鳩山が辞めてよかったのは誰か 

June 04 [Fri], 2010, 23:37
〜マスコミこそ亡国の元凶編〜

鳩山元首相の辞職と、菅直人氏の代表選がこの2,3日の話題になっているが、正直言ってシラケた政局劇としか思えない。
毎度のことだが、朝日新聞の社説(6月3日)などは、鳩山・小沢のダブル辞任に対して、民主党の政権交代を積極的に支持したその立場もあってか、「政権交代なくして実現できなかった変化は少なくない」などと鳩山政権を一方で擁護する奇妙な論調を張っている。
特に、「平成維新」の出直しのための「必要な通過点だと考えるべきだろう」などと書いているのが、噴飯物である。
この新聞だけではないが、「維新」という言葉の意味を一体どう考えているのか。
「維新」とは、リストレーションであり、つまりは古きものに戻って新しい時代を作る(明治維新は言うまでもなく王政復古を原理とした革命であった)ことである。
歴史と伝統を一顧だにせぬ平成の政治家とマスコミが、「維新」という言葉を振り回すのはいい加減にすべきであろう。
大新聞の社説を書いている記者(編集委員)の日本語の基礎力のなさを今さら言っても仕方がないが、言葉がこれほど恣意的かつ軽く用いられるからこそ、今日の日本社会の混迷と底知れぬ不安が広がっているのである。
鳩山・小沢が辞めて一番得をしたと思っているのは、民主党的ファンタジー社会主義を擁護することがリベラルな良心と思い込んでいる、大新聞などのマスコミだけである。

村上春樹の『1Q84』の3巻目を読んだが、1,2巻から当然予想されたとはいえ、これほど安易な結末になるとは・・・。
人殺しをしていた青豆が幼馴染の天吾との間に処女懐胎的なファンタスティックな愛を求めるというストーリーも陳腐だが、何よりも文体が弛緩しきっている。
『1Q84』が象徴するのは、この20年間の日本人が(冷戦以降の現実に対応できずに)ひたすら現実逃避してきたことではないか。
鳩山前政権の沖縄の基地問題は、まさにa fantastic plan(実現できそうもない計画)であるが故に、fantastic(すてきな)ものであった。
このファンタジーは、沖縄問題だけでなく、日米安保と憲法9条にすがりつこうとする冷戦ファンタジー、平和憲法ファンタジー、米国依存ファンタジーに浸りきってきた日本を、まさに今断末魔に追い込んでいる。
その意味では、『1Q84』は今の日本の倒錯的ファンタジーを映し出す鏡と言ってもいいだろう。

幸一郎

〜娘のひとこと〜

鳩山さん、「宇宙人」の解釈がポジティブすぎますよ!

コメントの返信します 

May 19 [Wed], 2010, 22:31
〜二宮佳景さんへ編〜

いつもコメントありがとうございます。
久しぶりの更新にもかかわらず丁寧に読んでいただき、感謝です。
が、「正論」の新保氏の対談のどこが良いのか具体的に教えてください。
私にはローカルな保守の寝言としか思えません。
具体的な批判をしてくれると、もっと面白くなると思います。
今後ともよろしく!

幸一郎

〜娘のひとこと〜

「新着コメントがあります」の表示を見ると嬉しくなります!

村上春樹ばかりではない 

May 17 [Mon], 2010, 21:18
〜現在の文学編〜

久しぶりに更新します。
このところ文芸雑誌や新聞の書評等の仕事で忙しくしていました。
さて、小川国夫の『弱い神』が講談社から刊行されましたが、小生も雑誌『群像』と昨日(16日)の東京新聞朝刊で書評した。

