スリープ【Sleep】94

April 07 [Sat], 2012, 19:15
芹澤家の首長の二人はマークゲイン准尉一行を小さな事務室に案内した。
若いマックハーディ中尉はその部屋に置いてある椅子に腰掛け、火鉢のふちに足をのせて、鋭い眼つきで二人を睨み付ける。
不安を隠せないセルロイドカラーの大造に禿頭の耕造連合国軍の武装した将校が何故ここへ突然やって来たのか、さっぱり理解出来なくて戦々恐々としている。
マーク准尉は本題の金塊捜索に入る前に、二人に対し牽制球を投げてみた。
貴様ら、この度の白n制度改革をどう思う占領後まだ日の浅い日本。
彼は、この野蛮な小作人制度の廃止法令を二人がどう捉えているのか興味があった。
芹澤家は本家と15の分家から成り立っている、合わせて4千百エーカーの土地を所有し、5千百5十人の小作人がこれを耕している。
小作人達はそれぞれ収穫の三分一から半分を芹澤家に収めている。
小作人はその残りで租税を支払い萩笏ソを買い、平均七人の家族を養っていこうと試みる。
彼らの困窮は余りにも明瞭だということをマーク准尉は指令書からの情報で識っている。
軍服を着たアメリカ人にどこまで話してどこまで隠していいのか見当がつかなかったのか二人は当惑していたがセルロイドのカラーをつけた長男大造はアメリカ人達によくしゃべった。
まず私たちが小作人たちと、どんなに親密な関係にあるかをご承知願わなければなりませんROID
小作人たちの大部分は三代も四代も前からその土地を耕しているのです。
私たちは景気の悪い時には決して小作料を無理に取り立てたりしてません、私たちは彼らの親父のような気持ちでいますし、小作人たちも子供のように私たちになついてます全くその通りと、禿頭の次男耕造が付け加える。
貴方がたアメリカの方達が考えておられる白n制度改革は全然いけません調子よく雄弁に語り出す大造マーク准尉は黙って聞いている。
3百年以上にわたって私たちは小作人との間に安定した関係を打ち立てて来たのです。
新しい法律はこのバランスを破壊するものです更に悪いことには、この政策は決して成功しますまいえぇ、そうですとも、これは失敗ですよ禿頭もこれに習う。
指令書によると今度の白n改革で芹澤家の土地売却代金は6百万ドルに上るだろうと言われているいけしゃあしゃあとよく語るもんだと呆れるマークだが、興味本位でさらに尋ねた。
土地の売却益で得た金をどのように運用するんだ意外にもあっさり答えるセルロイドカラー。
製薬事業の資金運用にでもあてるかな兄さん禿頭が言い咎める。
はっいや、まだ全然決まっていません二人が何を狼狽しているのかマークにはさっぱり分からなかったがこの会話の通訳を通じて無表情だったサリーの顔色に変化が起きた事を彼は見逃さなかった。
それよりも彼らが地主以上の存在だという唐ナある。
もっともこの唐認めるのは彼らの表情を見て気に入らないようであったが、質問毎に真相は明らかにされて行った。
満州萩ニ銀行朝鮮殖産銀行発電会社配電会社造船業外に川崎重工業にも莫大な投資をしていた。
もっとも利潤を上げているのは信託会社で、彼らの小作人の5百人はそこから金を借りているそうだ。
セルロイドカラーは、後半得意気に語っていた。
事務所の入り口に掲げている看板をサリーに説明してもらった時明治生命保険代理店富国微兵保険代理店と、書いてあった事を思い出すマーク。
ふざけた奴らだ彼はそろそろ本題に入ることにした。
そう連合国軍の正規の指令、隠匿した金塊の捜索である。
マークゲイン准尉は、ロバートマックハーディ中尉にアイコンタクトを送った余興はここまでだ待ってましたとばかりに火鉢にのせてあった足を床に叩きつけ立ち上がるマックハーディ中尉えっ倉庫の鍵を引き渡せだってあぁ、そうだ二人は連合国軍の将校達の全く予期せぬ命令に唖然とした。
マーク准尉率いる総勢十二名のGI達は、煉瓦塀の壮大な門をゾロゾロとくぐり本宅の中へ行進した。
その後に首長の二人はソロソロくっついて行く。
つづく今回の文字数三千五百文字少ないけど取り急ぎ続きをと
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