羽 化 

November 30 [Thu], 2006, 23:50
この羽の完成を待ちわびながら
今夜も見知らぬ誰かを着せて
夜空へ昇る

いつかこの地面に両手を押し付け
冷気を叩き舞い上がるよ
あなたの場所からもみえるように

もう二度と繋がる事のない声でも
あのときのままこの耳元で
続けるようにと導いてくれる

あれは
結末じゃなかった
決別でもなかった

みえないチカラに今日も圧されて
ワタシはまだこのカタチを保っていられるよ

ありふれた今は
あの日生まれ落ちた雫の化身で
まだ絶えることなく咲こうとしている

暖かい手が与えてくれたモノ
頬を伝ったあの水で結晶をこしらえ
世界にだた一つのカタチとしよう

繰り返す音色にもう乱されないように
勇気を誓ったあの場面がなくならないように


秋 色 

October 04 [Wed], 2006, 0:08

枯れてしまったはずだった
消し去ったはずだった

涙で全てを流したと
翼は抜け落ちてしまったと
そう言い聞かせ
閉じ込めたはずだったのに

いつの間に
その鍵は腐り落ち
扉は開け放たれていた

目を上げた先
見知らぬ少年が
微笑んでいた

これでいいんでしょう?

もう飛べるよ
その傷はとうに癒えてる

あとはその崖を蹴り
風にあずけてしまえばいい
その想いごと
放ってしまいなよ

巧く飛べないのが怖い
そんな甘えは許さない
恐れる敵はそれじゃない

この風が止んでしまう前に

地上に縛られたまま果てるのなら
与えられたその翼を試したらどう?
秋色の夜空は
空気が澄んでいるというよ

ボクがしてあげられるのは
ココまでだよ
その先をボクは知らない
いくら望んだとしても
知ることが出来ない

風を読み
舞い上がれ

キミには
その資格があるのだから

翼を持たないこのボクが
キミの背中を見送る頃

東の空の果て
地平線の彼方に
赤い月がゆっくりと
昇っていくだろう

逃 亡 

September 16 [Sat], 2006, 21:45

流れていく景色
街の真ん中
刻むのを止めない古びれた時計

独りきり
雑踏を掻き分ける

知らない街の
知らない足音

足早に行き過ぎる人
目的地はドコ

どんなに欲しがっても
その情景はみえなくて

この街に溶け込めば
何かが変わる気がした

抱え込んだモノ全部
流してしまえる気がした
湿った型紙全部
忘れられる気がした

このままあの場所へ帰るのなら
見失ったまま
ただ埋まるばかりならば

そうしたら
まだらしくいられるかな
そう思えた

幻 炎 

September 16 [Sat], 2006, 20:58

意識が集まり
焦げ目が出来た

久しぶりのホットコーヒーは
少し濃すぎた

その手は
どのくらい暖かいの

その鼓動は
どのくらい優しいの

もういいや
傷つけられても

もういいや
見苦しくても

全て叶う願いなら
とうの昔に叶ってる

長い沈黙に
あっけなく崩れる想いなら
はじめからなかったことにすればいい

いつか抱いた憧れは
あの日の不思議な再会は
たぐり寄せる価値のあるものだと思うから

この声が
その深くへ届きますように

この炎がどうか
幻ではありませんように

魚 眼 

August 18 [Fri], 2006, 0:30

湿り気を含んだ風
その音は不快な雑音に
かき消されていく

ひとしきり降り続いた雨に
うやむやに埋めたいくつかは
誰の記憶にも刻まれないまま
動くのを止めた

水槽のガラス越し
瞬きをしている潤んだ瞳
その鼓動は
擦りかえられた意識の奥で
造られた流れに任せ
ささやかに打ち続けているらしい

すぐ側で
小さな命が確かに刻みつけるもの
力強いその音をきいた

そうして包みこんだそれは
ほんのりあたたかだった

微 熱 

July 23 [Sun], 2006, 23:17

光を見失い
暗闇に耳を澄ませる


強い揺れに
じっと立ち尽くす様
それはもう
くたびれた看板のようで


想い描いた楽園を
あなたの瞳に探すけれど


いつもぼやけた視界には
境界線さえ二重に見えて
ただなんとなくを繰り返す


搾り出すように重ねた想い
握りしめるその手の中で
芽吹きを忘れた種一つ


ただの塊と化したこのカラダ
居座る事でだけ
その在りかを刻もうとするけれど


虚しい最期に
嘆きの花びらは狂い舞う


もう少しだけ
その光を下さい
まだ見つからないんだ


あと少しだけ
その熱を下さい
まだ足りないんだ


この声がまだ
その耳に届くのならば
僕は何度でも
叫び続けるから