小川文学の代表作であるとともに、日本の現代文学の大きな達成であり、こうした作品が刊行される意味を大いに強調したい。
幸い重版になったそうだが、村上春樹ばかりが現代小説ではないとあえて言いたい。
また古井由吉の『やすらい花』も素晴らしい作品集であり、現代の日本文学の最前線の言葉の力に溢れている。
明治近代化からの口語文の歴史のピークをこの作家が切り開き、形成してきたことを思えば、こうした日本文学の現在に、もっと目が向けられるべきだろう。
雑誌『文学界』の6月号に書評を書いたが、5月25日に発売予定の雑誌『文藝思潮』で古井氏に文芸評論家の井口時男らとインタビューした記事が載る。

友人の楜沢健さんが『だからプロレタリア文学』(勉誠出版)を刊行した。
プロレタリア文学は、文学的には「二流」と言われているが、今日の社会状況を見据えながらそのプロ文の可能性を照らし出した、文学ガイドである。
プロ文は、小林多喜二の『蟹工船』だけではない。
葉山嘉樹の小説に日本のプロレタリア文学とヨーロッパのシュルレアリスムの出会いを見出している論考など、興味深い。
小生も昨年から『昭和の思想力』というタイトルでの書き下ろしの原稿をやっているが(この半年ほどサボっていて進んでいないが・・・)、昭和の初年における日本の文学・思想の可能性を、今日の状況の中で発掘したい。


幸一郎

〜娘のひとこと〜

おとうさーん、『1Q84』の3巻早く買ってよー!

民主主義の再検討 

April 14 [Wed], 2010, 23:21
〜『表現者』30号発売編〜

『表現者』の30号が4月16日に発売になります。
この号は、特集として「断末魔の民主主義」と題して現代の日本の政治状況、とりわけ「民主主義」が機能不全に陥っていることなどについて議論しました。
しかし、問題は民主主義そのものの持つ腐敗の構造にあり、これはプラトンの『国家』で述べられているアテネの民主主義の腐敗が独裁政治を生み、そのような昔ながらの政治と思想の本質的な問題に深く関わっています。
日本は、敗戦後「平和」と「民主主義」を絶対的な価値として崇めてきましたが、それに対する徹底的な再検討と批判が今こそ必要ではないか、というのが今回の特集の中心です。
民主主義は、政治的なシステムを超えたイデアのようなものになっている、そのデモクラティズムそのものに対する批判はヨーロッパ、特にフランスの思想界で今日議論されている。
エマニュエル・トッド、マルセル・ゴーシェなどの本が日本語にも翻訳されています。
『表現者』では、トクヴィルなどの民主主義論から最近の議論まで各論者が幅広く論じています。
本号から装丁・デザインを大幅に刷新しました。
是非、書店などで手にとって下さい。
定期購読もよろしくお願いします。


作家の小川国夫さんが昇天して2年の歳月を経た。
4月17日(土)に偲ぶ会が行われるが、小川さんのワイフワーク『弱い神』が講談社から刊行される。
文芸雑誌『群像』に書評を書くために、今その作品のゲラを読み進んでいるが、各文芸誌に書き分けたモザイクのような短篇が、ひとつの大きな小川国夫の総決算としての小説世界を形作っている。
この作品で作家が試みたことは、人物や風景の描写を排して登場人物の「声」によって、人間と風景と時空間を描き出すという、驚くべきリアリズムである。
志賀直哉の文章・描写を信奉していた小川さんは、志賀とは全く異なった文学のリアリズムをここに体現している。
この小川国夫の最後の作品が問いかけるのは、まさに現代における小説というジャンルの究極的な力に他ならないと思われる。
生前の小川さんの声を思い出しつつ、その作品を読み進めている。

