待ち人B 

April 03 [Tue], 2007, 23:33
ぼんやりしていて、気付いたら外はもう真っ暗で、しかも雪がチラついている様だった。
マックの中にいるのに、心なしかリョーマは寒くなった様な感じがして、隣のイスに置いていたコートをモソモソと着た...その時だった。

ガタンっ

「〜〜!!!...越前!!!お前なぁ...!!日本に帰ってきてるなら帰ってきてるって、先に云えよ!!!あんな伝言じゃわっかんねーよ!」
大分、大袈裟な音にビクッっと震えたリョーマは、手前のイスに手を置いた人物を見て、内心の動揺を隠して、いつもの生意気な笑みを見せた。
「...あの伝言でわかると思ったんスよ。なのに待たせるなんて、愛が足りないんじゃないスか、桃先輩?」
「それを云われるとイテーけど...でもあれはないんじゃねぇの?」


『〜〜1月4日P.M.1:15〜ピー桃先輩?オレだけど。今、いつものマックにいるから。』


桃城がこの伝言を聞いたのは、家族で大型デパートから帰ってきた家の電話での方だった。
「何で携帯の方に掛けねーんだよ!?」
「どうせ、携帯かけても、家に忘れてると思って」
「忘れてねーよ!っていうか、いつの話しているんだよ!」
桃城が携帯を家に忘れて連絡がとれず、ケンカした事は、まだ日に新しい。
それから桃城は脱力したようにハァ...とため息を吐いて、リョーマの向かいのイスに腰掛けた。
「...ってゆーか、あの伝言聞いたら、もっと早く会いに来たのに...」

あぁ、やっぱり...とリョーマは思う。
どんな用事が咲きにあったって、それをなるべく早くに自分だけ抜けて、最低でも一時間後にはリョーマの元に着こうとするのだ。この男は。

だからこそリョーマは、あえて家の電話の方に伝言メモを録音したのだ。
三が日が過ぎたといっても、1月4日という日付は、まだ世間一般では正月に入る。
今だって、リョーマがいなかったら、桃城は普段は部活や学校で出来ない分、今日は家族孝行をしているはずなのだ。
そうはわかっていたのに、リョーマは一人、早く日本に帰ってきた。
一人家にいても、大好きな和食が出る訳ではなく、テニスだって父親の南次郎がいない分、出来ることが少なくなるのに。
リョーマにそうまでさせるのに、理由はただ一つ...

でも自分が帰ってきたその理由を、その本人には云いたくなかった。
リョーマは、そういうところが変に意地っ張りな自分を舌打ちしたくなる。
そして、そんな葛藤があるにせよ、自分が予定より、早めに日本に帰ってきた事を、リョーマは桃城に知って欲しかった。だから、家の電話の方に、伝言メモを残した。
...少しの高揚感と、多少の申し訳なさを感じながら...
矛盾している...そう思わざるおえないが、リョーマ自身、この不可解な感情を、どうコントロールして良いかわからない。こんな感情は、全くもって初めての経験なのだ。

少しの沈黙が続いた。
その沈黙を破るのは、いつだって桃城だ。

「いつまでここにいるつもりだったんだよ?つーか、何でエビカツバーガーだけ残ってるんだよ?」
彼はこういう時、論点を少しズラした事をいう。その気遣いが、彼が人気者の、そして悪くいえば曲者と云われる所以ゆえんなのだが、リョーマはこの時はその気遣いに心底ホッとした。
「これは、桃先輩の。」
「え?マジ!?これ俺にくれんの?!!」
「お年玉ですよ」
「サンキュー!」

そう云いながら、ガツガツとまるで音が出るような感じで嬉しそうに食べる桃城を、やっと安堵しながらリョーマは見た。
そしてリョーマは、もしかしたら、年末年始や誕生日に会えなくて淋しかったのは、自分の方だったのかもしれたいと思った。もちろん、声に出しては云わないけれど。

「うっめー!...あっ、じゃあさ越前!俺もお前にお年玉やるよ!何が良い?」
「チーズバーガーとアップルパイとマックシェイクバニラ。」
「多っ!!!」
「ごちっス。桃先輩。」

嫌な顔をする桃白に、綺麗に笑いながら、リョーマはコートを脱いだ。
体の中は、どこもかしこも、暖かくなっていた。

END






時期外れで申し訳ないです...!!
それと、リョマさんに誕生日とクリスマスのプレをするであろう桃先輩とか、つぎ、、書きたい、、か・け・た・ら...!!!

