相対性理論 立式U 京都第一会館

November 26 [Fri], 2010, 19:31
 京都会館第一ホール。着いたときには人がいっぱいだった。ホールなので10分前に席に着く。しかし、人の入りが遅かったのか、開演したのは予定より20分後だった。相対性理論のライブは珍しいし、場所も慣れてない人が多かったのかもしれない。どこかしらそわそわしていた。年齢層はバラバラで1人で来ている方も多かった。事実、隣は会社帰りのおじさんが2人とその横は同世代の女性が1人だった。

 ライブが始まる前の楽曲チョイスが不思議。なかなか面白い音楽が流れていた。時間が経ち1曲終わるともう始まるのでは!?という客の期待により、静かになるときもあった。

 ステージには劇で使うような幕があり前の前には白いマイクひとつ。19:20分ごろシンデレラのあのイントロが聴こえてきて幕が開いた。相対性理論の音楽と棒立ちだという噂と私の席が2階の一番前ということで立つかを悩んだが、私は立ちたかった。しかし、周りが立たないので戸惑っていたけれど、ステージ正面にいる女の子と目が合い、同じようにそわそわしてたので2人で立ちあがったら、周りも立ち始めた。しかし、立っているのは2階全体の3/4ぐらいだった。

 眩い白い照明の中に右からギター・ドラム・ベース・ドラム・ギターがマイクを囲むような配置。最初はえっツインドラム!?!?と焦った。他のライブのときはどうなのか聞いたことがないので驚いた。マイクの横には譜面台が置いてあった。

1.シンデレラ
幕が完全に上に上がるのと歌い出すのは一緒だったような気がする。最初だからすぐ歌いだすのかどうなのか?と思ったけど、すぐに歌に入った。開演から20分もおして始まったので、いきなりすぎて呆然としていた。特にこの曲はアルバムの1曲目でなんとなく他の曲よりも心の準備がしにくい曲な気がする。他の曲はもっとイントロが長いイメージがある。何度も聴いているはずのシンデレラなのに、イントロ始まって歌が始まって、何の曲かも頭では把握できずに、ただ「声ってまじでこの声なんだ…」という驚きが頭の中を占めていて、シンデレラ来た!という余裕さえなかった。

2.ミス・パラレルワールド
アルバムの流れでそのまま。この曲は自分でカラオケで歌ってみて分かったのが、サビの息が続かなくてきつい曲。それをすらすら歌っていた。ライブでも綺麗に歌うのだなあと思うと、息つぎのタイミングとか歌い方とかきっちりと決めているんだろうなという発想が頭に浮かび、なんだけ変な気分になった。あの緩い女の子がここで息つぎ!とか決めているなんて想像できない。

3.ふしぎデカルト
この曲はイントロではなかなか軽めな明るい雰囲気なのに、サビの部分は不思議な雰囲気が漂っていて、地に足がついてないというかふわふわした心地になるというところが好きなのだが、照明も合わさって生だとその感覚が更に顕著に表れていて心地よくてしょうがなかった。「就寝前の30分は霊感かなり強い」「わたしが霊なら あなたはどうする?」の歌詞がすごく好きででも変な歌詞だなあと思っていたけれど、生で聴くとサウンドの生み出す世界観に飲み込まれて、その不思議さも受け入れられる気がして、その歌詞の内容が当たり前のことのように感じられた。

4.人工衛星
イントロのギターが素敵すぎて人工衛星のように飛んで行けそうな気持ちになった。シンクロニシティーンの中では特に疾走感溢れる曲で、周りは棒立ちだったけど少しだけ体が揺れた。

演奏が終わり、水を飲むやくしまるえつこ。そして放った一言。
「だいすき、大文字焼き。」
会場は笑いに包まれたがそれを気にするそぶりは一切なく、即始まる演奏。

5.夏の黄金比
人工衛星からの流れを汲んでバンド色が強いこの曲。コントレックス箱買いが聴けるとは思ってなくてテンション上がった。ここでも1人だけ体が揺れていた。

6.チャイナアドバイス
チャイナな歌詞の曲。おやじギャグのような歌詞なのに、どうしてこの彼女が歌うとかわいらしくなるのだろう。わかりました、やめときますって言いたくなる。この曲の爽やかな終わり方がすきだ。

