働き方の未来 〜コミュニティの欠落〜

September 29 [Sat], 2012, 12:41
前回の続きです。
安保世代のジレンマ、そして団塊ジュニア世代以降の葛藤についてみてきました。
団塊世代ジュニアとひとくくりにしてきましたが、バブル経済の前後でまた世代観は異なってきます。
特にバブル経済後、社会人となった世代。
1980年代以降の世代は、ある種の不安定さを覚えます。
それは、人によっては、寄って立つべきものがみえない不安何かにつながっていたい気持ちなど、不安定な世界の中で、自分が立てる軸を模索しています。
これはバブル経済崩壊後、日本社会全体が、行き詰まり、閉塞感と呼ばれるコードブレイカー エロ時期に重なります。
彼ら彼女からすると、経済も政治も混迷。
社会保障や雇用も不安が増しており、まるで小さい船で航海しているように感じられるのです。
特に重大な変化は、モラルの低下でしょうか。
考えにくい非道、卑劣な犯罪。
卑近な例でいえば、電車のマナーなどをみていると、明らかに20年前とは低下したといわざるを得ません。
こうしたモラルの低下は、人々の余裕のなさから生まれる、自己中心的言動に起因すると思われます。
他人のことなど構っていられない、というわけです。
そして、バブル後の世代からすれば、模範とする人や先輩の姿がみえにくく、社会環境も不透明である中で、一層の不安感を覚える構図になっています。
どうしてこのようなことになるのか実はその背景には、経済の低迷といっただけではない、日本社会のコミュニティに課題が横たわっていると思います。
広井良典さんのコミュニティを問い直すちくま新書は、私の考えを整理する大きなきっかけになった本です。
広井さんによれば、本来のコミュニティは、公共私の三層が必要です。
それぞれ、政治、地域、企業と置き換えられます。
日本は戦後、官民一体となって経済成長、それも規模的な成長に邁進してきましたが、邁進するためには、機能は集中させ、世帯をモデル化すると同時に、コミュニティの機能も集中させる結果になりました。
すなわち私への集中です。
公政治は、出来るだけ市場経済に口を出さない。
共地域のつながりや互助性といった機能は、すべて私たる企業が、社員を家族とみなす一種の社会保障の機能を果たすことで代替する、というものです。
こうして日本は、官民一体となって私へ集中した結果、経済の規模的成長は果たされましたが、一方では本来強い影響力を持っているはずの政治に対しては無関心という態度になり、また地域のつながりは希薄になってしまいました。
多くの人が郊外から都心に向かって通勤する職住不一致の生活となり、かつ企業が共の代替性を有してきますので、住んでいる場所の意味というのは、必要な物資を得て寝るだけの機能的価値しかなくなってしまいます。
それでも、私たる企業が、共の機能を果たし、経済成長によって公から恩恵を受けられるうちはそれでもよかったのですが、バブル崩壊後は、終身雇用、年功序列は廃止され、企業は共の機能を代替することはなくなりました。
この失われた共の機能は、本来ならば、地域や近隣が果たさねばなりません。
しかし、職住不一致の生活になってしまった人々は、寄るべきつながりがありませんし、何より地域や近隣が果たすつながりの重要さに気付きません。
別に隣に誰が住んでいようが関係ない、というわけです。
広井さんは、この状態をある種のひきこもりとみなします。
私たる企業から、突き放された人々は、家庭や友人という狭い世界にひきこもり、その小さなコミュニティの最適化だけを目的とします。
広井さんが指摘した例では、例えば、電車の中で、友人には進んで席を譲るような人が、いざ他人となる敢然として譲ろうとはしないような現象です。
身近な世界に閉じこもり、その中だけがよければよい。
こうした姿勢が、ひいては自己中心的なモラルの低下を生んでいます。
そして、バブル後の世代が、つながりがない。
寄って立つものがない。
と感じられる背景には、こうした共の欠落という事態が横たわっていると思います。
ですから、単純に経済が成長すればよい、というものではなく、今私たちに問われているのは、あらゆるものを一唐集中させてきた生活や働き方を見つめなおし、公共私の三層のコミュニティが健在する社会を実現するかどうかが問われているのだと思います。
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