詩 2011年3月11日へ From東京 

April 01 [Fri], 2011, 2:47
AR詩 『2011年3月11日へ向けて、わた詩は浮遊する From東京』  ni_ka














































東北で、接がれて積もってゆく遺体を焼く施設は全壊し、
従姉妹のお姉さんがお嫁さんに行って子供を生んだ石巻市の野球場は、ボールを投げて打って笑う場所のはずなのに、
今は埋葬場になり、従姉妹のお姉さんや小さな子やたくさんの人たちの積まれる遺体/痛いが焼かれ、そして徐々に焼く燃料も保存する燃料も尽きてきたってわた詩の耳が聞いた。


知覚していたはずだけれど、今更お葬式は贅沢な文化なのだと体感して、自分の身体の無知を恥じながらなめされた柔らかい土を少し掘った。

火葬もお葬式もない、水死体となった彼女たちに頬ずりし、観たことのない色、蒼に近い色の膨らんだその身体をさすることしかできない。
わた詩の指には生きて死んだ場所から離れた2000人の遺体の受け入れを決めてくれた東北の土が点いた。

5〜6平方メートル、フラットな土しかみえない。
自衛隊や消防隊の方が遺体をマスクしてヘルメットして運んでくれる、次々と、黙々と、運んでくれる。

身元がわからない人の棺桶の上には花も置かれないし、弔う人も、泣く人もいない。

弔いをできない人々の代わりに、自衛隊の人が合掌してくれていたのが微かな救いだけれど、
姉妹や姪っ子や甥っ子や故郷や友人、たくさん、たくさんを亡くしたわた詩のお父さんは、

「自衛隊の前線の若い子たちは立派だが、こんなにきつい作業をしてかわいそうだ」

と涙を落としながら言った。


またここで生じる様々な格差に途方に暮れる。



遺体を土に埋めてもらう前、従姉妹のお姉さんや子供たちの棺桶の上にはささやかな花が置かれた。


  棺桶に置かれたあの花たちは、どの土地の土で生きてきたのだろう。


数百メートルにわたって、数百の棺桶が羅列され、それらは鎮魂のための花と静痛と落とされた涙と一緒に、
2メートルぐらい自衛隊の人がスコップで掘ってくれた土の中に置かれて、また少しずつスコップで違う土がかけられてゆく。
そしていつしか棺桶は、わた詩の視界から消えてゆく。

違う土で咲いた花、真新しくて少し雑な造りの、でも精一杯の木の香りのする棺桶も、その中に横たわるわた詩たちの大切な遺体も、朽ちてまたいつか違う土になるのだろうか。


数百や数千や数なんかでは測れない身体が、火葬されないまま埋められる土地はこの市以外にもこれからどんどん生まれてゆく。
雪で作ったかまくらのように人が積まれて、その人たちを焼く場所も生まれている。


生きた場所、心悸を失った場所を越えて運ばれ、2000人一緒に土葬される。

そして遺体/痛いを運んでくれる人たちが確かに居る。
映らないけれど居る。

今後は棺桶も用意できないかもしれないから、その身体のまま埋められてゆく人たちも出るだろう、遺体の一部の受け入れ場所が九州に決まりそうって言葉が聴覚の記憶に響いている。

なにがどうなるのか見当もつかないけれど、
遺体を受け入れてくださった新しい土地が「負」の土地にならないことを心から願う。

身元が分からないまま土葬や火葬された人々の衣類が洗濯されて、
この服を着て来ていた人は3月11日まで存在していました、という証として、物干し竿に吊るされ、気仙沼市や石巻市の
冷たい風にハタハタとなびいていた。生きているみたいになびいていた。


 これが土地の生誕ならば、どんな愛なのだろう。


わた詩は、新しい場所でただ泣くばかりで誰のことも助けられなかったし、なにかが空ろに回るばかりで、わずかな支援すらできたのか、これからできるのかも分からない。

そして、鎮魂やキボウのために浮遊したかったけれど、お父さんの形を無くした故郷の瓦礫の町や、遺体の土葬場所となった今の東北では浮遊しないと決めた詩失格のわた詩に代わって、
他の土地の土の上に咲く花たちは、どうか、東北のあの生誕した土地たちへ向かっていつか春の詩を届けて欲しい。


わた詩は拡張現実空間でもプカプカと、とってもおまぬけで、どこまでも無意味で、
詩ですらないかもしれないし、肉眼では視得ないから、ただの空気の落書きですらないかもしれない。


けれどそれはどうでもよくて、恐怖の中で、土に身体を覆われて口の中にたくさん土を含んで死ななければならなかった従姉妹たちや叔母たちや伯父や従姉妹の子供たちや数万人の他の人たちのこともわた詩は弔わなければならないし、

新しい土地で今もまた刻々と増えてゆく果てしない無念とキズを抱きしめ続ける人たちに向けて、こんな離れた場所からARみたく何重もの面紗をかけてだし、とんでもなく情けない姿で、ただの自己満足なのかもしれないけれど、きっとそうなんだろうけれど、それでも見えない無念とキズの欠片を東北の新しい土地と一緒に抱きしめるために、たとえセカイカメラというアプリケーションが消え去ったとしても、iPhoneがクラッシュしたとしても、わた詩はこれからもこの東京で浮遊し続けるのだと思う。
      2011年4月11日        にか






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