計画的運任せの恋愛事情 9 ( チャレンジ・ゲーム )

February 13 [Mon], 2017, 16:59


計画的運任せの恋愛事情 9 ( チャレンジ・ゲーム )



       ( ファースト・コンタクト )

ザワ、ザワ、ガヤガヤ
今日はオンライン・ゲームの新作イベントに来ていた
俺の名は 結城晃 工科高校を卒業して
    小さなメーカーに勤める19歳である
今回のチケットは 数ヶ月前に十数倍の競争率を掻い潜り
要約 ゲットしただけに 只今のテンションは最高潮
挿入曲と共にアナウンスが流れる
「 では、最後にバージョンYのパイロット盤DVDの
            当選者5名を発表します 」
「 18番 ・ 54番 ・ ・ ・ 111番
「 よっしゃー! 」 思わずガッツポーズ
賞品を抱え 席に座る間際
     後ろの席の二人組みに声を掛けられた
「 おめでとうございます 」
「 良かったら この後 マックしない? 」
「 えっ、あっ、」
「 ご、ごめん 友達が待ってるから 」
「 そうなんだぁ 」 「 じゃね〜っ 」
・ ・ ・
会場のドアから出ると すぐさま大きな声が
「 アキラ!」
声の主は 中学時代からの親友で
今は家電量販店に勤める 元木隆であった
今回のチケットは二人で応募したが
        タカシは残念ながら外れてしまい
今日は 帰りの足を頼んでいた
「 待たせたか? 」
「 おぅ、待った、待った 」
「 わりいなっ、此れでも 待たせまいと
       逆ナンを振り切ってまで来たんだぜ 」
「 あんだと〜 」
「 だから、帰りがけに女子に誘われたけど
              断ったって言ってんだ 」
「 馬鹿野朗、そういう時は気を利かせて
          友達も一緒にとか言えね〜のか 」
「 此れだから 男子校出身者は ・ ・ ・ 」
「 女子が少ないだけで 共学だっつう〜の 」
俺は つい先程手に入れたDVDを片手に翳し
          タカシの目の前に チラつかせると
「 其れより 早く帰って これだろ 」
「 お〜っ、やった〜っ 」
「 だな〜っ、女子も良いけど 今は此れだしょ 」
・ ・ ・
カチャ、カチャ、カチヤ、カチャ
「 オラ、オラ、オラ、オラ、 」
「 おっ、オッ、アッ 」
「 ヤベ !! 」
シュパーン
「 ふぃ〜、 助かった 」
カチャ、カチャ、カチヤ、カチャ
( チャット交信 )
「 むむさん、どうもです、
      ほんと助かっちゃいました 」
「 それにしても 死神の鎌、強すぎスッ !! 」
「 どういたしまして 偶々手に入れた
      コンプリート・アイテムだけどねっ 」
「 むむさん、ボイス交信に切り替えられます? 」
「 出来ますよ 」
「 じゃあ、メインURLを送りますね 」
カチャ、カチャ、
「 あっ、初めまして アキラは本名です 」
「 はじめまして 」
( えっ、女の人??)
「 初めまして え〜っと 」
「 如何したの?? 」
「 えっ、いや、むむさんの事
        男だと思い込んでたから ・ ・ ・ 」
「 あはっ、それで 」
「 アキラさん、
  それともアキラ君なのかな〜 おいくつですか 」
「 あっ、はい、結城晃 19歳です 」
「 学生さん? 」
「 工具メーカーで働いてます 」
「 私ばかり質問してちゃダメだよねっ
      ハンドル・ネーム むむは 
          本名 葛葉カンナと言います 」
「 う〜ん、歳は 君より1つお姉さんだよ 」
「 仕事は 東アニで 背景を描いてます 」
「 ふ〜ん、クリエーターなんだ 」
「 そういう 君だって クリエーターの一種でしょ 」
「 いや、俺は 設計じゃなく 組み立てだから 」
「 そうなんだ〜、でも 大事な仕事だよ 」
「 あ、・ ありがとうございます 」
「 ところで 来週ビッグサイトでコミケが有るけど
                   知ってる? 」
「 うん、知ってる 」
「 うちの東アニでも ブース出してるから
                 私も居るよん 」
「 もし良かったら 来ない? 」
「 行こうかな〜っ 」
「 でも 時間帯によっては、
   むむさん、もとい、葛葉さんに会えないかも 」
「 初日は 常駐してるから 絶対会えるよ〜 」
「 じゃあ 俺って
   直ぐに解かるように
      アキラの名札でも付けて行くかなっ 」
「 私も むむって名札つけて待ってる 」
「 うん、判った 」「 じゃあ 来週に 」
・ ・ ・
昨夜は むむさんとの会話なぞを
            シュミレートしたりして
あれこれと無性に考え込み 眠れなかった
「 服装ヨシ 」
「 名札ヨシ! 」
電車に乗り込み 座席に座ると
     一気に睡魔がアキラを覆い尽くす
「 えっ、あっ 」
電車がホームに入る感覚で目を覚ますと
             既に目的地を過ぎている
アキラは 反対ホームに向って階段を走り抜けると
 電車に飛び乗った
「 やべっ、間に合うかなぁ〜 」
コミュケ会場に着いた頃には
午後2時を過ぎてしまっていた
「 これじゃ 昼飯も誘えねぇなぁ 」
気を取り直し 
目的の東アニのブースだけを目指して
人混みを掻き分け進む アキラの姿があった
要約、東アニのブースを見つけ
名札を目当てに むむさんを捜す 
ブースの傍には 小さな女の子が居り
良く 良く 見ると胸に名札が
「 むむさん? 」
「 アキラ君 ・ ・ ・?、いらっしゃい 」
( ちっ、ちっこい )
アキラの身長が183cmに対し
むむさんと思しき 女の子は
150cmにも満たない様である
アキラは気持ちの整理が出来ないまま
声を掛けた
「 むむさんって、胸、大きいんスねっ 」
「 どこ見てんのよっ 」
( やべっ、フォローしなきゃ )
「 失言スっ 」
「 いやぁ〜、タイプすッから
    付き合いたいかな〜なんてね 」
「 いいよ 」
「 えっ! 」
「 だからっ、アキラ君と付き合ってあげても
              いいよって言ってんの 」
アキラは自分の顔が赤らんでいるのを覚え
「 じゃ、そういう事で 又 連絡いれます 」と
恥ずかしさを隠すように
    人混みに紛れ その場を後にした


