中小企業の多様な営みと経済社会の発展(1) 

October 14 [Thu], 2004, 22:04
一般に中小企業についてよく「多様である。」という指摘を耳にする。
中小企業の数は全産業において99%を超えるため、その中には様々な
企業が存在する。
そうした中小企業のパフォーマンスを巡る指標は大企業のそれに比べ
ばらつきが大きくなる。
例えば、売上高営業利益率で比較すると、中小企業の売上高営業利益率の
下位25%値は0%で大企業の1.1%よりも低く、上位25%値は9.5%で大企業の
5.9%より高い。
ここからわかるように中小企業の業績にはばらつきがある。
こうした中小企業におけるパフォーマンスのばらつきの背景には、
経営者の資質(中小企業はこの影響を大企業よりはるかに受けやすい)、
企業特有の属性、戦略の選択等様々な面でのばらつきがあるが、
この中で重要なものに経営者の経営に望む姿勢がある。

地域の中小企業の動向(2) 

October 13 [Wed], 2004, 7:50
今回の景気回復局面における業績の回復には、企業間・業種間・地域間で、
ばらつきが見られる。

企業間では、大企業、業種では輸出の好影響を受けた製造業の方が
回復力が強い。

地域間の中小企業の業況では、ばらつきがあり、関東地域と近畿地域に
業況の回復傾向が見受けられたが、四国地域と東北地域では業況の回復が
遅れている。

業種別の中小企業の動向の中で、中小建設業の業況は、大企業及び
中堅企業に比べて厳しい状況が続いている。

官公需への依存が高い中小建設業ほど、公共投資増減の影響を強く受け、
その後の回復局面での業況回復が遅れている。

官公需の依存が低い中小建設業では、新設住宅着工数の落ち込みの
持ち直し及び設備投資の本格的な広がりなどから2003年7-9月期以降、
回復の動きが見られるようになっている。

★国内総生産(GDP)
1単位期間にその国の国内で生産された固定資本減耗を含んだ市場価格で
表示されたすべての財・サービスの付加価値の合計のことである。
1単位期間とは通常1年間である。

地域の中小企業の動向(1) 

October 12 [Tue], 2004, 10:47
中小企業の業況は、2001年10-12月期を底に、持ち直しの動きが見られる
ものの、大企業に比べて回復のスピードに遅れが見られ、
地域間のばらつきがあるとの声がある。

ここでは、中小企業庁・中小企業総合事業団「中小企業景況調査」等により、
地域ごとの業況の違いを見ることとする、

中小企業の業況を全産業で見てみると、関東地域及び近畿地域の水準が
高く、2003年10-12月期の業況は▲25に達している。

一方で、東北地域や四国地域では回復の遅れが見られ、
▲30前後の水準となっており、回復の動きに違いが見られる。

製造業の中小企業の業況を見てみると、
北海道、東北地域及び四国地域は業況の回復が他の地域よりも遅れ、
関東地域、中国地域及び九州・沖縄地域は、他の地域よりも業況の回復が
進んでいる。

一方、非製造業の中小企業は、製造業に比べ全国的に業況の回復が大幅に
遅れている。

特に建設業、小売業及びサービス業の回復が遅れている東北地域は、
非製造業全体の中小企業の業況が他の地域を大きく下回っている。
また、中部地域及び中国地域も他の地域に比べ回復が遅れている。

地域別の完全失業率を見てみると、どの地域も改善の動きを見せ、
最悪期は脱しつつあるものの、地域ごとのばらつきが見られる。

中小企業の倒産状況(3) 

October 11 [Mon], 2004, 22:38
《まとめ》
中小企業の倒産状況についてである。
2000年度から18,000件を超えて推移していた我が国の倒産件数は、
2003年に16,255件と大きく減少した。

