でも、せっかくバリアフリーの設備を作るのならば、本当のバリアフリーにしてほしいと思うのです

November 17 [Mon], 2014, 18:10

さて、問題です。
今日、あなたが乗ったエレベーター。どこかに「非常用ボタン」があったはず。
それは『どこの位置にありましたか?』

多くの方は、そのようなことに記憶はないですよね、きっと。
そこで、今日のテーマは「バリアフリー」。バリアフリーには、「設備」のバリアフリー、そして「心」のバリアフリーの2つがあります。そこで、今回は設備の面で考えてみましょう。

私は、エレベーターに乗るといつも非常用ボタンの位置を見てしまいます。
ぜひ、あなたも見てください。

では、続いての問題です。
『その位置でいいと思いますか?』

非常用ボタンは、非常時に押すべきボタンですから、誰もが押せる位置にあるべきだと私は考えます。
それは、一人で初めて買い物に行った子どもであっても、エレベーター内で転倒してしまった車いすユーザーであっても。
以前、その設計に携わっている方に聞いたところ「子どもがいたずらできないように高い位置にある」という返事でした。もし、その考えが本当だとすれば、対処がずれているように思うのです。「非常時に使う物は、非常時以外に使ってはいけないという教育をする手段を考えるべき」であって、使えないようにしてはいつになっても使うことを知らないままだと思います。

ちなみに、私の住むマンションにあるエレベーターの非常用ボタンは、各階のボタンや開閉ボタンよりもさらに上にあります。高さにして、床から160cm程度でしょうか。
それが本当に非常時に役立つボタンなのでしょうか?
それが本当にバリアフリーを念頭に置いた設計なのでしょうか?
もちろん、非常用ボタンが無用だというつもりはありません。
でも、このボタンを本当に必要とする方の声を直接聞いたら、このような設計にならないのではないかと思うのです。

日本では、駅や公道などに点字ブロックを見かけるときがありますね。
ぜひ、バスを降りたら駅のホームまで、点字ブロックの上を追ってください。
なんと不便なことでしょうか。

点字ブロックの多くは、直線の組み合わせで設置しますので、曲がるときは基本的に直角です。視覚に障害がない方で、道路を歩くときに直線に歩き、曲がるときはいつも直角という方がどれほどいるでしょうか? そもそも、視覚に障害がある方が、点字ブロックの上を追うように歩くのを私はほとんど見たときがありません。
もちろん、多くの点字ブロックを無用だというつもりはありません。
でも、この点字ブロックを本当に必要とする方の声を直接聞いたら、このような設計にならないのではないかと思うのです。

私が時々使う乗り換え駅は、2つの駅が地下道でつながっており、その間の50mぐらいがゆるいスロープになっています。世間で言えばバリアフリー対応です。
でも、床は滑りやすいタイル(おしゃれですけど)。一応、坂の部分だけはスリットがあり、滑り止めの役割を持たせたつもりなのでしょう。しかし、特殊な靴を履かざるを得なく、足の重心のかかり方が普通ではない私には、雨の日は転倒が恐くて歩けません。仕方ないので、雨が降ると、わざわざ外に出て、雨の中を地上を使って乗り換えるのです。

一部の方には贅沢な悩みだと指摘を受けます。
でも、せっかくバリアフリーの設備を作るのならば、本当のバリアフリーにしてほしいと思うのです。
エレベーターのボタンの位置を変えるのも、点字ブロックを多くの方が歩く経路に敷くのも、ゆるいスロープの床は滑りにくい材質にするのも、いずれも設計や施工時だったら予算的に大差ないことでしょう。でも、完成後は変更が大変なものです。

病院の設備でさえ、バリアフリーが完璧と言えません。
私が時々行く大学病院。昔ながらの建物ですから中は照明が暗く、案内板の表記位置も統一されていないので、視覚障害者には厳しいことでしょう。
院内は迷路のようで、行き先が分からずにお年寄りの方々が苦慮している様子を見かけます。会計時には、事務の方がマイクを通さず患者を呼ぶときもあり、耳が遠ければ聞こえないでしょう。
もっとも、建て直しが進んでいるでいるので、取り壊すことが決まっている建物の設備に投資できないのも理解できます。早く完成してくれないかなぁ〜。
施工を担当している部署の方からは「新しい建物は雰囲気の良い内装になる予定」と聞いています。期待している一方で、本当に患者視点の内装なのか、少し恐くもあるのですが。

設計や施工の途中で、本当にバリアフリーの設備を必要とする私のような身体障がい者の眼を入れたら、多くの有意義な意見が出されると私は考えています。
一見、バリアフリーの設備。でも、それが本当にエンドユーザーにとって利便性があるものになっているのか、ぜひ当事者を交えて意見交換してください。

ちなみに、バリアフリーの設備の基準は国土交通省ホームページに掲載されています。
私としては、「この基準を満たせばそれでよい」ではなく「基準を超えてよりエンドユーザーにやさしくしよう」という発想が欲しいと思います。そして、予算も手間もさほど増えないのならば、ぜひ多くの方が快適に使える設備になって欲しいと考えています。

さて、次回は「心」のバリアフリーについて、書きたいと思います。

 先日開催されたコーヒーの国内一大イベント「SCAJ2011」
 コーヒーマイスターの私は試飲がある講座を受講(写真)
 コーヒーの味の表現は難しい(笑)

巨人倍増
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