          ( 同い年 )

カチャ、カチャ、カチャ
「 オッ、繋がった 」
・ ・ ・
「 むむさん、アキラです 」
「 あっ、アキラ君 ・ ・ ・ 」
「 ごめん、少し待ってて 」
・ ・ ・ 暫くすると
「 お待たせ〜っ 」
「 こんばんわ〜、二日振りのお久しぶりです 」
「 むむさん、実は俺、今日で二十歳に成りました 」
「 むむさんの誕生日は知らないけど
       暫くはむむさんと同い年だと思うよ 」
「 あっ、私、来月誕生日だわ 」
「 へ〜っ、そうなんだ〜 」
「 それよりアキラ君、二十歳の誕生日おめでとう 」
「 ありがとうございます 」
「 う〜ん、アキラ君になにかプレゼントしたいけど
        カンナは現在、家計がピンチなのだ 」
「 どうしよう 」
「 そんなのいいスよ 」
「 お誕生日と聞いて、
       そうですかってスルー出来ないでしょ 」
「 じゃあ、むむさんの身近な小物を下さい 」
「 あっ、それイイ、上げる物見つけちゃった 」
「 なんですか、それ? 」
「 アハハハ、イヒヒヒ 」
「 なんなんですか〜、いったい 」
「 いいの、いいの、気にしないで
              ( ウフフッ ) 貰ってよね 」
「 はぁ 」
「 じゃあ、受け渡し場所と日時を決めましょうか 」
「 ついでにデートなぞいいがですか? 」
「 おっ、そうきたか 」
「 OK 、いいよ 」
「 でっ、どこか行くの? 」
「 水族館なんかどうですか? 」
「 君のサンクチュアリーはそこか〜、
              うん、いいんじゃない 」
「 それじゃ おでかけの足は電車? 」
「 俺のバイクで迎えに行ってもいいですか 」
「 ごめん、あたしバイクは駄目だわ 」
「 学生の時に友達のバイク事故を
           目の前で見ちゃってるから 」
「 ほんと、ごめん 」
「 じゃあ、車なら良いですか? 」
「 いいけど、
       アキラ君は自動車まで持ってるの? 」
「 おやじの車を貸して貰うから大丈夫 」
「 ふ〜ん、じゃ、その案で進めましょうか 」
「 先ず、日時は来週の土曜日あたりでどう? 」
「 いいっスよ 」
「 アキラ君、
   私の仕事場の東アニの場所、知ってる? 」
「 調べれば判りますけど ・ ・ ・ 」
「 東アニの向かい側にファミレスが有るから
    そこの駐車場で午前10時に
        待ち合わせるって事で良いかしら 」
「 いいんですけど、何故に仕事場なんですか? 」
「 だって、私が今住んでる部屋は
        ルームシェアしてるから
           住所は教えられないんだもん 」
「 そんなもんなんですか 」
「 そんなもんなのよ 」
「 むむさん、
   土曜日楽しみにしてます、おやすみなさい 」
「 はい、いい子で待っててね〜 」
プッ ・ ・ ・
( 早速、車を借りる交渉をしなきゃな )
・ ・ ・
「 父さん、お願いが有るんだけど 」
「 なんだ、晃、お願いって言うのは 」
「 うん、実は来週の土曜日に
          父さんの車を借りたいんだけど 」
「 え〜っと、来週は父さん仕事だ 」
「 悪いが、車を貸すわけには行かないな〜 」
「 え〜っ、どうしょう 」
「 どうしても必要なのか? 」
「 皆で何処かに行くのか? 」
「 デート 」
「 えっ、そうなのか 」
「 其れなら、タバコ臭い父さんの車より
             母さんの車を使いなさい 」
「 お〜い、母さん 」
「 なんですか? 」
晃は母の視界を避けながら 小声で
「 父さん、父さん、
      デートってお母さんには ・ ・ ・ 」
晃は口先に人差し指を立ててみせる
父は頷きながら
「 母さん、来週の土曜日、
        晃に車を貸してやってくれないか 」
「 いいけど、晃、
     十分気をつけて運転しなきゃだめよ 」
「 うん、 」
「 晃、彼方も もう社会人なんだから
      ガソリン位は満タンにして返してよね 」
「 うん、分かった 」



