(豪ドル)中・長期見通し-一旦は底打ち局面となるか
July 27 [Fri], 2007, 3:58
◆「当面は下値を窺う展開が優勢となるか」
豪ドル・円相場の見通しを下方修正する。 対ドルでの豪ドルが、ドル安地合いの影
響で76.00-80.00米セントの高値圏でのボックス相場になる見通しとなる一方で、円キャリ
ートレード解消の動きが豪ドル・円の重しとなる局面が想定され、目先1ヵ月程度は86-93円
程度のレンジで下値を模索する展開が継続することになりそうだ。 2月下旬の上海発
の世界同時株安がもたらしたキャリートレード解消の動きは予想以上に激しく、大幅な調整を
強いられた。 しかし豪ドル・円が90円を割り込んでからは、対ドルでの豪ドルの高止
まりを下支え要因として底堅く推移している。 堅調な豪ファンダメンタルズを背景として、
対ドルでは堅調地合いが続きそうだ。 一方で豪ドル・円相場のボラティリティーの大きさの
一つの要因としては、ドル・円の動きが激しいことが挙げられる。 ドル軟調の背景に
は米景気減速懸念があり、米景気を支える柱である住宅市場と個人消費の鈍化に対する
不安がドル売り材料と指摘できる。 寒波の影響があるとはいえ、2007年に入ってから
の小売売上高は2月に入りコアでマイナスとなるなど、米景気の牽引役である個人消費
の落ち込み懸念が強まっている。 また、上海株の急落から米サブプライム住宅ローン問題
へとテーマが移行するなど、市場はドルの下落と米景気鈍化見通しを肯定する材料を探
している状況も窺える。 こうしたリスク回避のドル売りの動きがキャリー解消の動きに引
き続き現れることにより、豪ドル・円相場は当面の間下値を模索する展開となる公算が
高い。
◆「調整終了後は金利水準が見直されて買いが集まるか」
スティーブンス準備銀総裁は、「豪国内は完全雇用に近い状態であり、インフレ圧力に直面
している」「利下げの選択肢は無く利上げ方向が強い」との認識を示している。 2006年
中に5、8、11月と3回に亘って金融引締め実施した豪国内情勢は、30年来の低水準に
ある失業率など堅調な雇用による賃金インフレ圧力が残存しており、賃金コストは第4
四半期時点で年率+4.0%と、準備銀の想定レンジ上限の年率4.5%を試す勢いとなって
いる。 また第4四半期消費者物価指数は前年比+3.3%と利下げ観測が台頭する余地は
殆ど無いため、金利をテーマとする見方からは積極的な豪ドル売りは考えにくく、日本
の低金利が持続される限りはキャリートレードが持ち込まれる展開が想定される。 日銀の追
加利上げは、年内に1回との見解が主流となっている一方で、豪金融政策は少なくとも
据え置きとなる見通しが優勢であるため、日豪間の金利格差(日銀の利上げ後の想定金
利0.75%対豪金利6.25%)が大きく開いている状況が維持される状況を踏まえると円キャリ
ートレードの動きが止む展開は考えにくく、今回の一連の水準調整が一巡した後は、金利を
テーマとする買いで豪ドル高トレンドが再開される可能性が高そうだ。
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