飛行機雲1話

June 06 [Sat], 2009, 2:31
見上げると、小さな星が散りばめられていた。
寒そうにしながらも君は言う。
「こんなに綺麗な星空を見たのは久しぶりだなぁ」
「じゃあ、また俺が連れて行ってあげるよ」
「ありがとうね。でも……」
「大丈夫、待ってるから」
「…もう帰ろう?」
「何で?せっかく来たのに」
「また、連れて行ってくれるんでしょ?」

朝食の時間に行ってみると、結花はいつもより眠たそうだった。
無理もない。寝たのは今日の3時半ごろだ。
「おはよう〜…」
「おはよ。いつまでボケーっとしてんだよ」
「だって、修ちゃんが病人を夜中まで振り回すからでしょーう?」
「振り回すぅ??よく言うよ、満天の星空が見たいっつったのはそっちだろ」
「うるさいっ。馬鹿ちん!」
「馬鹿って…お前なぁ。そういうこと言うと、朝飯の美味しい卵焼き貰うぞ!」
幼なじみの結花は今、病気にかかっているので入院している。
そんなに酷いものでもなく、1ヶ月あれば退院できる。
―始めはそうだった。
予定退院日間近の診察のときに、病状が悪化していることが分かったのだ。
もう入院して3ヶ月目。
病気はいっこうによくならなかった。
普段元気な結花の姿しか見てない俺にとって、
結花が病気にかかっているようには見えなかった。
けれど結花の周りには、いろいろな種類の薬などがあって、
結花が病気だということを表している。

結花が病気になる4ヶ月前、俺たちは付き合い始めた。
初めは顔を合わせるのも照れくさくて、話すこともできなかった。
付き合って1週間が経ち、心の方も落ち着いてきて
一緒に途中まで下校したりした。
近くには静かな公園があって、ブランコをこぐと
「キーコ キーコ キーコ」と音を立てた。
木で造られたベンチには、落書きがあった。
砂場には完成されたトンネルがあった。
高校1年生の俺達は、その公園でキスをした。


つづく

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