待ち人A 

April 03 [Tue], 2007, 23:30

『年末年始、会えねーなんて、淋しいなー淋しいよ!!』

いつもの様に部活が終わった後、少し寄り道をして、家の前まで桃城の自転車の後ろに乗っていたリョーマに、彼は云った。
その日は12月22日で、学校の冬休みは次の日の23日から。越前家は冬休みいっぱいをアメリカで過ごす。それが桃城にとっては、結構つらい。

「折角の日本の大イベントに、お前と過ごせねーなんて...」
「桃先輩、大袈裟すぎ」
心底呆れた、という感じにリョーマはため息をつく。そんなリョーマの態度に、桃城はムッとした顔を見せる。
「おっ前なぁ...誰だって、自分の恋人の誕生日とクリスマスを過ごせねーなんて、そりゃあ嬉しくないぜ?しかも行く年来る年も過ごせねーなんて...!!!」
オーマイガッっとでも云いたげな表現をする桃城は、リョーマの瞳から見て、本当にどうしようもなく見えてくる。
イベント事大好きなお祭り男、桃城。
イベント事には特に何の関心も見せないリョーマ。
この二人の気持ちがすれ違うのは、至極当然だと云えるかもしれない。

「っていうか、イベント事とかオレ、関係ないし。普段と何処が違うんスか?オレら一緒にいても、テニスするかゲームするかゲーセン行くか位じゃないっスか」
しかも、アメリカに行くことで、期待していた年末年始の和食(そばやお節)食べ放題の夢は、無残に消えてしまったリョーマである。アメリカに行ってからの24日のリョーマのバースディパーティーは、向こうの友人・知人を招いてのビックイベントにする予定だそうだが、それを差し引いても、和食大好きなリョーマの機嫌はあまり良くない。
「本っ当、お前ってやつは...」
恋人を思いやるこの気持ちが、わかってねーなぁわかってねーよ、とブツブツ云いながら、それでも桃城は最後には、苦笑しながら云うのだ。
「ま、向こうでの誕生日会とか、楽しんでこいよ!」
このわずかの間に、年末年始云々云っていたことを吹っ切ったように、ニッカと笑ってみせるから、そんな態度に、今度はリョーマが苦笑する番だった。
「そーっスね。」


NEXT

待ち人@ 

April 03 [Tue], 2007, 23:27
赤色と白色のカラーに調和された、通称『マック』にリョーマはいた。
店内が明るくなるにつれて、外が暗くなっていくのが見えた。
目の前にあるのは、リョーマの食べ散らかしと、冷えたエビカツバーガー。
リョーマはかれこれも3時間も桃城を待っている。

いつもなら、待つなんてしない、むしろ待たせられるなら即行キレて、次に朝練等で会う時も、不機嫌は持続している...はずなのに、今回、リョーマはなぜか不思議と、落ち着いた気持ちで、桃城を待っていた。

ふとリョーマは、先日の事を思い出した。


NEXT

はじめまして。。 

March 07 [Wed], 2007, 22:53
当blogは週間少年ジャンプで連載中の
『テニスの王子様』腐女子限定,
管理人:蜜の、非公式blogです。

『桃リョ』中心・青学SS。
桃城と越前さんがイチャイチャしています。
タカさんと不二子ちゃんも、こっそりイチャイチャしています。
蜜は桃先輩が一番大好きです。Love!

@上の記述を見て、意味のわからない方。
A桃リョ・タカ不二・桃先輩がお嫌いな方。
上記に当てはまる方は、当blogを避けて下さい。
お帰りはこちら→http://www.yahoo.co.jp/

同士の方!
こんな辺鄙な場所にお越し下さい、ありがとうございます*!
砂糖を毒で味付けしてある様な 趣味blogですが
楽しんで戴ければ、嬉しいです!
ご感想戴ければ もっともっと嬉しいです!!(笑)

感想はコチラからお願いします↓
spt24dx9★star.ocn.ne.jp
★マークの所を@にかえて、メールして下さい!


ここまで読んで戴いて、ありがとうございました!
蜜/07.03.08
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:蜜
読者になる
2007年04月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
最新コメント
Yapme!一覧
読者になる