幸一郎

〜娘のひとこと〜

最近更新が少ないので、やるときは結構マジメモードにしてます。笑

寺田博追悼 

March 08 [Mon], 2010, 23:33
〜戦後文学から現代文学まで〜偏

文芸編集者の寺田博氏が5日、76歳で逝去した。
本日の新聞朝刊で訃報に接した。
寺田さんには「表現者」で連載もお願いしていたが、1年程まえから体調を崩され、ここ半年ほどは連載もお休みしておられた。
電話で話をしたのは半年ほど前だっただろうか。
寺田さんは河出書房を皮切りに、戦後の日本の文芸編集者として幅広い仕事をしたことはよく知られている通りである。
小生にとっては「海燕」で戦後作家の評論を断続的に連載してもらい、最初の評論集『戦後文学のアルケオロジー』を刊行してもらった。
以来、様々な場所でお会いして(夜の新宿の文壇バーなどが多かった)、その都度厳しくかつ印象に残る薫陶を受けてきた。
編集者を退かれた後も、藤原書店の「野間宏の会」の世話人の集まりなどで年に2,3度はお会いし、また「表現者」の連載が始まってからも何度か親しく話をしてきた。
記憶に残っている寺田さんの言葉は多くあるが、「海燕」時代、島田雅彦や小林恭二、佐伯一麦らと共に、小説家と批評家の在り方について実地に特訓を受けたことは忘れがたい。
当時は寺田さんの前に出ると蛇に睨まれた蛙状態だったが、ここ10年ほどは好々爺のようでもあり、しかし時にギラリと編集者魂を突きつける畏いところもあった。
戦後文学者について教えてもらったエピソードなども数知れない。
ご冥福を心よりお祈りする。

幸一郎

〜娘のひとこと〜
76歳ということで、まだまだ若く残念に思います。

佐藤優氏の鳩山首相の評価について 

February 27 [Sat], 2010, 0:02
〜決断と知性編〜

佐藤優氏は現在の論壇で最も活躍している人物であり、日本では稀なキリスト教神学に精通した評論家として小生も大変評価し、愛読している。
佐藤氏が『国家の罠』で時の人となる前から注目していたが、「表現者」2号(2005年9月号)の鼎談にも出席していただき、小生が関心を持っているカール・バルトの神学などについても色々と議論出来て楽しかった記憶がある。
さて、その佐藤氏だが、雑誌「世界」3月号の対談と「月間日本」に採録されている『我が国体を回復せよ』という講演のなかで、鳩山首相について面白いことを語っている。
鳩山首相はスタンフォード大学に留学し、数学で修士オペレーションズ・リサーチで修士と博士号をとった。
これは、ロシアの数学者アンドレイ・マルコフによる確率論の研究であり、鳩山首相はこのマルコフの議論を偏微分方程式で解いていたという。
この理論から、鳩山首相は大学の研究者の頃にお見合いを何回すれば一番良い結婚が出来るか、といった論文を書いたそうだ。
これについては、「表現者」29号の座談会でも専修大学教授の宮本光晴氏が話題にしていたが、佐藤氏の発言でなかなか本格的なものであるらしいことを初めて知った。
そして、佐藤氏がこの鳩山首相の研究者としての経歴から、普天間基地問題などについての首相の判断は、マルコフの保全理論の定式通りであり、鳩山首相は「決断力がない」どころか、「決断の専門家」であると指摘している。
マルコフの理論も分からない新聞記者や評論家が、鳩山首相が決断力がないと非難しても的外れである、とも言っている。
しかし、確立論・数学の知識を持ち、決断についての何がしかの論文を物した人物が、果たして政治家としてのプラクティカルな場面で果敢な決断を為し得るかどうかは、大いに疑問である。
佐藤氏も詳しいであろう、哲学者(というよりは神学者)のキルケゴールは、『おそれとおののき』(1843年)で旧約聖書のアブラハムが最愛のひとりごであるイサクを神の命令で犠牲に捧げる物語を解釈して、「信仰とは決死の飛躍」であり、「信仰に達するためには、倫理的なものの目的論的停止が避けられない」と言い、そこにおいてまさに「決断」が行われることを指摘している。
信仰の「決断」とは、そのような意味で倫理的な次元では「狂気」とみなされざるをえない「純粋に単独的な次元」であるとも指摘している。
政治的な「決断」は、もちろんキルケゴールの言うような信仰的次元ではないが、国益と国家理性の原則においては、時に通常の「倫理的次元」を超えるような決断を求められ、かつそれを早急にプログラム化し、実践する必要に迫られるはずである。
つまり佐藤氏の語るように、鳩山首相がマルコフの特殊な確率論に裏付けされた知性の持ち主で仮にあったとしても、それが日本国の首相としての国家的「決断」を的確に促すとは言えないのではないか。
少なくても、民主党政権誕生以来の鳩山由紀夫という政治家の言動を見ている限り、この人物に「決断力」が内在されているとは、とても思われないのである。
皆様、いかがお考えでしょうか。