祈り続けるから

占 囚 

May 09 [Tue], 2006, 20:17

星占いに
何を重ねたろう


透き通った空の端
そぞろ歩きの旅人たちは
古い紙切れを握り締めている


朽ちた様は
言い知れぬ陽炎


含まれた音
奏でるのは誰


描いた泡色のうねりは
このカラダになにか置いていったらしい


囚人は
囚われの身のまま
朝日を待つ


償うモノも
いつの間にか
乱れた残像の片隅
鈍く光り融けていく


その深くから染み出た香りを
垂れ流しにして
何を掴もうというのか


突き止めることもせずに
ただ冷ややかに
殺伐とした人の世を嘆いてみせる
皮肉を吐いて見切りをつける


そうでもしないとやれないのか
指折り数えた安息の日へ


キミと一緒にいけたなら
僕は
まがうことなく今がその時と
そう告げるだろう


暮れる空に
旅立つだろう


キミの瞳に揺れ狂う
僕にキミはなんていうかな


僕はキミのその瞳に
映りこめるだろうか

皐 月 

May 02 [Tue], 2006, 23:34



生まれたばかりの花びらに
微かに息を吹きかける


手のひらの中
握りつぶしてしまえばどう?


呑みこまれて解けてしまえるなら
後悔などしないのに


五月の雨は
ガラス越しに崩れた


煙は今夜も
他人行儀に優しい


程なくして
滅びてしまう運命の
このカラダはまた
欲しがっている
たまらなく乾いている


望みは根こそぎやられたらしい
緩んだ大気は
やがてむ蒸しかえす霧を生むだろう


キミの側に居られるのなら
なにも遮らぬ光が射すはずと
踏み止まっては
もがき狂う


繰り出す言葉の一片に
わずかに託す祈りは陳腐


ひとおもいに騙してくれるなら
飛び込むくらいわけはない


欲しがっているのは
おそらく僕だけなんだろう


一方通行の想い
届くはずがない

なけなしのこれと
盛り猛るそれと


似た粘度の渦を感じているのは
僕だけだろうか

薄 紅 

April 06 [Thu], 2006, 1:40

薄紅の風は
春と共に

やってきては
この耳元で何か囁く


呪文のように繰り返すは
いつかのざわめき


確信にも似た
この胸の苦しさと高鳴りは
気のせいなんかじゃない


もっと近くへ
もっと深くへ
そう望んではかき消した日々
何をためらった
何を線引いた


たとえ
はき違えていたとしても
嘘じゃない想い
気が付いていたのに


我がままと言わないで
このままじゃ潰れてしまうよ


物欲しそうな顔をして
雑踏に紛れて
息を潜めて


誰に見て欲しいのか
何を認めて欲しいのか


あの時
あと少し
もう少しだけ
誇れるものを持っていたのなら
崩れることにおののいていなかったのなら


これは後悔じゃないと
強がりを言ってみるけど
不器用にも繰り出した言葉たち
非力に散って
あなたにはもう届かない


社会に染まり与えられた称号
別に欲しくなかった
嘘をついてまで欲しがった幸せは
今は色褪せてる


いつだって外側にいる
ワタシはいつも外にいる
見つけて欲しいと祈りながら
当たり前にサナギを貫いてる


濃い霧が行く手を阻めど
進む勇気が持てないでいるのは何故?


ギリギリに追い詰められた凡人は
なりふり構わず当り散らし
やがて
壊してしまうのでしょう
逃げてしまうのでしょう
すべて他人のせいにして


一時の快楽に身を委ね
堕ちていくならどこまででも
ドコかのダレかの戯言で
易々と軌道を変えてく
虚しさに支配されても


ただ一つの宝物さえあればいいのに
それだけでいいのに・・・
それがどうしても見つからない
それだけで救われるはずなのに・・・

風 車  

March 20 [Mon], 2006, 3:44

買ったばかりの白い靴
汚れてしまった白い靴


壊れかけの携帯を開く
睨みつける
未送信のままのメール達


やり残したことといえば
何かな
よくわからない


賢くなって
引き際ばかり飾ろうとして
下手に散るなんてうんざりさ
度なしのメガネで
像は結べないのに


我慢は嫌いで
逃げるのは得意で


自分にさえ嘘をついて
その嘘すら封じてしまうのさ
忘却のヒロインになりきって


強い風が吹いて
ワタシを試してた
ワタシはそれを
目を伏せて知らん顔をした
いつもの様にそうやった


まともに飲み込むキミはバカだね
死んだようになったそれを
なんでまだ棄てないのさ
P R
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