7.おはようオーパーツ
1stからは少ないだろうと思ってたのでびっくり。コラースのほうの男性は歌うのは辛そうだったのでそこだけ少し残念。

またもや一言だけ。
「チャンネルは、サンテレビ。」
またもや会場のみんなが笑った。

8.テレ東
一言から予想できる通りテレ東。やはりイントロと間奏の雰囲気が好き。この曲でまたもやあの不思議な世界の深くへ行けた気がする。ほとんど記憶がない。

9.さわやか会社員
そのままの流れで雰囲気が美しすぎた。最初の間奏のギターの心地よさがたまらなかった。隣のお1人でいらしゃってた会社員のおじさんはぐっすり眠ってらっしゃった。


「京都、バーサス、エイリアン。」


10.COSMOS vs ALIEN
一言から分かる通り、ソロでの曲。フルでは聴いてなかったし、やると思ってなかったのでびっくり。かわいらしさが全面に押し出されたこの曲。Aメロの早口を生でやられるとどうしようもなくなった。このメロディ展開はすごく難しいと思うので、すごい…と始終思った。2番に入る前の間奏が長かったのは、Aメロに対して緊張していたのか気合い入れなきゃいけないのかなと思った。やくしまるえつこがマイクの前に行くまで長かったように思った。アウトロが長い曲だけど、なかなかあの部分も楽しめた。(曲の1部だと知らなかったけれど)

11.ほうき星
初めて聴いた。ほとんど覚えてない。音源化希望。

「バイバイ。」

えっもう!?と思った。長いようで短かった。世界観に浸りすぎて心地よすぎて長いこと居たような気持ちになっていた。

12.小学館
最後にこれかうわあああ最高じゃん!と思った。歌詞と世界観が特に好きな1曲。このどこか遠くの世界の話な感じがもう行っちゃうのね、という感覚がして終わりにぴったりだと思った。


「またね。」
そう言って、はけていく6人。すぐにアンコールが始まった。

EN
13.分解くん&宇宙ちゃん
実は聴いたことなかったこの曲。面白かった。CMの曲。リコーダー有りで会場も盛り上がった。

14.LOVEずっきゅん
イントロだけで拍手が。会場の皆が待ち望んでいた曲。私も相対性理論を知った曲なので非常に嬉しかった。高3の冬、センター試験が終わり意気消沈して2次試験対策ってめんどうだと思っていたころ、ふらっと寄ったタワレコで猛プッシュしてあったこの曲。聴いてみようと思い、この曲を聴いただけで気に入ってCDを買った。今や私も大学生でその曲を生で聴いている。その状況に自分で涙が出てきた。

15.ムーンライト銀河
ライブになると途端にこの歌詞って…!ってなる曲がどのライブでも何曲かある。今回はこれがそうだった。なんて最後にふさわしい曲なんだろう。そして、途中のギターの心の持って行き方がやばい。この曲のギターの遠くへ行く感触が好きでたまらないが同時に切なくてしょうがなくなった。アウトローからそのまま1人1人のソロへ。1人ずつはけていくので、いなくなるときには拍手が。最後のドラムが特に最高だった。ツインドラムならではの面白さを体験できた。

そして最後に残ったドラムの2人の演奏が終わり、ずっと座っていたやくしまるえつこが立ちあがり、一言だけ言い放って、袖へとはけていった。

「おやすみ。」






 会場の雰囲気は良かったと思う。棒立ちと聞いていた通り、客は声を上げることも揺れることも手をあげることもなく、ひたすら立っているのみ。曲が終わるごとに拍手はあったし、一言MCの後には笑いがあった。2階は座っている人も寝ている人もいたけれど、この雰囲気がこのバンドには合っているのだと思う。私は立っていたが、座ろうかとも思ったし、どっちでもいいのだと思う。

