、こんなにふさわしい言葉があったなんて。
その時本当に、はっとしました。

悲しくて、寂しくて、辛くて仕方ないけれど、決してハヤタはどこかへ消えていなくなるわけじゃない。
犬としての人生を精一杯生き抜いて、そしてこどもたちがボロボロの制服を脱ぎ捨てて新しい世界へ旅立つように、あの子も苦しみから解放されるんだ、と。

この先、ハヤタを想って辛くなることがあっても、今日の車中で見た子どもたちのきらきらとした笑顔を思い出して、決して泣かないように。
精一杯15年間を、全力で生き抜いたハヤタをよくやったと、笑顔で送り出してやれるように。

何があっても命ある限り、ハヤタのようにひたむきに真っ直ぐに、歩いていかなくてはならないのだとしみじみと感じています。

ハヤちゃん、15年間どうもありがとう。

そして、本当にお疲れ様。

これからは、ずっと、いついつまでも、ぼくの心の中で、すぐそばで、見守っていてください。

開館宣言 

October 28 [Sat], 2006, 16:32
夢がたくさんあった時代がある。

ぼくがまだ子どもだったころ、一番の難問は幼稚園の先生の「将来は何になりたいの」という質問だった。
そういう時たいていの子どもは、例えばプロ野球選手だとかお花屋さんなどと目を輝かせて答えるのだろうけれど、ぼくにはそれができなかった。
何しろ、夢がたくさんあったから。
新幹線の運転手もかっこいいし、画家という仕事も面白そうだ。
そういえば、昨日水族館で見たペンギンもなかなか呑気な暮らしぶりで、これはこれで捨てがたいし……。
こんな具合に「なりたいもの」(人間以外も含む!)があまりに多くありすぎたので、当時のぼくの語彙ではそれをどう表現したらよいのかが分からなかったのだ。

夢がたくさんあった時代。

あれから20年がすぎた。
今のぼくはあのころの夢の中にはちらりとも出てこなかった公務員になり、平日はデスクワークをこなしている。
おかげで当時に比べて夢はだいぶスリム化され、新幹線の運転手や画家になるといった可能性はほとんどなくなってしまっている。
まして人間からペンギンへの転身など望むべくもないが、かといって不幸かと聞かれれば、それはノーだ。

なにしろ休日には趣味に十分なだけの時間を割くこともできるし、友人たちと飲みに繰り出すことだってある。
給料も決して高給取りではないが、一人で十分に暮らしていかれるだけの金額をもらうことはできている。
仕事場での人間関係も仕事の内容も、いたって良好。
不平不満や嫌なこともないわけではないがよい職場によい友人と、あまりにも恵まれた環境の中で過ごしていると言えるのだから。
視界良好、順風満帆。

それでもやっぱり、ぼくがこの先もずっとこうして生き続けていくことはないのだろうと思う。
仕事を変えることになるかどうかは分からないが、きっとぼくは常に何がしかの変化を重ねながら生きていくに違いない。
例えばこのblogで、物事の切り口を、語り口を以前のblogからがらりと変えてしまったように――。
そうやってあらゆるものに、時に細かく、時にドラスティックに変化をつけ、それを楽しみながら生きていくのだろう、と。

つまりぼくは、安易に自分を規定したくないのだ。
なぜなら、「自分とはこうだ」と決めてしまったが最後、目の前にはたった一本の道しか残らなくなってしまうような気がするから。

人生はいつだって、旅の途中――。
プロフィール
名前:ひぽたま
生年月日:1981年9月26日
趣味:審判、料理、読書、二度寝
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