ユング心理学+仏教のカウンセリング(109)

June 30 [Wed], 2010, 22:10
最後に大乗仏典の『華厳経』で語られている善財童子の遍歴の話が、自分の心の旅でもあるので紹介されています。

(2000年ほど前の人達の中にも・自分の心の旅から多くを学んだ人達がおり、その経験を人々に役立ててもらうため『華厳経』を編纂した菩薩が居たのです。

そして『華厳経』は、仏教が伝播した地域の人々の生き方に大きな影響を及ぼし・残したのです。日本について言えば、奈良の東大寺の大仏は『華厳経』に出てくる本尊の毘盧遮那仏ですし、華厳宗という宗派も存在し・人々の生き方に大きな影響を与えました。)

 物語に登場する善哉(スダナ)は、過去の優れた行いの報いにより、良家に生まれ・何不自由のない生活をしていましたが、或る時、知恵の菩薩である文殊菩薩に従う決心をします。

(世の中の職業・そしてその経験が、人々の生活であり・そこに菩薩の心があることを、善財童子の遍歴の話が教えているのです。)

 そして善哉は、53人の様々な階級や職業、年令の人々を訪れ。教えを請います。53人の中には、国王、バラモン(当時の最上級階層の人達)、商人、手工業者、娼婦、子供までも含まれています。

 中には、怒りや愛欲をむき出しにする人々がおりました。そして善哉はこれらの出会いを通して、自らの心の中に様々な側面を発見していきました。

 そして人々との出会いが、自分自身との出会い(悟り)でもあることに気付いていくのです。

 善哉の経験も、現代でも同じであり・役立つと考えられます。人々との関わりには、時には、自分がイジメの被害者になったり、或いは、知らないうちに加害者になっているかもしれません。

 そうした出会いには、様々な心の痛みや葛藤を伴い、人によっては一時引きこもって・自分を立て直そうとすることがあると思います。

 そうした時、出会いの経験の度に動く自分自身の心を見つめる作業・努力が、自分のあるべき姿を発見する過程として必要と、著者は感じています。

 自分自身の心を見つめる作業こそが、菩提心に他ならない。(菩提心とは、天空に有ったり、人から与えられるものではなく、自分自身を見つめ・悟っていくことと思われます)
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