2002年度まで4年連続で、全倒産件数の約3割を占めていた建設業が、業務
構成比ではトップであるが、2003年度に倒産件数は減少傾向を示している。

倒産原因に関しては、企業間の手形決済の減少から銀行取引停止処分が
減少したが、法的申立は高止まりろしている。

法的申立による倒産の内訳では、破産件数が過去最高を記録したが、
次いで民事再生、特別清算、会社更生 その他、となっている。

★リレーションシップ・バンキング
リレーションシップ・バンキングとは、金融機関が借り手企業との長期的な
関係から蓄積した、借り手企業の経営者の資質や事業の将来性などの
情報を基に、融資を行うビジネスモデルである。

特に中小企業や小規模企業者は、情報の非対称性が大きく、
直接金融も難しいため、中小企業、小規模企業と中小地域金融機関の
リレーションシップ・バンキングの推進は、地域経済の活性化等の重要な
役割を担う。

中小企業の倒産状況(2) 

October 10 [Sun], 2004, 10:36
形態別の倒産件数を見ると、法的申立の高止まりと銀行取引停止処分の
減少が特徴的である。

倒産件数全体は前年比で約15%の減少となっているのに対して、
法的申立は前年比約1%減にとどまり、構成比でみると40.1%と2003年に
過去最高となる一方で、銀行取引停止処分は前年比約23%減と
1991年以来12年ぶりに1万件を下回り、構成比では52.9%の過去最低の
水準となった。

銀行取引停止処分の減少は、企業間による手形決済の減少から、
支払手形を振り出さない企業が増え、手形交換高の減少が続くこと等を
背景としていると考えられる。

さらに、2003年における法的申立による父さんの内訳を見てみると、
破産が5,436件と前年比でわずかながら増加し、前年に記録した過去最高を
更新した。

このように、倒産件数は落ち着きつつあるものの、この倒産件数は負債総額
1千万以上のもののもを集計したものであるため、負債総額1千万円未満の
倒産は含まれていない。
また、倒産によらない自主的な廃業数も含まれていない。

中小企業の倒産状況(1) 

October 09 [Sat], 2004, 22:32
ここ数年、19,000件を超えていた倒産件数は2003年には16,255件と
大きく減少した。

資本金1億円未満の中小企業の倒産件数も15,877件と1999年以来4年ぶりに
16,000件を下回り、月次別で見た倒産件数も、2003年12月まで16ヶ月連続で
前年同月比で減少した。

また、負債金額についても、中小企業において過去2番目の高水準であった
2002年から約26%減少し、1997年以来6年ぶりに6兆円を下回る水準と
なった。

業種別に倒産件数の推移を見ると、業況の回復が見られる製造業の
倒産件数の減少(前年比22.9%減、3,615→2,787)が顕著である。

一方、建設業や小売業においても、倒産件数は前年比で10%以上
減少しており、この数年来の最悪期を脱しつつある状況にある。

中小企業の金融環境(3) 

October 08 [Fri], 2004, 22:29
《まとめ》
中小企業の資金繰りDIは改善傾向にあるとはいえ、
依然としてマイナスの値で推移している。資金繰りが苦しい理由は、
「売上の減少」が最も多く、続いて「既往借入金の返済負担」、
「借入枠に余裕なし」「採算悪化」となっている。

しかし、直近の動きでは、「売上の減少」の割合が減少する一方で、
「売上高の増加」や「在庫積増し」といった増加運転資金に関連する理由の
割合が増加し、資金繰りの状況の持ち直しの動きの影響が垣間見られる。

中小企業向け貸出残高の推移は減少しているが、政府系金融機関や
信用金庫・信用組合の貸出残高が、わずかではあるが増加している。

このように政府系金融機関はセーフティネットとしての役割を果たすべく、
様々な資金提供施策を中小企業へ提供している。

中小企業を取り巻く金融環境は、最悪期を脱し、落ち着きを見せ始めた
ものの、依然として厳しい状況にある。

★資金繰り円滑化借換保証制度
借換えを行うことで債務を一本化させ、中小企業の資金繰りの円滑化を
図る制度である。

「借換え」とは、信用保証協会の保証の付いた既往の借入金を新規保証の
ついた借入金で返済することをさす。

中小企業の金融環境(2) 