幸一郎

〜娘のひとこと〜

今日はとにかく五輪のフィギュアがアツかった!
真央ちゃん、お疲れ様でした!

2010年初更新 

February 15 [Mon], 2010, 23:41
〜『表現者』特別号刊行編〜

すっかりブログをご無沙汰してしまいましたが、『表現者』第29号が明日16日に発売になります。
本号は特別号ということで、昨年末に行った座談会を7本並べました。
これは、民主党政権に替わり、政治・経済・外交・皇室・文化などのあらゆる分野で「亡国の政治」が進行している、と言わざるをえないからです。
外交において、沖縄の普天間基地移設問題の停滞は、単に日米間の安全保障上の問題にとどまらず、資源と食料を巡る新たな帝国主義の時代の中で、日本が沈没していくことにもなりかねない危機です。
また、小沢一郎幹事長による中国朝貢外交、天皇陛下をも自由に動かせるといった権力パフォーマンスは、この国の歴史と伝統の感覚を全く欠落させた、グロテスクな政治屋の振る舞いであり、外国人の地方参政権付与の法案などと共に、日本解体のシナリオであります。
今回の『表現者』の座談会は、こうした「日本解体へのシナリオ」について徹底的に批判し、議論しました。
結果、294ページの大部の雑誌となってしまい、定価を300円上げざるをえませんでしたが、是非とも手にとって読んでいただきたいと思います。
ブログの更新をサボっていた間にも、『表現者』についての貴重なご意見・ご批判をいただいております。
おかげさまで29号まで隔月で刊行してきましたが、連載の見直しや、読者の参加、その他含めて編集方針の見直しもしていきます。
変らぬご支援をお願いいたします。
『表現者』がいわゆる保守論壇の雑誌と一線を画すところは、状況論にとどまらず、諸問題の根底を貫く思想的・文明史論的な視野にあると考えています。
保守思想の射程は、戦後体制の問題だけではなく、明治維新以来の社会進化論を基本とする、この国の「近代」と「近代主義」への根底的批判にまでいたらなければならないと思います。
今回の7本の座談会にも、この近代主義的な文明の問題に抗する、日本人の「思想の復権」の試みがあります。
その点を是非読んでいただきたい。



幸一郎

〜娘のひとこと〜

『表現者』への辛口意見もどんどんコメント下さい!

