ほしいものがあります。〜ふたつめ〜

August 27 [Wed], 2008, 20:07


ふたつめ

オランダ行きのチケットが欲しい。
でも、そうなるとオランダに行って、滞在して、帰ってくるまでの休みも当然ほしい。
チケットだけを神棚(神棚は家にはないけど)に飾っておいて崇めたててばかりいても仕方がない。
だからわたしは幾分苦手な「現実的に物事を考える」ことをしていなねばならないなあ、と、手帳をめくりながら考える。有休をいつ取るか、いくら貯めておくことが必要か、スケジュールをいつ立てるのか。
わたしのモットーは「思い立ったが吉日」である。
このモットーに潜むタブーは、「思い立たなければいつまでも吉日は来ない」というものである。
つまり、「よし!」という勢いがついてしまえば良いが、この世界にはそうもいかないことが山のようにあって、そして大抵がそんなことかもしれない。実際に書き出して比較してみる労は厭うけれども。
スーツの上下をいつクリーニングに持っていくのか、送別会の出欠をいつ出すのか、ひたすら重ねられているMDにいつラベルを貼るのか、既に底が抜けそうになっているあの靴を捨て去り、いつ新しい靴を買いに行くのか、本棚の現状(ぐちゃぐちゃ)は不快だがそれはそうといつになったら整理を始めるのか、いつになったらフィットネスクラブの会員になる手続きをする気なのか、ありとあらゆることが、「思い立たなければ吉日は来ない」というタブーに見事抵触する!
こういう事態で背中を押すとも言わず、叩きあげてくれるのは他人である。
「なに、この本棚!ぐちゃぐちゃじゃない」
「いちいちMDをひとつひとつ再生してみて、聴きたいアルバムにたどり着くやり方なんてあほらしい!」
こういう眉間に皺を寄せた、心からの蔑みは、実に耳を傾けるに値する。誰も好き好んで他人に眉間に皺を寄せた顔でいつまでもいつまでも見つめられ続けたくはない。
自分でもまずいと思っていたところを、さらに他人にも言われたからには、こりゃもうなんとかしなきゃな、と重い腰を上げるわけです。腰を上げるんならでもいいほうだと思います。
そういう「特別やりたいと思わないことはやりたくない」という、半ば信じがたい性質を堂々と有している私(それを批判的に自覚はしております)にとって、旅行へ行くのは、様々な面倒くさいプロセスを内包していつつも、「よし!」という何にもない状態から飛び上がった声、勢いで突き進んでしまえるものごとのひとつである。
国内ならまだしも、行ったこともない国へ行くのに、「適した」服装を何日分も用意したり、「もしかしたら寝る前にお腹が空くかもしれない」と思っていつも食べているなんのことはないお菓子を買いに行ったり、「もしかしたらトイレットペーパーが無いトイレに入るかもしれない」と思って水に流れるティッシュを買いに行ったり、旅行の準備というものは何にもまして面倒くさい。こういうことを楽しめる人は心の底から羨ましいです。メールを返すのが面倒だと言って、なかなかゆっくりと返信してくる人がいますが、「えっ、今頃?」と思うかどうかは別にして、あの人たちがわたしの旅行の準備と同じくらいの面倒くささをメールの返信に関して覚えるのであれば、私にそのタイム・ロスを怠惰だと責めることなんて出来ない。
お腹が空いたときのためにお菓子を、それから水に流れるティッシュ、各種の滅菌ティッシュ、移動のときに食べる飴、移動のときに首の後ろに挟むエアークッション、移動のときに読む本・・・私が面倒くささに覆いかぶされながら想像力をそれなりに働かせて揃えるものといったら大体こんな風に想定されるシチュエーションが「稀」であり偏っているので、現地へ着くと足りないものがいろいろと出てくる。その代表は洋服である。
同じものを何日にも着たくないくせに、消耗品でなくて減りもしないうえに重い、という面倒くさがりらしい理由で最低限に揃えられた服は、大概数日後に尽きる。それで疲れきった夜中にホテルの洗面台でえっさえっさと洗濯を始め、ドアノブやカーテンレールにハンガーをずらずらぶら下げて、『洗濯の間』を作り上げることとなります。重たい服入りのスーツケースを持ってゆくか、洗濯を厭わないか、これは究極の選択である。書いていて思うのは、つくづくつまらぬことに面倒くささを感じるタチなのだなあということ。
もっと別のことに面倒くささを感じてみたい。