          ( デート )

ファミレスに停めた車のウィンドーを
コン、コン、
振り返ると
白いブラウスのむむさんが見て取れる
カシャ
「 お待たせっ 」
「 アキラ君、荷物、後ろに置いていい 」
カンナは肩に掛けた小さなリュックを
後部座席にそっと置き
バタン
カシャ
程無く カンナをサイドシートに招き入れると
「 おはようございます むむさん
    もとい、カンナちゃんでいい 」             
「 うん、いいよっ 」
ガサ ガサ ガサ
カンナはラッピングした紙袋を取り出しながら
「 はい、お誕生日おめでとう 」
「 何かな〜? 開けて良い 」
「 どうぞ、どうぞ 」
「 ん! 」
紙袋の中から出て来たのは タヌキのぬいぐるみ
しかも、背中に包丁が刺さったバージョンだった
「 このポンちゃんを
     私の分身だと思って大事にしてね 」
カンナは少し固まった晃の顔を覗き込み
「 お気に召さなかった? 」
「 いや、
  カンナちゃんは少し痛い子なのかなって
            思っちゃうんだけど 」
「 え〜っ、ひど〜いっ 」
「 もう あげない 」
カンナが晃からぬいぐるみを取り上げようとすると
「 ごめん ほんとごめん 」
「 ポンちゃんはカンナちゃんの分身だったよね 」
「 今、ポンちゃんにもお許しを貰うから 」
晃はぬいぐるみを強く抱きしめると チュッ、
( 裏声で )
ポンちゃん「 いいよ 許したげる 」
晃はぬいぐるみ相手に一人芝居を始めた
「 判ったから そのキモイ芝居はやめて 」
「 カンナちゃんが許してくんなきゃ、やだ 」
「 うん、許す、許すから 」
「 じゃあ チュウして 」
「 はあっ、策略家はそこへ持ってくる訳? 」
「 駄目なのポンちゃん、ねえポンちゃん 」
「 もう〜っ、」
「 お誕生日祝いって事で 許してあげる 」
「 チュウして 良いって事? 」
「 うっ、うん 」
「 では、では 」
晃はカンナの両肩に手を掛け
体重は自分のシートに残すことを心掛けながら
チュッ
やがて晃の指先が
ブラウス越しにレースの感覚を捕らえる
「 てぃ! 」
パシッ
「 其の先のダンジョンはレベル20からだよ〜 」
「 はっ、はい、判りました 」
「 で、俺の現在レベルは? 」
「 まだまだレベル2って言ったとこかな 」
「 う〜ん、先は長いか・・・ 」
「 カンナ、車出していいかなっ 」
「 もしもし、そこの大きい人
     キスしただけで
        彼氏気取りなんですけど 」
「 ダメなの? 」
「 ダメって事はないけど
     君はまだレベル2なんだから 」
「 そこん所大事、まだ試験範囲だからねっ 」
「 げっ! 」
「 まっ、気を取り直して行きますか 」
カチッ キュルキュルキュル
「 今日は水族館に行くんだよね 」
「 はい其の通り 」
・ ・ ・
水族館の駐車場に車を止め
チケット売り場の前で晃は突然立ち止まった
「 今日は俺に支払いの全部を任せて
     エスコートさせて貰えるかな 」
「 良いの? 」
「 俺、自宅通勤だから
    収入のほとんどは小遣いだからね 」
チケットを買い 館内に入ると
館内放送が・・・
「 まもなく、中央ふれあいゾーンにて
     ペンギン・パレードを行います 」
「 中央ふれあいゾーンにお集まりください
     かわいいペンギンさん達が
        皆様をお待ちしていますよ 」
「 アキラ君、急ごう 」
「 だいじょうぶ 間に合うって 」
スロープを抜けると 一気に視界が広がる
「 あそこにカキ氷の山が有るだろ
    待ってればペンギンさんが来るから 」