『遠藤周作文学論集』と『表現者』 

December 17 [Thu], 2009, 0:03
〜価値の崩壊する時代に・・・編〜

講談社から『遠藤周作文学論集』「文学編」「宗教編」が11月に刊行された。
三田文学の編集長である加藤宗哉氏と小生が編集に関わり、遠藤周作の主要な評論のほとんどを収録することが出来た。
フランスの出版社から遠藤の評論集を翻訳・刊行したいという申し出があったが、これまで全集は刊行されていたが、まとまった評論集はなかったので、今回初の評論集を出した意味は小さくないと思う。
小生は、宗教編を主に関わり、解説も書いたが、遠藤の仕事の全体を改めて眺めてみると、小説家としての活動は既に世界的にも評価されているが、今日むしろ「文芸批評家としての遠藤周作」にも注目すべきではないかと思う。
言うまでもなく、遠藤はカトリックの幼児洗礼を受け、キリスト教をこの日本という異教の風土において、描き続けた作家であった。
しかし、キリスト教の日本受容という問題だけでなく、宗教多元主義と今日言われている問題に極めて先駆的に関わっていたことに、注目したい。
2001年9月11日の米国で起きた同時多発テロ事件をきっかけに、「宗教」戦争の時代に突入した。
それは、「宗教」を政治的に旗印として利用したものではあるが、宗教原理主義と呼ばれるように、本来は平和のためにあるべき宗教が、その排他性によって政治的対立を生み、”文明の衝突”を引き起こしているのは否定しようもない。
遠藤は、イギリスの神学者ジョン・ヒックの著作に出会い、ライフワークの小説『深い河』を書いたが、ヒックが西洋モデルの神学から出発し、宗教の多元主義を説いたのに対して、遠藤は初期の評論「神々と神と」以来西洋の宗教文学を理解しつつ、一方で「東洋人の宗教真理」を決して手放さなかったのであり、その意味では、「東洋モデル」からの宗教多元主義理解を示したと言ってもいいだろう。
もちろん、そこには一神教(キリスト教)を全身全霊を以って受け止めたからこそ可能になった、諸宗教に対する包括的な理解があった。


『表現者』28号が12月16日に発売となった。
テーマは「国民とは何か」。
民主党政権によって日本の政治社会の混迷は深まっているが、今年の流行語大賞に「政権交代」なる言葉が選ばれたようであり、この国の人間の能天気さ(特にマスコミなど)は今さらながらあきれる他はないが、国民生活第一というスローガンに騙された「国民」が一番悪いのだろう。
民族派の木村三浩氏をゲストに迎えた座談会、自民党の稲田朋美・西田昌司両氏を招いての座談会など、かなり突っ込んだ議論が出来たと考えている。
おかげさまで『表現者』もかなり周知され、ようやく注目されはじめている。
ジョルダンのサイトでも『表現者』の記事へのアクセスが急増している。
書店で雑誌を手にとって頂くと共に、ジョルダンへも是非アクセスして下さい。


コメントに、「表現者賞」についてのお尋ねがありましたが、現在ページの関係などで中止しています。
読者の声の欄など、出来ればやりたいのでしばらくお待ち下さい。


幸一郎

〜娘のひとこと〜

騙す方が悪いのか、騙される方が阿呆なのか・・・どっち、小沢さん。

オバマ大統領来日 

November 13 [Fri], 2009, 1:03
〜迷走する日本の政治・外交編〜

オバマ大統領が来日するが、民主党の対米外交の迷走がテレビなどでもしきりに言われだした。
何を今さらという感もしないでもないが、沖縄の基地の問題、インド洋の給油活動、そしてアフガニスタン支援など、何ひとつ具体的な外交戦略を提示出来ない日本をアメリカ大統領が挨拶だけしてスルーしていくのだから、とりわけ話題にする必要もなかろう。