それはそうと、なぜ、オランダ行きのチケットが欲しいのでしょうか。
それは、フェルメールの絵、特に『真珠の耳飾りの少女』を、オランダはハーグにありますマウリッツハイス美術館でこの目で観たいからです。
この絵はほんとうに一体何なのでしょうか?
色んなところで色んなサイズでこれでもかとばかりに観れば観るほど、本物を観たい!という気分が高揚します。"食傷気味"という日本語とは対極にあります。ちなみにわたしは小学生の頃、プリンに食傷気味になりました。帰ってくると毎日冷蔵庫にプリンが入っていたのです。それはそもそもわたしがプリンが好きであると公言したことに端を発しますから、毎日プリンを取り揃え続けた母を責めることは出来ますまい。近頃、ようやくまたプリンを食べたいと感ずるようになってきました。
今、上野の東京都美術館にこれまた大好きな『小路』が来ております。そのほかにも5点、フェルメール作品を観ることができます。非真作と考えられているもの含むと大体32〜35点が確認されているフェルメール作品は、世界各地に散らばっています。貸し出してはならぬ、という条件付で、展覧会に出展されえないものもあります。(そう考えると、例えばモネの作品が日本各地で観られるってありがたいというか、たくさん描いたんだなあというか、ふしぎな感じがしますね) よし!世界各地に散らばるフェルメール作品を全部観てやろう、という趣旨の本も出版されているようです。
そしてさしあたってわたしは、オランダに行って、『真珠の耳飾の少女』を観たい。
アムステルダムの国立美術館で『牛乳を注ぐ女』を観たい。
それからフェルメールが一生を過ごしたデルフトという街を歩き回ってみたい。
もちろん、『デルフト眺望』も観たい!
幸いながらこれら三点はすべてオランダにあります。デルフトという街は言わずもがなオランダにあります。
行きたい、観たい、歩きたい、のならばもう、オランダ行きのチケットを手に入れるその日まで、有休申請を出すその日まで、わたしは現実的にお金を稼ぎ、貯めるのです。
よし!があれば、大丈夫。
  • URL:http://yaplog.jp/tre-tre-tre/archive/729
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本日は「偏っている」をキーワードに、考え方の偏りに対して、どんな考えを持っている人がいるのかを、探してみようかと思います。
たのしい検索 ゆかいな検索 September 01 [Mon], 2008, 20:10
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はじめまして、きのこと申します
私のブログに足跡を残してくれてありがとう
今、旦那の仕事の関係でオランダに住んでいます。
フェルメールに憧れているmarikoさんの気持ちが良く伝わってきました。
今上野に5点も行ってるんですか?一度にそんなにたくさん見れるなんてラッキーですね。
「小路」は私も大好きな作品です。
オランダには今でもあの絵のような街角があちこちに残されていますよ。
ぜひぜひオランダに来てください。
「真珠の耳飾の少女」や「デルフトの眺望」は、400年ほど前に描かれたとは思えないほど、今でもきらきらと輝いています。
近くに寄ってじっくり眺めると、細かい筆使いに感心します。
(本当に間近で見ることができます)
冬のシーズンなら飛行機のチケットは比較的安いかも・・・(年末年始以外)
天気は悪いけど・・・

August 29 [Fri], 2008, 3:59
P R
プロフィール
  • ニックネーム:mariko
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