フラガール メモリアルBOXについて
2007.10.09 [Tue] 12:06

この映画の舞台となった昭和40年頃の炭鉱町での生活は全国的にも恐らくはこんな様子だったに違いない。たぶん娯楽と呼べるものも少なかっただろうし、ここでの紀美子や早苗たちの気持ちは経験者でなくとも痛いほどよくわかる。それだけに物語中盤、早苗がある事情で「ダンスを練習できたことは生まれてきた中で一番幸せ・・・」と語るシーンには涙無しに観ることはできないだろう。 ちなみに、このような映画の設定自体は特に珍しいわけではない。やはり炭鉱を舞台としたイギリス映画「ブラス」でも同じような状況から物語は始まっている。しかしこの映画が「ブラス」と決定的に違うのは、ここには日本人特有の湿感が表現されていると同時に、今まで外世界から半ば断絶されてきた娘たちの、一斉に解き放たれた時の喜びが観る者に共感を与えていることだ。 なお、この映画での主演は一応松雪泰子サンとなっていて、DVDパッケージにも彼女がデザインされているが、実質上のこの映画での主演は蒼井優だと言ってよい。出演シーンの多さというよりも、彼女のナチュラルな語り口が観る者に大きな感動を呼んでいるからだ。さらに、彼女が幼少期から習っていたというバレエがこの映画で大きく花開くことになる。彼女は映画「花とアリス」でも瑞々しいバレエを披露しているが、この映画のラストシーンでの彼女の輝きにはきっと観る者を釘付けにすることだろう。本当にいい映画だ・・・。