ダダ 

October 19 [Mon], 2009, 5:27


                                   えんじぇる・増田天志



 俺は詩人になりたかったのかもしれない。
 石頭から逃れたいだけなのかもしれない。


 「三行詩」


 俳句なのですか 川柳なのですか
 じゃあ、君は
 犬なのか猫なのか


 鶴彬が好きなのか
 アキちゃんが好きなのか
 確かにルンペン・プロレタリアート


 衣服を脱ぎたまえ
 君は選ばれたのだ
 満月の宴に


 賞味期限が切れた醤油を
 揚羽の血脈より
 白いですから


 天狗さまならご存知だ
 ぐいぐい
 火箸の焼け具合
 

 いつまでも手を振る乙女の
 時間差は
 銀の雨

 
 ダダダダダ
 影に脅える
 子供たち


 尻尾の先のリボン
 かわいいねと
 栗に爪を立てている

 
 機関車が好きだった父さん
 万華鏡は
 夜だったね
  
 

川柳 

October 18 [Sun], 2009, 21:42


                                   えんじぇる・増田天志



 最近、川柳が楽しくて仕方が無い。句友が楽しいからだろうか。
京都の川柳結社「ふらすこてん」の月例会に毎回参加している。
バックストロークの大阪大会、川柳結社「黎明」の10年の集いにも
参加した。二十年ほど前になるだろうか、「びわこ番傘」に参加して
いた頃が懐かしく想い出される。
 川柳の大会にどんな句を出しているか、ご覧ください。

 兼題「放題」

白波は小鳥となるや消えゆかむ

雷獣の封印を解く探偵団

   「ふるさと」

牛と棲む生家はすでに夕焼ける

祭ばやしに少年の影となる

  「時」

たんぽぽの空よ酒蔵熟成中

赤とんぼ時の扉を開く鍵

  「知る」

乾き切るパレット山脈知らぬ空

こおろぎの目は鏡だと知る兵士

  「ユーモア」

空き缶は踏まれる前の腹話術

透明な檻に棲み付くチャップリン

  「色」

空色の椅子よ長生きする予感

むらさきの卵は軍港霧の中

  
 俳句の題は、その文字を必ず入れますが、川柳では、題の文字を
そのまま入れなくても良いのです。


選句 

October 08 [Thu], 2009, 5:34



                                 えんじぇる・増田天志



 私は、貴方に、志の高い作家になってもらいたいのです。
「選んだ、選ばれた」「抜いた、抜かれた」と、選句をとても気にする人がいますね。
 でも、大切なことは、自分の句が選ばれなかった場合、句が良くないのか、選者の
選が良くないのか、自分で判断することです。決して、選ばれることを第一の目標に
してはなりません。選者の選に作品を合わせることは、堕落以外の何ものでもありま
せんから。作家であることの放棄です。芸術は独創的であることが大切なのです。
束縛されることなく、自由に創作することが、最も大切なことなのです。
 何十年も句を作っている人でも、選句を気にする人がいます。最初から、志が低い
のです。そのような人は、私の話を聴こうともしません。多分、私の言っていることが
さっぱり分からないのでしょう。
 蛇足だったかもしれませんが、貴方の言動が少し気になったので言っておきます。
そうです、貴方にです。平凡な、俗人になって欲しくないのです。貴方には・・・・・


違和感は蟻とぼとぼと赤い影
                           黒揚羽 副腎ホルモン泣かせろよ
ブルースは夜な夜な豚を叫ばせる
                           満月を抱く芸者およねの話です
確かに爺さまの玉は重そうだ
                           偏平足を進化だと言う人参
ご先祖さまの行き場が無くて雲雀
                           通草ぽっかり時代閉塞バズーカ砲

花へちま本土決戦防衛軍
                           無鉄砲だよ花野の下の大本営
舌打ちは止めなさい野菊紋章
                           アンドロメダを見る前に梅干し茶漬け
紅葉は娼婦のようねと窓仰ぐ
                           無花果を捥ぐは避妊忘れた男
大根の種を播く 祖国とは大空
                           乳房まさぐる蟻ほどの幸福論

