1  包帯・眼帯 

June 17 [Sun], 2007, 14:12
リンク先「猛毒マリア」様より。

 「まったく……面倒臭いなぁ、」
 何も無い空間で、誰かがごちマシタ。
 「包帯を巻かないと、誰にも見てもらえないなんて、」
 するする、するする、
 地面を覆い尽くすように放置されていた包帯が、上へ、上へと上って、丁度人の腕の高さで止まりました。
 くるり。
 一瞬で手の形が包帯によって現れ、次々と包帯人間が出来上がっていきます。

 「ひ、ヒィイィイィ!」
 牢番の悲鳴が、響き渡ります。
 彼は常々疑問に想っていたのです。包帯だけの牢を見張るなんてこんな楽な仕事で、こんな大金が如何して入ってくるのかと。
 「アレェ、情けない声出しちゃってェ、オジサン〜」
 少年、でしょうか。声はボーイソプラノです。
 「僕、見たこと無かったァ?」
 安請負は禁物だよねぇ、と酷く、

 酷く包帯人間は楽しげにワラウノデス。

 嗚呼、惨く美しい世界を!
 ワラウノデス!

 嗚呼、僕を魂だけにしたのはだァれ??
 

03.共鳴-オナジイロ- 

June 17 [Sun], 2007, 14:04

醜い面を曝し、
人々に恐怖を植え付けた、二本の青。

お前等は天国などには行けはしない、
俺達こそ赤【正義】だ!

 愚かな赤【聖者】ども
{                   }
嗚呼、何て清清しいんだろう


 私達は裁かれたりしない
{                    }
群集【赤】を気にせず迎えた夜



{   }


は、

此処で再び出逢ったのだ

そしてまた巡り行く、

それだけの話。

(何れにせよ、革命を起こしたのは何時だって異端【青】)


了.

02.枯薔薇葬儀【青】 

June 17 [Sun], 2007, 14:03

貴女のその手で、僕の首を絞めかけて、止めたあの日。
貴女は何を思ったのですか、

昨日、貴女は牢に閉じ込められたと聞きました。
僕は、群集【赤】に羽交い絞めにされ、

貴女の最期にたちあえなかった。

その最期は、潔かったでしょうか。
残酷でしたでしょうか。

いずれにせよ――

貴女が止めたあの日、
あの日に全ては決まっていたのですね、

(僕は愛していた。
 ちっぽけな「大好き」じゃなく。「愛」という、神が与えた原始の感情で。
 たとえ貴女が異端【青】であろうと、僕は構わなかった。)

僕は今日、異端【青】のペンキを被りました。
もう直ぐ、執行人が僕を連れ去る事でしょう、

(さぁ、世界よ!
 僕たちを裁けるものなら裁くが良い!
 さぁ、異端【邪教】狩りの赤【偽り聖者】よ!)

三部作【赤】と【青】――01.叫んで、叫んで、枯れて、 

June 17 [Sun], 2007, 14:01

何時か散り枯れるものならば
諦めてしまえと云わんばかりに
星屑は瞬くけれど。

私は、
私は気高く誇らしく、
自分を、
自分を、

貫きたい。

叫んで、叫んで、
声は枯れて、

それでも叫んだのは、

他でもない、貴方がいたからなんだよ?

貴方が居ない世界なら、滅ぼしてしまって構わない

代わりのものなど要らない

何時か枯れ逝く者なら
足掻いて、足掻いて

「誰かが欠けても、代わりがある」

貴女は残酷に言い放ったけれど

本当は、きっとそうじゃない。

貴方が居ないと生きていけない。

貴方が居ない世界は、きっとカラッポだ。

赤【大多数】の世界で叫び続けた青【私】、
執行人がやってきて。

私を、牢に閉じ込めた。

(どうしてだろう。貴方はこない。)

メランコリー*シュシュ 第一話【憂鬱を知らないシュシュ】 

June 17 [Sun], 2007, 13:57
 口を開ける。しかし、声はその口からは出なかった。
 少年は咄嗟に泣き出しそうな顔を笑みにすりかえて、彼女を送り出した。
 「行ってくるね、クル。これでもう、何の心配も要らないんだよ」
 そう言われた少年は、ボロボロのズボンを掴んで、小さな声で呟いた。
 「おねぇちゃんのこと、わすれないから」


