橋の上で 

2012年03月22日(木) 20時23分

久々にノマかぷとでも思いまして
マサ葵




(・・・なんだかなぁ)

マサキは河川敷の橋の上で、そう一人ごちた。

眼下では―――

小学生のサッカー少年と天馬が楽しそうにサッカーをしていた。
いや、それはたいした問題ではない。
天馬がサッカーバカなのは周知の事実だし、それはいい。
小学生もあこがれの雷門サッカー部の人とサッカーができる!というだけで嬉しそうだ。
そう、問題なのは

(なんで、天馬くんといてそんなに楽しそうなのさ・・・)


その様子を近くでにこにこしながらみている空野葵だった。
彼女は、雷門サッカー部のマネージャーでクラスメイト、そして
なによりマサキの『彼女』であった。


(別にさぁ、付き合ってるっていっても、予定入れてないときは個人の自由だけど!
なんでよりによって天馬くんなの!)

むう、とマサキは橋の欄干に頭を乗せてうつむいた。
ゴン、というわずかに鈍い音と、鼻孔をくすぐる少し錆びた鉄のにおい。


いっそ相手が天馬じゃなかったら。
怒りやすいのになぁ、とつぶやく。
あのサッカーバカに恋心の機微を説いたところで効果なんてあるはずない。
あの笑顔で、『え、俺も葵のこと好きだし、狩屋のことも好きだし、それでいいじゃん?』
と言われるのがオチである。







そんなことを考えていると、
「えいっ」
「わあああ!?」
後ろから頭をつつかれた。


あわてて振り返ると、そこには葵が立っていた。


「え、あれ、さっき下に」
「うん、狩屋が見えたから来たんだ。何か用事?」
「え、いや別に・・・」

普段あまり見慣れない私服姿、のショートパンツからのびる足に目が行き、
思わず視線を泳がせた。


「て、天馬くんはいいの?」
「ああ天馬?サッカーに夢中だし、いいんじゃないかな。サスケもいい子だし」
「ふーん・・・。」


最初の動揺がすぎてしまうと、なんだか落ち着かない。
マサキは気を落ち着かせるように猫っ毛な自分の紙を撫でた。

「ひょっとして、今日狩屋ひまだったの?」
「なんで」
「こんなところに1人でいるなんて」
「あ、まーね。特に予定なかった」


嘘ではない。
今も暇つぶしがてら散歩していただけだ。


「そっか・・・。じゃあどこか行けばよかったね」
「え」
「わたしも暇だったの、今日」


葵が少しはにかんだように笑う。


それは、さっき天馬を見つめていたときとは違う笑顔で、
「っ・・・」
マサキは思わず視線をそらしてしまう。


そんな狩屋を見て、不審に思ったのか葵はさらにマサキの瞳を覗き込んだ。
彼女の澄んだ目と、マサキの視線が交錯する。


「狩屋?」
「っ・・・じゃあ、来週にでも、遊びに行く?」

なんとかそれだけ言うと、葵はまた、極上の笑顔で頷いた。



(そんな顔するなんて、反則、だろ!)




オチはない



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