朝日新聞11月12日夕刊に、東京大学教授の藤原帰一氏が、日米関係の意味を改めて問うべきであるとの主張を書いている。
これがまたなんとも抽象的、というよりは中身のない空虚な文章であった。
藤原氏は、日本はアメリカに対して「安全」を求めるのでもなく、アメリカに対して「独立」を求めるのでもなく、「第三の道を探れ」と勇ましく語っている。
そして、次のように書いている。
「日米同盟の堅持が問題なのではない。日米両国が現在世界で何をしようとするか、そして実現しようとするのか、課題の設定こそが問題なのである。」
具体例として(実際は抽象的でしかないが)、世界金融危機の市場の破綻を阻止する制度形成、アフガニスタンなどの破綻国家への国際的関与、北朝鮮やイランの核拡散への阻止、などを挙げている。
そして、「このようなグローバルな課題に答えるパートナーシップとしての日米関係の構築である」と結論付ける。
肩書きによると、この教授は「国際政治学」が専門とのことだが、こうも空虚な言葉を良く連ねられるものだとあきれる。
日米関係も、アメリカと我が国との「国益」に深く関わり、それを基軸にして戦後六十年続いてきたのであり、決して「グローバルな課題」などというお題目の上に築かれてきたものでないのは明らかである。
それは、今日も全く変わらない。
アメリカにとって日本という存在が、自国の「国益」に関与すればこそ、重要かつ緊密な「同盟」であると言えるのであり、もしそれを損ずるならば、あるいはアメリカにとって「国益」に寄与しないのであれば、日米関係は根本的に変質ないしは瓦解するであろう。
鳩山民主党の政治・外交は、このリベラル派の東大教授と同じく国際関係を「国家」の存在理由という根本的視点から見ることが出来ない(あるいは見ないようにしている)がゆえに、極めて危ういと言わざるを得ない。
日米関係において、「第三の道」などは有り得ないだろう。
その厳しい現実をまず認識するところから、日米関係の再構築を考える他はないだろう。

幸一郎

〜娘のひとこと〜

「グローバル」とかなんとか言うと、それっぽく聞こえますよねー。

三島由紀夫の没後39年 

November 10 [Tue], 2009, 21:48
〜憂国忌で『表現者』のメンバーが語る編〜

11月25日の午後6時半より、永田町の星陵会館の2階ホールで「憂国忌」が行われます。
本年は三島由紀夫が自衛隊の市ヶ谷駐屯地で「楯の会」の会員と共に乱入し、自衛官に対して憲法改正のアピールを行い、その後総監室で会員の森田必勝と共に自決した日から39年目を迎える。
パネルディスカッションでは、『表現者』の顧問の西部邁、編集委員の西村幸祐、杉原志啓と小生が「現代日本に甦る三島思想」と題して語る予定。
民主党政権になり、戦後体制の完成とも言うべき状況が現実化している今、保守思想が三島・森田の義挙を改めてどう捉えるかは喫緊の課題であろう。
今回は、特に三島の「思想」の側面に光を当てて議論を深めていきたい。
それにしても、没後39年を経て三島が提起した戦後日本の問題は何ひとつ解決されていないように思われる。
三島は檄文で、あと2年のうちに憲法を改正し、自衛隊が「国軍」にならなければ自衛隊は永遠にアメリカの傭兵になってしまうだろう、と書いたが、その後の歴史を見ればまさに自衛隊は建軍の本義を確立することなく、冷戦終結後もアメリカに従属する戦後日本の体制の中にとどまってきた。
民主党政権になって、日米関係のイコールパトーナーシップを声高に言っているが、そもそも自衛隊が「国軍」にならなければ日米安保体制下で、イコールなどということは有り得ないのではないか。
鳩山政権の矛盾は、日米同盟の見直しと言いながら、非核三原則を守るといった自民党的「戦後レジーム」をそのまま繰り返していることだ。
鳩山・岡田民主党外交が、真の同盟関係としての日米安保を考えるのであれば、憲法を改正し、かつて三島が言ったような自衛隊の建軍の本義を確立し、その上で双方の軍事・戦略的確認と交渉が成立するのは自明のことではないか。

オバマ大統領が来日するが、現在の民主党外交では、経済的な米国・中国同盟の中で日本の存在が無視され、その国益を大きく損じることになるのは明らかである。
本日のNHKのクローズアップ現代にも、岡田外相が出演して普天間基地の移設問題に関して発言していたが、ほとんど意味のない場当たり的な言葉の羅列でしかなかった。
表情も冴えず、民主党政権の対米戦略の根本的な欠如が如実に出ている。

三島由紀夫の憂国忌でも我が『表現者』の論客たちによって、今日の外交・政治問題なども軸に議論が展開されるだろう。

幸一郎

〜娘のひとこと〜

娘の関心は三島よりもあっさり捕まった整形男にありますが。
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