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とうとう減速を始めた中国経済 アジアの獅子に生じた変調の正体とは / 2010年07月16日(金)
■減速を始めた中国経済

 リーマンショックを大規模な経済対策で克服し、今や世界経済のけん引役となっている中国ですが、当局の引き締めの影響もあり、とうとう減速の兆候が現れ始めました。

 6月に入り、減速傾向はよりはっきりしてきました。まず、各種指標により確認していきましょう。

 とあるニュースは住宅価格について、前年比2ケタの上昇と報じていましたが、前年比で指標を測定すると、転換点で間違える可能性が高くなります。

 各株式市場を始め、「産業の米」と言われる自動車販売、住宅価格、そして景気回復の原動力になった新規融資など、月次の指標で見ると確実に中国景気は調整局面に入ったと判断できると思います。

■ニュースフローに見る中国経済の減速

 次にニュースフローを見てみましょう。

【ニュースタイトル】
・6月の電力需要の伸びが急速に鈍化
・販売用自動車の在庫が増加
・上海住宅の落ち込み止らず
・IPO(新規株式公開)が過去最高か? 

 6月に入り、景気減速を示すヘッドラインが少しずつ流れるようになりました。景気の転換点ではこれらのニュースを的確に捉え、実際に何が起こっているかを把握することが大切となります。

 まず、6月の電力需要が低下したというニュースが流れました。日本同様、中国でも電力消費量は景気を測る上で大切な情報です。

 残念ながら電力需要が鈍化した理由はまだ正確には分かりません。自動車販売の低下と在庫の増加から生産が低下した、5月に米国国際貿易委員会により中国製アルミ製品のダンピングが仮認定された、住宅の建設が減速したなど推測はできますがはっきりは分かりません。ただ購買者担当指数が下がっていることから、生産が少し減速しているのは間違いないでしょう。

 次に住宅販売と価格の下落です。指標では前月比-0.1%とほぼ横ばいになっていますが、ニュースの内容やマンション業者のサイトを実際に見てみると、現実は厳しい状態であることが分かります。

 住宅販売戸数が低下し、価格が横ばいというのは住宅バブル末期に米国などで見られた現象で、買い手は値段が下がると思い値段の低下待ち、売り手は損を出せないので売値を下げない、または売値は下げずに家具やテレビを付けるなどオプションをつけることにより実質的に値引き販売をいっている状態です。

 北京や上海の業者のサイトでは20%引きなどの物件が多数見られることから、住宅バブル末期の状態であるのはほぼ確実でしょう。

 一方で、今後IPO(新規株式公開)が相次ぐ予定であるというニュースもありました。このニュースをどう理解すればいいのでしょうか。

■IPOが増える時は株式市場は天井か

 今後IPOが相次ぐ予定であるというニュースがありましたが、IPOには、2つの意味があります。1つは事業拡大のための純粋な資金調達、そしてもう1つは創業者または出資者のExit(脱出)です。

 ベンチャー会社に出資を行ってもそれだけではあまり利益になりません。上場し、時価総額が数倍になり、株式の流動性が一気に高まるときに出資者は利益を手にできます。

 逆に言うと、IPOが増える時というのは、皆が株式市場が天井に近いと思っているときです。2000年や2007年に米国でIPOが増え景気がピークを迎えたように、中国でも景気がピークを迎えると認識されているようです。

■垣間見える中国経済のリスク

 ここまでの景気減速は、ほぼ予想されたもので政府によりコントロールされたものであると考えられています。

 今年に入り中国政府は景気減速を覚悟で不動産バブル対策を鮮明に打ち出してきました。金融機関の新規貸し出しを減らし、金利を引き上げ、不動産税をちらつかせました。その効果で過熱していた不動産市場が冷却されていっていると考えられます。

 それでは中国経済のリスクとは何か? というと、中国政府の管理外のものが存在していた場合です。例えば、先日流れた2つの小さなニュースの内容です。

 1つは「中国の金融機関は、融資をオフバランス化し、信託会社を経由し投資家へ高い利回りで販売している」というものでした。これが何かピンと来た方はすばらしい投資家だと思います。これはいわゆる証券化商品で、サブプライムローン商品と同様のものと推測されます。2009年9月時点で残高が約2兆元あるということなので、不動産価格が下落した際にはそれなりの影響を与えそうです。

 もう1つは地方政府の不動産開発です。地方政府は直接金融機関から借り入れができない決まりであるため、開発会社を設立し資金を借り入れ、不動産開発を行っているそうです。今年の中国金融機関の新規融資のうち、約40%がこれらの開発に流れ込んでいるという指摘もあり、不動産価格下落時のリスク管理が非常に重要になります。

 需要を過大に見積もり開発を行う、別会社を利用して不動産融資を行うという構図は80年代末期に日本でも多く見られました。中国では外国の都市を真似て作った街や、人が1人もいない巨大ショッピングモールがいくつもつくられているようです。韓国でも不動産が暴落しているというニュースが流れ始めました。中国の場合、最終的にこれらのリスクは全部国が引き受けることになるため大きな問題にならないと考えていますが、数十兆円単位で損失が出た場合、中国といえどさすがに経済成長の減速は避けられなく、瀕死の世界経済にとっては大きな痛手となります。

 悪い情報が急に出てくると市場は過剰反応します。もし上で挙げたニュース以外にも他にリスクがあっても、早期に公開すれば市場は時間をかけて折り込むことが出来るので、混乱にはなりません。悪い情報を適切に管理することで、世界経済のエンジンでありけん引役である中国が安定して成長を続けてくれることを希望しています。


(課長 今調査役)

【7月15日9時0分配信 MONEYzine
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100715-00000000-sh_mon-bus_all
 
   
Posted at 04:40/ この記事のURL
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