寮。

July 08 [Fri], 2011, 19:58
盛岡駅に着いたのは朝時過ぎ。午後からの同窓会記念行事の前に、昔住んでいた学生寮を訪ねてみることにした。岩手大学北謳寮ほくおうりょう。年月に入学してから年月に業するまでの年間、私はずっとそこに住んでいた。北謳寮は盛岡市の中心街から北へほどの、閑静な住宅街の一角にある。すぐ隣りは女子学生たちの住む紅梅寮こうばいりょう。これは今でも変わりがない。ところが数年前、この二の寮は、その歴史が始まって以来の一大変化に見舞われることになった。施設が老朽化したのに伴い、大学当局が大掛かりなリフォームを施したのだ。それまでの北謳寮および紅梅寮は、どちらも34人部屋が基本で、食堂も併設された、いわば昔ながらの学生寮だった。それが改装を機に全室が人用個室で、食堂も廃止されるという、ようするに普通のアパートとあんまり変わりのないスタイルになってしまった。いや、最も大きな変化はそれではない。というのは、改装を機に北謳寮と紅梅寮とが建物ごと入れ替わってしまったのだ。すなわち、かて私が住んでいた西側の階建ての寮舎が紅梅寮に、東側の階建てが北謳寮へと切り替えられたのだ。要は男女逆になったわけだ。理由はもちろん私の知るところではない。ともあれ、そんなわけで往時を懐かしむ私が訪ねた寮舎は、今は女子寮になってしまっていた。当然、訪ねたところで建物の内部まで足を踏み入れるわけにはいかない。それどころか、玄関前をうろちょろしているだけで変な中年男が玄関の前をふらいているなどと通報されかねない状況だ。仕方がないので、玄関前にいた女学生と思しき人にすみません。昔ここが男子寮だった頃に住んでた者なんですが、寮の写真を撮らせてもらっていいですかと、あらかじめ誤解のないように断っておくことにする。もっとも、人とも寮生ではないらしく、えーっここって男子寮だったんですかー新しい建物だと思ってたんですけどと驚かれる。ほどなく彼女たちの友人と思しき寮生の女の子が外に出てきたので同じことを伝えたもののえっなんでしょう。ちょっと、私だととまごかれるばかり。彼女が出てきた自動ドアの向こう側には、いまやすっかり小奇麗にリフォームされ、ソファーの横に大型のテレビが置かれたロビーが見えたっーか、玄関が自動ドアになってたことに驚いた私であったわけですが。まあいいや、とりあえず一言ことわっておいたんだからということで、持参したデジカメのシャッターを切ることにする。確かに、寮舎は外見的にもいくぶん綺麗に整えられていたとはいえ、それは紛れもなく、かて歳前後の私が年を過ごした北謳寮そのものだった。酔っ払って階の窓からゲロを吐いたり、同僚と殴り合いの喧嘩をやったり、バイクを洗いながらみんなでとりとめもないおしゃべりをしていた、あの頃の寮の前庭が、今でもほとんどそのまんま。うん。まだここはこうして残っていてくれたんだと、一人ごちた私は、ほどなくそれこそ誤解を受けないように背を向け、もと来た道を再び歩き出した。何だか少し元気をもらったような月日、土曜日の正午前のひととき。
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