どうせ墓場へ行く ちちろ虫変化
                           連立方程式で解く俺と秋蝉
木守柿なら軽業師を知っている
                           亀は嫌いだ楽浪の果て檸檬
石鹸を抱くとまあるくなれるんだ
                           半身は水につかっている鴉
みの虫は自責の念に揺れている
                           かすかな地響きは魔神のスミレ
しぇ一しぇ一と蝉鳴かす露店商

秋蝉 

October 07 [Wed], 2009, 5:04


                                   えんじぇる・増田天志



 芸術作品の創作や鑑賞にインスピレーション(霊感)とイマジネーション
(想像力)が必要であることは言うまでもないことである。
 最近、句会で、作者は作品を読者にどこまで委ねるかが話題になった。
私自身は、創作過程に於いて読者を全く意識しない。自由に創作したいのだ。
作品は、作者自身の中で完結していなければならない。創作過程に於いては。
 そして、創作後、作品は、読者の鑑賞に委ねられるのである。
 作者自身が、創作過程に於いて意味が分からないことだって有り得ることだ。
作品鑑賞も、自分自身の中で完結する。他人の評価なんて信用したら、自分自身
が全く分からなくなる。自分の鑑賞を信じることだ。・・・・・・


いちごジャムまんべんにクリミア戦争
                              噴水の尖端に遊ぶ光源氏
舌を巻き尻尾を巻いた渡り鳥
                              陰画反転どこまでも霧襖
土蔵まで焼け落ちコオロギは大将
                              純白のスクりーンこおろぎの触覚
白桔梗は歯ブラシで描く夜尿
                              大空へ金魚浮かべる給料日

仰角は秋の鯨か旗立てて
                              けっこう華奢だね棍棒を振舞わす
試薬注射はコオロギの無表情
                              蝶あまた乱舞する牢獄は肉
七色を帯びコオロギの敗走
                              しからずんば秋茄子の責め地獄
煙管としての人間を積み上げる
                              山鳩なら先ほど丁稚に出しました

さらば三日月のゴキブリたちよ
                              非はどちらにも不死鳥は月へ
硝子塔の女王様という蓑虫
                              琺瑯質な胸板だがトンボが群れる
一瞬に白い柿チェルノブイリ原発
                              背骨の秋蝉が時々吐いた
勘助の最期 骨格系秋蝉
                              壁に笑われる白曼珠沙華

がらんどう白い時間が蛇を吐く
                              そうだ眼帯をすりゃ曼珠沙華
尖塔に舎利あらず右往左往とんぼ
                              風鐸鳴らすは秋蝉の息災
蝶はもう白い時間になっている
                              牢獄の蛇は光ったままである
流線の尻が好きです捨案山子
                              そりゃないすよと無花果を捥ぐ

薄化粧もほどほどに穴惑い
                              げんのうって狐火ほどの昔です
遺書に異議あり黒揚羽裁判
                              鍛冶屋町へ薄紙とポンポンダリア
                      

言葉 

October 06 [Tue], 2009, 5:27

 
                                   えんじぇる・増田天志



 この前の話、分かったかなあ?
最近の流行は、言葉そのものへの関心なんだ。
 言葉そのものが面白いのだ。
確かに、言葉について考えることは大切で、文学の意味を根本的に
問い返すことになるからね・・・・・
 でも、僕なんかは、「中身が無いから形態に逃げているだけじゃないの?」と
邪推しちゃうんだ。自称、社会派は、言いたいことが山ほどあるんだ。
 言ってること、分かるかな?句は、中身と形態から成り立っているでしょう。
言いたいこと(中身)を言葉(形態)で表現しているでしょう。
 作者の衰退なんて、言わせないぞ!と、肩に妙に力が入ってしまうんだ。
世代的なものだよね、きっと。社会変革って夢を追い求めていた世代だからね。

 あっ、そうそう、このことも言っておこうかな・・・・
最近、霊、霊、と取り付かれたように言っているよね。
アニミズム復活の実践なんだ。万物の霊との交信を図っているんだ。
人間も霊的存在だし、霊と霊との交信なんだ。
 前にも言ったように、無意識も含めて、自分の内部から出てくるもので、
作句することに飽きちゃったんだ。外から来るものを受け留めて作句したいんだ。
 以前から言っている「神の器」になりたい!の拡大ヴァージョンなんだ。
でもね、内緒なんだけど、怖いんだよ、神の声が聞こえるのが。万物の霊と交信
することが・・・・異常な世界に入っちゃう感じがして・・・・

 意気地なしなんだよ、俺って。
 そうよね!
 えっ?