「 アキラ君は常連さんなんだ〜 」
「 常連って言う程じゃないけど
      ちょくちょくは来てるかも 」
少し待つとペンギン達がチョコチョコと遣って来た
「 あっ、かわいい 」
「 カンナ、そこの小さい奴に
    余り近づくとあぶね〜ぞ 」
「 そいつはイワトビペンギンて言って
     ちっちゃくても気性が荒いから 」
「 へ〜、詳しいんだ 」
「 以前、係員から聞いた受け売りだけどね 」
ペンギンパレードも終わり
くまなく水槽を廻り着ると
「 カンナちゃん、隣のマーケットプレースで
      ハンバーガーでもいかがでしょうか 」
「 うん、おまかせする 」
連絡通路を歩きながら
「 アキラ君って本当、水族館が好きみたいね 」
「 なんで? 」
「 だって、イワシの水槽を
    張り付いて見てたじゃない 」
「 そうだったかな〜 」
「 売店が見えてきたけど、
      ハンバーガーどれがいい? 」
「 アキラ君と同じでいいよ〜 」
「 ドリンクは? 」
「 オレンジジュースがいいかも 」
晃はドリンクセットのトレイを両手に抱え
            片方の腕を突き出すと
「 手が塞がってるから あのドア開けて貰える 」
「 外の岸壁に有るベンチで食べようよ 」
・ ・ ・
「 う〜ん、人が多くて座る所が見あたらないよ 」
「 あっ、あそこが空いてる 」
二人は 要約空いたベンチに腰掛けると
「 アキラ君、此処って海辺なの? 」
「 海はもう少し先だけど? 」
「 ふう〜ん、でも潮の香りが凄いんだけど 」
「 手前が河口だから汽水に成ってるとは思うけど 」
「 汽水って? 」
「 真水と塩水が混ざってるって事 」
「 そうなんだ〜 」
「 それより カンナちゃんも
        来月、誕生日なんだよね 」
「 うん、来月には又 年上に成っちゃうよ 」
「 別に年上は考えてなかったけど
    お誕生日を二人で過ごしたいと
           思ってるんだけど 」
「 どうかな? 」
「 実家の家族が
    予定を立ててるかもしれないから
             即答は出来ないよ 」
「 そうか、そうだよね 」
「 所で、カンナちゃんの実家って何処なの? 」
「 ○○区だよ 」
「 へ〜っ、俺ん家からけっこう近いんだね 」
「 俺は一人っ子で両親と三人だけど
       カンナちゃんの所はどうなの? 」
「 うちは実家にお兄ちゃんと両親が居るけど 」
「 ふぅ〜ん 」
「 妹の彼氏って、
    お兄ちゃんにとってどうなんだろう 」
「 お兄ちゃんって 恐い? 」
「 見かけは厳ついけど カンナには優しいよ 」
「 少し安心、少し不安って感じ 」
「 そんなに気になるの? 」
「 今度、会ってみる? 」
「 まっ、未だいいよ 」
「 俺って けっこうビビリかも 」
「 フフフフッ 」
「 なっ、何だよその含み笑いは 」
「 べつに〜っ 」
「 まっ、いくら気を揉んでみても
       いずれは顔合わせしなくっちゃな 」
「 そう、そう 」
「 うん、ハンバーガーが冷めちゃうから食べよう 」
モグ、モグモグモゴ
「 でっ、帰りは又ファミレス前で良いの? 」
カンナは口にハンバーガーを頬張ったまま
              OKサインを出した
・・・
バタン、
「 今日は 何だか俺の好みに
    付き合せちゃったから
         次回は行きたい所考えといてね 」
「 そんな事無いよ、カンナも楽しかったよ 」
「 カンナちゃん、優しいんだ 」
「 そう、カンナは優しいよ 」
「 じゃっ、車、出すね 」


        ( レジェンド )

