Triple Emotion14話 

July 11 [Tue], 2006, 16:00
――出発の日――

ガラガラガラガラッ…パタパタッ!

車ひとつ通らない静かな日…聞こえるのはひとりがトランクをひきながら走る音…

ザワザワ…ガラガラッガラガラッ!

「愛ちゃん!絵里ちゃん♪こっち!」
「あッ!おはようございまーす♪」
「おはよう。」
「おはようございます。亜弥先輩は?」
「今そこのパン屋で朝ご飯買ってる。」
「れいなちゃんは…?」
「れいなちゃんとはゲートで待ち合わせだから。」
「そうなんですか。」
「今日でお別れなんだね。福岡と。」

愛はドアの向こうを見つめて言った。

「名残惜しい?愛ちゃん。」
「あさ美と別れるの…少し寂しいです…」
「あさ美…?紺野あさ美?」
「そうです♪覚えてるんですか?」
「んー…。一応は…。」

バタバタバタッ!

「愛!絵里ぃ!」
「亜弥♪おはよー♪」
「おはよッ。待たせてごめんね。」
「じゃ…揃ったし行こうか。」
「そうですね。」

ガラガラガラッ…

四人は精密検査を受け搭乗ゲートのほうへ向かった。

「三日間どこ泊まってたんですか?」
「空港近くのホテル…。亜弥ちゃんは?」
「…ホテル♪」
「その間はなに?」
「なんでもないよぉー♪」
「なつめさんなつめさん!」
「ん?」
「亜弥先輩、絵里ん家に泊まってたんですよ。わざと早く出てごまかしたんです。」
「一日目は私の家きたよねー?亜弥。」
「二人とも余計なこと言わないでよー!」
「…亜弥ちゃん?ホテル代渡したよね?」
「貰いましたねー。」
「あとで全額ちゃんと返してね。」
「えぇー!!なんでぇ!!」

ピタッ。

なつめは足を止めて亜弥のほうへ顔を向け亜弥を真顔で見つめた。

「…なにか?」

ビクッ。

「いえ…?後ほどちゃんと全額お返し致します♪」
「ちゃんとよろしくね♪」
「はいッ!」

四人はまた歩きはじめた。

Triple Emotion13話 

July 10 [Mon], 2006, 16:00
「そんな…急に…ですか…」

なつめから本題を聞いたれいなは動揺していたが亜弥はなつめの代わりに話を進めた。

「三日後出発するから荷物まとめてね♪」
「三日後って…そんな早くですか!?」
「イヤならこなくてもいいけどね。」
「…え?」
「どーしてもきたくないならだけど。でもよほどの事がない限りきて欲しい。」
「いかんでも代わりたてられるっちゃろ?」
「そんなこと誰もいってないよ?」
「れいななんて必要ないっちゃろ。れいなの代わりのあれなんて世の中にはたくさんいるっちゃ。」
「れいなちゃんの代わりなんていない!」

ドクンッ!

「え…?亜弥さん…。」

「人間ひとりひとりは世界にひとりしかいないの。だからこそその人への色んな感情が芽生えてくる。
だからこそ大切に思うんじゃないの?れいなちゃんもあの子のことであんなに悲しんだじゃん!
もし…あの事件があの子じゃなくて代わりの人だったられいなちゃんは悲しんだ…?
代わりじゃなくて…世界にひとりしかいないから悲しむんじゃん!」

亜弥はれいなの目を真っ直ぐ見て見て訴えるように話した。

「ふたりにはわからんっちゃ!」
「なにがわからない…?」

今まで黙り込んで亜弥とれいなが話してるのを聞いていたなつめが口を開いた。

「れいなはもう会う資格ないっちゃ…」
「資格…?人に会うのに資格なんか…」
「れいなはあの人を傷つけて!絶望に追い込んだ!会えるなんてそんな勝手なことできるわけない!」
「わかってないなぁ…れいなちゃんは…」
「わかっとよ!権利なんかあるわけないっちゃ!あの子にもあの人にも!福岡にいたほうがいいことも!」

バチンッ!

「いっ…なつめさ…なんしよーと!?」

なつめは思いっきりれいなの頬を叩いていた。

「このバカ。ったく…分からず屋」

カタンッ。

なつめは席を外し洗面所へ向かった。

Triple Emotion12話 

July 09 [Sun], 2006, 16:00
―とある夏休みの朝―

静かな福岡の晴れた日の朝。
周りは静かで、鳥のさえずりだけが、静かな通りを演出している。

ピルルルル♪ピルルルル♪

突然、ベットですやすや寝ているれいなの枕元で携帯電話が鳴った。

ピッ!

(んにゃー?誰にゃ?)

「もっしもしぃー!?」
「……………………」

(無言電話?まだ8時…人の眠りを…ったく!)

れいなは携帯の番号を見た。
その番号はれいなの知らない番号だった。

「誰?れいなっちゃけど?誰ですか?なんの用ですか?」
「……………麗梨…………?」

カシャッ…ガタンッ!

『麗梨』という言葉にれいなはベットから落ちた。

「その声は…ま…じゃない…。なつめさん?なつめさんっちゃか?」
「なつめですッ。朝早くにごめんねー。」
「いえ。どうしたんですか?こんな時間に…。」
「今さ福岡にきてるの。」
「へ!?福岡に!?い…今どの辺ですか!?」
「れいなちゃんの家の近くにいると思うんだけど…公園とこ…。」
「…れいなの家の近く…?」
「あ!ここかな?矢口・田中って書いてある。田中なんだねー。」

ガタッ!バタバタバタバタッ!

バンッ!

「なつめさん…!」
「おっ!麗梨!おっはよっー♪っとれいなちゃんのが良い?」

トンッ。

「………っ!」

れいなはなつめに半泣きで抱きついた。

「おっとと。どうしたー?」
「なつめさん…会いたかったっちゃ…。」

(可愛いくなったなー…しかも大きくなってる。)

「れいなちゃん?」
「にゃ…?」
「抱きつく相手…。違うんじゃない?」
「……………!」
「ま!今日はいないんだけど…あはは。」
「……………………」
P R
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