初めての友達 ―瑞穂が教えてくれたこと― 

February 16 [Fri], 2007, 11:23
友達・・

仲間・・

私には一生 縁のない"モノ"だと思ってた

つい昨日までは・・

―瑞穂が教えてくれたこと―

「ねえ 昨日の宿題 分かったー?」
「あ!あたし忘れてたあー 見せてえー」
「しょうがないなあー」

いつもと変わらない朝

クラスの皆の笑い声

宿題の答えの見せ合い

黒板の落書き

友達と一緒にそんなことができる 皆が 私はうらやましかった

そんなふうに 友達と話したり 宿題の答えの見せ合いをしたり・・

私だって、本当は明るい性格なのに 皆と上手く話が出来なくて

一人 浮いていた

いつも 教室で同じ本を繰り返し読むだけの生活なんて

もう飽きた

友達がほしい!!

私はそう思った

けど、話しかける勇気がないんだ

だから諦めていた

昼休み―

いつもの木の陰で、お母さんの作った弁当を食べる

お母さんはいつも私が友達と仲良く 「具の交換をしているだろう」 と思って

日によって 具を変えてくれる

私はそんなお母さんの期待を裏切ってしまっているということが

とても悲しくて仕方が無かった

パカッ

弁当の蓋を開けると 私の大好物の玉子焼きが視界に飛び込んできた

毎朝 早起きして作ってくれているのに

私は・・・

そのことを考えると 自然と涙が溢れ出てくる

ごめんね・・ お母さん・・・

ハンカチでその涙をぬぐっていると

「河本さん お弁当 一緒に食べてもいいかな・・?」

後ろで声がした

振り向くと クラス一の人気者の 秋沢 瑞穂 が立っていた

女子からも男子からもモテモテの彼女が何故 私と弁当を?・・ と疑問に思ったが

「・・私で良かったら」と笑顔で返事をしてしまった

瑞穂と話してるうちに私は 瑞穂と仲良くしたい と思うようになった

瑞穂は色々と話してくれた

好きな雑誌や、面白い小説・・

瑞穂が笑うと 私も一緒に笑った

初めてだった

友達とこんなに笑ったことは

もうこのまま 時間が止まればいいのに と思ったりもした

二人で話していると

キーンコーンカーンコーン

と チャイムが鳴った

「あ、あたし日直なんだ また今度 一緒にお弁当 食べようねー!!」

そういって瑞穂が足早と駆けていった

一人 ぽつーん と木陰に取り残された私

でも もう 心に隙間風を通す穴なんかなかった

私の心はしっかりと満たされていた

彼女・・瑞穂のおかげで

私は 孤独 という大きな壁を越えることが出来たんだ

ギュッと強く手を握り締めた

「私は もう 独りなんかじゃない」

心に強くその言葉が刻まれた

立ち上がり、弁当の空箱を持って教室へ帰ろう

第1話 完
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