October 07 [Thu], 2004, 22:32
ここで、中小企業向け貸出残高の推移を金融機関の業態別に見てみると、
2002年までは民間金融機関の貸出残高が大きく減少する中で、政府系
金融機関の減少幅は小さく、貸出残高は堅調に推移していた。

2003年に入ってからは、年後半から政府系金融機関及び信用金庫・信用組合
の貸出残高がわずかではあるものの増加しており、一部の地方銀行では
持ち直しの動きが見られるものの、大手行の貸出残高の減少の影響が
大きいと推察され、銀行全体の貸出残高の減少が続いている。

ここで、政府系金融機関の実績について見てみると、まず、種類別の貸付額は
設備投資向け貸出額画2002年に前年比で減少したものの、2003年には
2001年の水準を回復し、平成12年12月より始まったセーフティネット貸付額に
ついても、全体の貸付額が減少する中で、着実に増加している。

また、連鎖倒産防止や金融機関の破綻に対処するためのセーフティネット
保証制度の適用件数も平成13年以降増加基調にあり、平成15年2月に
創設された借換保証制度も12月末時点で8万件を超えるまでに至っている。

このように、中小企業の資金繰りが依然として厳しい中で、政府系金融機関や
信用保証協会がセーフティネットとして重要な役割を果たしていることが
見てとれる。

中小企業の金融環境(1) 

October 06 [Wed], 2004, 12:20
日本銀行「企業短期経済観測」により、
規模別に金融機関の貸出態度判断DIを見てみると、
大企業、中小企業ともに、1997年末から1998年の金融不況期にかけて
大きく下落したが、その後は大企業、中小企業ともに改善傾向にある。

しかし、大企業に対する貸出態度判断DIはプラスの値で、
「緩い」と回答した企業の割合が、「苦しい」と回答した企業の割合を
上回っているのに対し、中小企業に対する貸出態度判断DIは
金融危機後、マイナスの値で推移しており、「緩い」と回答した企業の割合が、
「苦しい」と回答した企業割合の方が高くなっている。

次に、中小企業庁・中小企業総合事業団「中小企業景況調査」により、
業種別の借入難易度の動向を見ていくと、製造業において、長期借入
難易度DI及び短期借入金難易度DIの双方で大きく改善している。

一方、非製造業も改善方向にあるものの、DIの値は前回景気回復局面に
おける値を下回っており、前回局面におけるDIの値を上回っている製造業と
比べて対照的である。

こうした状況の中で、中小企業向け貸出残高は減少傾向にある。
中小企業向け貸出残高は、2003年に入り274.1兆円(2003年3月)から
260.3兆円(2003年12月)と5.0%減少しており、
大企業向け貸出残高(同時期3.6%減)に比べて、減少幅はやや大きい。

中小企業の労働状況(2) 

October 05 [Tue], 2004, 9:53
自営業者などの廃業の影響などにより中小企業の就業者数は減少しており、
2002年度に引き続き、中小企業の雇用情勢は依然として厳しい状況にある。

雇用過剰感の低下については、2002年度から見受けられたが、
中小企業では、過剰と感じる企業の割合が減少するだけでなく、不足と
感じている企業の割合もわずかながら増えてきている。

また、2002年度においては、新規学卒者、パートタイム以外の採用意欲が
低迷するなど、一段と厳しい状況であったが、2003年度の事業所規模別の
新規求人数(新規学卒者、パートタイムを除く)の伸び率は、すべての規模の
事業所において、2002年より上昇した。

また、求人数(実数)で見ても、29人以下の事業所において1992年以来
11年ぶりに年平均で25,000人を上回っている。

★完全失業率
完全失業率とは、労働力人口に占める完全失業者の割合を百分率表示した
ものである。完全失業者とは、ILOの国際基準に基づく、
@仕事がなく、A仕事を探しており、B仕事があればすぐに就ける、
の三つの条件を全て満たす者をいう。
完全失業率=完全失業者/労働力人口×100(%)