 「シュシュ!」
 少し高めの男の声がシュシュを呼び止めた。
「何です? ダイナ」
 後ろからゆったりとした動作でシュシュに歩み寄ったダイナは、帽子をくいと上げると、シュシュを真っ向から見つめた。シュシュは口をきゅっと一文字に結んで、無表情の中にきょとんとした外見年齢相応の顔を見せた。
「怪我、しただろう。」
 そう言われて、シュシュはああ、と空を仰ぐ。
「少し、ヘッドが損傷しただけで、特に問題は」
 そう言ったシュシュの顔にはなるほど、「損傷」と呼ぶに相応しく、柔らかな素材が捲れ、中の配管が見えていた。
「おいおい、それじゃあ“自分はアンドロイドです”って言ってるようなものだろ。ちょっとは隠すくらいしろよ」
 呆れ顔で、ダイナは腰のポーチからガーゼと布テープを取り出し、素早い動作でその損傷部分を覆った。
 「……すみません、」
「ああ、済まねぇな。幾ら生身の期間が長かったとはいえ、利巧とは言えねぇぜ。お前達アンドロイドは、貴重な財産だからな」
 そう言って、ダイナは懐から二丁の銃を取り出した。そして、くるくると回してから、消した(、、、)。
「相変わらず、ダイナは銃ですか。」
 そう言われて、ダイナはクツクツと笑った。
「おいおい、知ってるだろォ? 俺の右目が、如何して包帯で覆われているか……をな」
「そうですね、愚問でした。私は一応素早さ重視で軽やかな動作が……」
「知ってる」
「……そうでしたね。あ、ミィカ理事長は、次の任務を?」
「おお、そうだろうよ。あの仕事狂い人間は、今日も任務だろうよ」
「いえ、そうではなく。私に任務は、と訊いたのです。私も、最近やって(、、、)ませんから、正直腕が鈍ってる気がするんですよね」
 シュシュが告げると、ダイナは僅かに唯一窺える左目を驚きに瞠った。
「こりゃあ、おどろいた。まさか、“ノット ノウ メランコリー”のシュシュからそんなセリフが聞けるとはな」
 大げさに両手を広げてみせたダイナは、一歩後ずさった。手が、消える。
 ――パァン キンッ!
 何かが破裂する音の直ぐあと、金属音が辺りに響く。ヒュウ、と誰かが口笛を吹いてはやす。
「なんだ、やっぱり鈍ってねぇじゃねぇか」
「突然の銃の発砲は、流石の私も対応しかねます」
「とか何とか言っておいて、チャンと俺の銃弾、ナイフで真っ二つにしたくせによ。自信失くすぜー?」
 どうやら、ダイナが早撃ちをして、その弾をシュシュが防いだらしかった。
「ダイナが本気なら私を壊す事も、可能だったでしょう」
「俺が本気ならなア。残念だが、俺に本気出させるアンドロイドは、後にも先にもアイツだけだぜ、」
「そうでした。そのうち、命を落としますよ、ダイナ。過去の思い出を遺物として埋葬できない限り。」
「ケッ。シュシュは良いよなぁ、メランコリー知らずで。じゃ、俺は行くぜ」
「どちらに?」
「任務〜」
 シュシュに背を向けてひらひらと右手を振りながらやる気無く発せられた言葉は、決してこれから任務を遂行しに行くようには思えなかった。……戦争を、しに行くようには。

 残されたシュシュは、自分の右手に握られた自分用特製ナイフを握りなおし、大事そうになぞったあと、ゆったりとした動作で足のナイフポーチに戻した。
 「“ノット ノウ メランコリー シュシュ”ですか……私も何も感じないわけでは、無いんですけどね」
 そう、自分は後を振り返らない覚悟をしただけで。
 シュシュは周りで聞き耳を立てていた人々に一礼お辞儀をすると、踵を返して歩き出した。
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プロフィール
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  • アイコン画像 ニックネーム:夢紀 契(ゆめき ちぎり)
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 誕生日:1990年3月12日
  • アイコン画像 血液型:A型
  • アイコン画像 現住所:福岡県
  • アイコン画像 趣味:
    ・音楽-Sound Horizon
    ・マンガ-LOVELESS,タアモ先生作品,鳩山郁子先生作品
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福岡領拡行きます!
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将来は下手ッぴながらも美大目指してます。
一応今は美術専門学校在宅コース。
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