割箸 

October 05 [Mon], 2009, 5:36


                                   えんじぇる・増田天志



聞き役に回ろうススキを飾る
                          くねくねするとヒマワリが泣いた
ドラマーに割り箸渡す春あらし
                          臓器から筋肉までの蝉しぐれ
夜の散歩で自分の骨をさがそう
                          街角に立つ縞馬になっている
胃袋軽く古文書は紅葉かな 
                          大日如来と天照大神と熟柿

飛び出してごらん龍の目の青さよ
                          夜を愛でる尼僧の正体キリギリス
赤錆びる廃墟匂うぞ落柿とは
                          銀蠅の胴はアトランティス大陸へ
薬草を干しレーニンの国家死滅論
                          薬指ほどの約束しぐれかな
大縄跳び母が生まれ変わっていた
                          軍旗ならロケットに積み込みました

銃剣の林の中に咲く太陽
                          大空へ帰る案山子と鉄条網
虫しぐれ鎧の朽ちる匂ひかな
                          初紅葉ひと日は尼の庵なり
柔らかき光の中や鳥渡る
                          まひるまの闇熱きかな虫しぐれ
たてがみの濡れゆく影や十三夜
                          舌の根の乾かぬ内に穴惑い

昼ちちろ高天原は淡海なり
                          詫びるよう追伸のよう昼ちちろ
薔薇の刻印 朝早い少年院         
                          肉体の囁き梵鐘は揺れず
満月や自分に電話かけてみる
                          刈田焦がす未明という診断
ことに晩夏トンネルは水飴に
                          俺は象のように立つ ことに満月

月見草いつもながらの長電話
                          一瞬の賽の河原や稲光り
ピエロ化粧落とすも満月
                          他界とはぱっと変化の曼珠沙華
ナプキンは高く聳える敗戦忌
                          しろまんじゅしゃげチェロ弾く女の首
摩尼車くるくる野菊咲くごと
                          法華一条 新豆腐ぷるるん

                          

軍馬 

September 30 [Wed], 2009, 0:12


                                  えんじぇる・増田天志



山上の垂訓聴かむとキリギリス
                           霊峰の洞窟に聴く晩夏光
水甕は紅葉の炎ゆることなれば
                           霊峰に水音聞くは紅葉なり
村眠る中たかんなは黄金に
                           白桃の味を知らない銀スプーン
つぎつぎに業火の中へ水蜜桃
                           月の石想うは棚田歩む牛

彼岸過ぎ西日に沈む落下傘
                           日本橋どこまで時雨ゆくのやら
橋の上から五年後の冬紅葉
                           そやないか象の耳より紅葉して
セールスマン白桃ずんずn沈む夢
                           あけびの花咲く人は泣くもの
サーカスは三角旗立て宵待草
                           牧童は官能なるか昼の月

山鳩よ月は真赤に果ててゆく
                           名月の首途あるかな五銭舟
少年の流す涙は虫しぐれ
                           白露散る夜は十九歳の務めかな
あかねぐも軍馬は異国の墓なりし
                           三太郎叫ばれている紅つばき
マリモよ隠し砦へ流星あまた
                           きっとよね夜霧の橋に待っている

黒百合よアイヌモシリへ突撃せよ
                           砂山の渡り鳥よ俺は逝くから
マドロスさん月を泣かせているんだね
                           ノルマンディー霧笛響かせ紅鴉
まめで居ますよ椿のだんな
                           満月の逢瀬はいつも文殊楼
こおろぎの海は千年オブラート
                           白魚と成り悪食を糺すなり

霊峰の霧は炎かバイロイト
                           とりかへばや蛇の卵を抱く女
一隅の光とならむ花すすjき
                           秋なすびとんと御無沙汰淡海かな
逆さまだけれどシロナガスクジラです
                           まんじゅしゃげ旗立て馬借一揆かな
黄金の龍となりたる秋淡海
                           しなやかに人海戦術という蜜柑

