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2007年04月
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第2話 おっちーとコースケ / 2007年04月16日(月)
おっちーの家は僕の家から車で2時間程かかる。山の中の小屋なんだが、実は町にあふれる探し人・ペットのポスターはほとんど、このおっちーがつくっている。彼がポスターをつくるとなぜか探し人が見つかるという噂。だから、裏社会にも顔の通ずるたよりになるファンキーな友人なのである。

T「おっちー元気か?」
O「だれや!」
T「おれおれ!タカシだよ」
O「おう、入れや!」

おっちーの山小屋は、丸太のでっかい机が置かれた部屋を中心に、3方をキッチン・バストイレ・ベットルームに囲まれた簡素なつくり。ベットルームは1メートル×2メートルの押し入れみたいな所の真ん中に棚がついており、2段ベット状にじめっとしたふとんが並べられている。小屋や家具はまさしく丸太を切り抜いてつくったような原始的なものだが、机の上にはコンピューターの類いの最新のメカが整然とならんでいる。

「おっちーさん、お茶はいったっす!」

おっちーのアシスタントらしき人がやってきた。彼はおっちーの怒りに触れないよう、注意深くお茶を差し出した。

O「どれ、・・・ぶふぁっ!こんな熱いもん飲めるか!ふーふーしてから出せや!」
「すんません!おっちーさん!自分、しっかりふーふーします。」

アシスタントはコースケといい、おっちーと一緒にポスターをつくっている仲間らしい。彼はおっちーの後ろで顔を真っ赤にしながらお茶をさましていた。

O「で、タカシ、いきなりどうしたん?」
T「飼ってたトリがいなくなったから、貼り紙をつくってもらいたくて来たんだ。」
O「そういうわけか。ええぞ。だが、わしがつくったんじゃー、高くつく。それにめちゃめちゃ忙しいねん。このコースケでもええか?こいつはこう見えてなかなかいい腕持っとるぞ。」

コースケはうなづきながらふーふーにより力が入った。

T「おっちーがそう言うなら、いいよ。コースケ、頼んだ。今すぐつくってくれ。」
K「うっす。自分今からつくるっす。どんなトリっすか?」
T「みかんって名前で、普通の小鳥で、オレンジ色してるんだ!あー、あとキムチっていうのもちっちゃく載せといてくれ。キムチの特徴は聞くの忘れたな。」
K「うっす。オレンジっすね。・・・キムチ。キムチは自分の想像でいいっすか?」
T「まずいだろ!」

しかしまあOKか。またここに来るのも手間だし、ここはコースケに任せておこう。

T「いや、やっぱりここはコースケに任せる。目立つ、いいやつ、つくってくれ。」
K「うっす。オレンジっすね。」

コースケが最新のメカでポスターをつくっている間、僕とおっちーは5年前、共に日本縦断した思い出話に花がさいた。遠くではちょっとした共通点を持つ人がとても親しく思える気持ちだとか、真夏でも野宿の夜風はめちゃめちゃ冷たく感じる気持ちとか、忘れていた気持ちをちょっとずつ思い出した。

そうこうしてるうちにコースケがポスターを完成させて持ってきた。

K「できたっす!オレンジとキムチのポスター。キムチは何羽か候補かいときました。」
T「ありがとう。・・・いや、でも、なんでトリが7羽も書いてあるんだ??」
K「この真ん中のはオレンジ。キムチはたぶん赤いだろうって思ったすが、もし違ったときのために候補書いときました!」

T「??・・・じゃあ、しいたけには好きなの選んで丸つけてもらうわ。」
K「そうしてください!」
T「ありがとう、コースケ、おっちー。このポスターで絶対手がかり探してみる。じゃあ!」
O「おう、気ぃつけて。」

そうしておっちーの家を後にし、ウグイス町へと戻った。
次の日の朝、まこっちゃんとしいたけを呼んで貼り紙をすることになった。
 
   
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第1話 まこっちゃんとしいたけ / 2007年04月15日(日)
これは、僕らの住むウグイス町での話だ。
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「おまたせしました。しいたけの方、こちらになります。」
頭の悪そうな店員はにやにやしながらそれと似たような髪型でしいたけを運んできた。

T「しっかし、しいたけ食べ過ぎだろ。もう4皿目」
M「きのこ好きだからさ。」
T「そんなもん食べてたらモテないって。焼き肉屋なんだから、肉を食え肉を。」

僕は友人のまこっちゃんと久しぶりに焼き肉屋に来ていた。
大学生の僕らにはごちそうだ。
僕は相談を持ちかけようと、まこっちゃんを誘ったのだった。

まこっちゃんとは家が近くて、小さいころからローラースケートをしたり、ファミコンをしたりして遊んだ。そうそう、ローラースケートといえば、フィギュアスケートの高橋大輔を見ると、往年の光GENJIのメンバーを
思い起こしてしまうのは僕だけか。

まこっちゃんは昔から臭いものが好きで、道端に落ちている色々なものをかぎ回っては、家に持ち帰っていた。家の中に臭いものがあると落ち着くらしいが、そのせいか女の子がなかなか部屋に入ってこないとか。

T「しいたけ臭うもんな。」
M「??・・・うん。うまいよ。あ、そうだ、話って何?」
T「それなんだけど、まこっちゃん、うちにいたみかんって知ってるだろ?」
M「うん、あのオレンジ色の小鳥?タカシが大好きだったやつだろ?」
T「そう、実は、今朝みかんがいなくなった。探すの手伝ってほしいんだ。」
M「いいけどさ、トリってどうやって探すんだよ。行きそうな場所とかあんのか?」
T「わかんないんだよ、全然。気付いたら1ヶ月位前から家にいたし、家の中でしか見た事ないから。でもなんか、あいつがいないと調子でないんだ。落ち着かないっていうか。」
M「そりゃ難しいなぁ。まあ何か考えてみるし、友達にも聞いとくけど。」
T「ありがとう、よろしく頼むわ。」


「ありがとうございます。お会計の方、こちらになります。あとガムこれ。」
しいたけ頭の店員はにやにやしながらおつりとガムを渡してきた。どうも、と2つを受け取ると、店員はそのにやにや顔から一変、真剣な表情で近づいてきた。

「あのう、トリの話なんですが、僕も今朝飼っていたトリがいなくなりまして探してるんです。」

どうやら僕らの話を丸ごと聞いていたらしい。

「キムチといいます。もし、みかんを探してる時にキムチを見つけたら、・・・うっうっ。」

しいたけは泣き出していた。彼の気持ちはよくわかった。みかんを失った僕の心は、あんのないあんぱん。ウグイスのないウグイスパンだった。

T「よし、しいたけ。一緒に探そう。キムチもみかんも絶対見つける!」

そう言って、まこっちゃんと僕はしいたけのいる焼き肉屋を後にした。
しかし、一体どうやって探そう。
とりあえず、知り合いに貼り紙を作ってもらい、それを僕とまこっちゃんとしいたけで電柱に貼っていくという、ペット探しの王道からのスタートを決意した。

まこっちゃんと別れ、その晩のうちに僕は友人のおっちーに貼り紙作りを頼みに出かけた。
 
   
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