 やはり注目せざるを得ないのはやくしまるえつこ。彼女から始終目が離せなかった。私より年上なのに、どうしてか母性本能をくすぐられる。こんなに心奪われるとは思ってなかった。大人の女性なのに、どうしても少女のような気がしてしまう。それは私が2階席で遠くだったからかもしれないが。小さな子供を皆が愛らしいとかかわいらしいと思うのと同じような感覚を彼女に抱いた。もちろん歌唱は完璧、あのゆるい声なのに外すこともないのだが、MC(と言っても一言なのだが)の度に抱きしめたくなった。MC時には座りこんで水を飲み、時には携帯を取り出して見る。歌うときにはポケットに手を入れて、歌う前には髪の毛を触る。MCに一言しか話さないのも、MC時の動きもそういうキャラクター設定なのだろう。このたどたどしさが子供が発表会で話したときのような感覚や小動物を彷彿とさせると同時に母性本能をくすぐる。しかし、それが逆に彼女との距離をも感じさせた。彼女の話す声をもっと聴きたかったし、何を思っているのか、今日は緊張しているのか、今日このライブへの意気込みなど知りたいことは山ほどある。しかし、それがいいのだ。この親近感をも抱かせる彼女のキャラクターだがコミュニケーションが圧倒的に少ないので距離も感じる。まさに届きそうで届かない彼女だからこそ、こんなにもキュンとしてしまったのだろう。恋する上でのもどかしさとそれにおいてのときめき、それにも似ているような。焦らしプレイ。今回のライブでこれ以上のMCを彼女に求めた人はいないだろうし、それ故に彼女と近づきたくなった人も多いだろう。

 楽曲もまさにそういう雰囲気を持っているものが多く、世界観が圧倒的に現実離れしているものの言葉遣いが普通すぎる上にギャグのようなものも持ち合わせているので、遠い世界のようなものでも、違和感がない。サウンドもそれを包みこむような雰囲気。それを彼女が歌うのだ。完成されすぎている。

 しかし、相対性理論は彼女だけではない。ムーンライト銀河の後はインストだった。やくしまるえつこはずっと座っており、照明もほとんど当たってない。観客が目を奪われるような彼女のキャラクター性を考慮してだろう。他のメンバーにだけ目を向ける機会も作ってあった。インスト部分はギター、ベース、ドラムの順にはけていったので、1人1人に注目が行くようにしてあった。多少長かったかもしれないが、ライブの間中ずっとやくしまるえつこのみに注目していたので、ちょうどいいバランスだったと私は思う。

 会場を出て時計を見たら1時間半のライブだったと気付き、驚いた。他のアーティストより圧倒的に短い。しかし、このバンドの音楽は世界観が独特。1つの相対性理論という多きな世界の中に色んな曲があると思う。要するに雰囲気が一定なのである。(決してどれも似た曲と言っているわけではない。)1曲だけでその世界観に深く入ってしまい、とらわれてしまう。そんな濃いキャラクター性を持ったバンドなので、1時間半でお腹いっぱいである。これより長かったら世界観に酔いすぎてきっと入りきらなくなるだろう。相対性理論はこれでちょうど良いと思った。

 精力的にライブとかいうキャラじゃないバンドなので、京都でやると言ったときは、そんな無理しなくていいから!と思ったものである。やはり生で見ても思った、京都までよう来たなあと。しかし、それとクォリティは全く関係なくて、どこでライブしても完成された世界観を提供してくれるであろう。 

 あっという間の1時間半、しかし遠い世界に行ってもう帰って来れないような気がしたそんな1時間半だった。なかなかあのような世界をまた体験することは難しいだろう。しかしそれでも待っている。そして、まずはやはりもう1度彼女に会いたくてしょうがない。 
P R
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