う〜ん 誕生日プレゼントどうしよう
事務の吉田さんに相談してみるか
( 昼休み時間 )
「 吉田さん、相談が有るんだけどいい? 」
「 なに?晃君 」
この人は去年結婚したばかりの吉田紀子さん28歳
晃の中では気さくで丸っこい人というカテゴリーにある
「 うん、実は女の子の誕生日プレゼントに
      何をあげれば良いのか判んなくて 」
「 晃君、付き合ってる子なの? 」
「 う〜ん、まだ試験期間中ってとこ 」
「 ふぅ〜ん、で、其の子は学生さんなの
             それとも社会人? 」
「 東アニでアニメの背景を描いてるんだけど 」
「 うん、デスクワークが多いわけね 」
「 それなら、港区に有るショップを教えてあげるから
 二人でデスクワークで疲れないドーナツクッションか
  倒れても零れないコップを捜したらどうかしら 」
「 それに、二人で捜すならデートも兼ねるでしょ 」
「 はい、そのプラン頂きます 」
「 これからも困った事が有れば
   何時でも、お姉さんに相談しなさいねっ 」
「 ありがとうございました 」
( 三時の休憩時間 )
「 あきら〜っ 」
声を掛けて来たのは晃の直接の上司の
濱賢吾班長であった
ハマさんは会社近くのマンションで
奥さんと二人の子供と暮らしている
「 なんスか、班長 」
「 晃、今日は俺ん家で晩飯食ってけ 」
「 随分と唐突なんスけど? 」
「 いいから、いいから 」
「 なっ、」バシッ
ハマさんは何時もの如く、晃の肩を力強く叩く
「 はぁ、はい 」
其の日は仕事を定時に切り上げ
ハマさんと共にハマさんの自宅へと向った
カチャン
「 ただいま〜っ 」
バタバタバタ
「 パパ、おかえり〜っ 」
「 パパ〜ッ 」
「 おじゃまします 」バタン
「 あっ、晃だぁ 」
「 アキヤだ 」
「 晃、肩車、肩車 」
「 美鈴も高い高いしてぇ〜っ 」
晃はダイニングに視線を送り
「 響子さん、ご無沙汰してます 」ペコ
「 晃君はお仕事で疲れてるんだから
    賢一も美鈴も我が儘言っちゃだめよ 」
「 大丈夫ッス 」
晃は二人の子供達を両肩に抱えながら
ダイニングテーブルの周りを練り歩いた
キャキャキャッ アハハハッ
「 二人とも、もう気が済んだでしょ
             降りなさい 」
子供達を下ろす晃の顔を覗き込むように響子は
「 ところで晃君、彼女が出来たんだって 」
「 なっ、なんなんスか 」
「 晃君、ネタは上がってるんよ 」
「 で、どんな子なの、だれかに似てる? 」
晃は少し顔を赤らめ
ぽつりと「 アスカ・ラングレー 」
響子は空かさず
「 晃君、そっちに走っちゃダメ 」
「 じゃあ、R2D2 」
「 そっちもダメッ 」
「 おぅ、晃、彼女の写真有るんだろ
             見せてみろ 」
ジャージに着替えたハマさんが乱入してきた
「 これでいいんスか 」
晃は渋々スマホをハマさんに手渡すと
「 おっ、中々のお嬢ちゃんでないの 」
「 ほら、響子 」
「 あら本当、晃君、絶対ゲットしなきゃねっ 」
ハマさんは小さな箱を晃の目の前に差し出し
「 そこでだ、俺のレジェンドを晃に
 授けようと思って今日は家に呼んだ次第だ 」
ハマさんが箱を開けると
中には千代紙の様な物が垣間見えた
響子が声を漏らす「 あっ、懐かしい 」
「 響子、晃にこれを譲っても良いだろ 」
「 晃君が幸せになるんなら良いんじゃない 」
「 と言う事で、晃、
   俺が響子に結婚を申し込んだ便箋だ
     これを使って彼女をゲットしろ 」
「 そんな大事な物、貰えないです 」
「 晃君、便箋が大事な訳じゃなくて
      書き認める気持ちが大事なのっ 」
「 そう、そう、晃は晃のレジェンドを作れよな 」
「 すんげぇ〜プレッシャーなんですけど 」
「 大体、結婚出来なきゃ昇進もねえぞ 」
「 今時それは無いでしょ 」
「 現実はそんなもんなんだよ 」
「 イジメじゃないスか 」
「 こんな優しいイジメが有るもんかい 」
「 ママ〜、お腹空いたぁ〜 」
「 ミ〜ちゃんもぉ 」
「 はい、はい、ご飯にしましょうね 」 







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