                          

                                

                           
                           

霊峰 

September 29 [Tue], 2009, 22:19


                                    えんじぇる・増田天志



肉体は華燭に似たり穴惑ひ
                          籠山僧花野想ふは執着なり
初もみじ時の翼に乗りたるは
                          堂籠もる僧は紅葉を知らぬなり
天高し龍に乗りたる影ひとつ
                          龍骨の霊峰じゃんけんは紅葉
霊峰や月の匂いのする少年
                          バズーカ砲秋の馬なら洗おうぞ

大砲の弾ほど熱く馬洗い
                          新涼のビール母艦は着替え中
赤とんぼ消え暮色の分度器
                          去年の霰にまだ梃子摺っているのかい
爪楊枝の捨て場がない良夜
                          心臓ひと突き秋蝶の誤算
未明の鶏鳴しごかれる満月
                          落武者狩るはカマキリの目玉して

泡立てる石鹸の芯は満月
                          樹海にて月華の意味を噛み砕く
木守柿還らぬ人の名を叫ぶ
                          ぽつねんと僧渡り来る秋淡海
月赤く裸子植物のパンパン
                          指先の棘抜けぬまま良夜かな
天蓋の蜘蛛の囲は黄金色
                          薬石にナスカレーとは祝着

忘れ物です手渡される月の骨
                          白桃と法燈 言ってみただけ
秋すだれ鬼ごっこの延長戦
                          切り札が幽かに揺れる 月を呼ぶ
母洗う手は蛍のように乱舞
                          雨合羽のままならば蒼白な蛇
黒ぶどう種は千年仏かな
                          剥落許すまじ熟柿の蹲踞

水底の眼球忘れ花野かな
                          唐辛子はさみの片刃は肉である
竹の子の穴は貴方の不実です
                          詩意と書き終え冬紅葉賛歌
将門の首だと想へ木守柿
                          雁渡る土蔵の奥の絵巻物
形代の川原よ流木光りたる
                          一隅に光るコオロギ戒壇院
                          

                          

弥勒 

September 29 [Tue], 2009, 18:13


                                 えんじぇる・増田天志


 比叡山に登った。坂本から東塔までの1時間コースである。
去年は、夏に登ったので、虻に追い駆けられ、蛇に行く手を阻まれ、
汗だくだった。今年は、秋だったので、とても爽快だ。
 道すがら、手帖に俳句を書き込み、書き込み、登って行った。


風も無く草叢揺るる無月なり
                       肉消え骨格となる霹靂神
一瞬の賽の河原や稲光り
                       俺は象のように立つ ことに満月
ピエロ化粧落とす後も満月
                       月見草 いつもながらの長電話
他界とはぱっと変化の曼珠沙華
                       空深ければ水滲み出す敗戦忌

ナプキンは高く聳える母のこと
                       しろまんじゅしゃげチェロ弾く女の首
摩尼車くるくる野菊咲くごと
                       天空は吾れにあり野菊焦がさず
法華一条の教え新豆腐ぷるるん
                       無財の施とは完熟バナナかな
精進深く鳥渡るアトリエ
                       煩悩の海はうごめくコオロギよ

中陣の同じ目線で蓮を聴く
                       灯心というは僧形の花野かな
眼鏡に映る白鳥より洗われる
                       弥勒さま鉄の扉の開く刻
白蛇ぬくっと鎌首ががざらぬが
                       朝焼ける象の尻尾にあるリズム
国は言葉なり鳥渡る刹那
                       雷鳥は打つべし隣地占有権

落雁は拝むべし鉄人ら合議
                       尾骶骨とは天地神明落雁なり
分燈あり野菊野炎ことに白し
                       南無南無と朝のトースト独善なり
金堂の避雷針ほど縁故かな
                       霊山は吾が庭のごとパナマ帽
柔らかき石拾ひたる月の峰
                       最澄は吾が胸中の霧襖

落雁の皇子よ壁画に朱筆あり
                       初もみじ京の小間物屋でござい
桔梗紋こよなく愛す侯爵家
                       秋ともし如来の肌は黒真珠
今宵こそ橋渡り来よ曼珠沙華
                       肉体のリモコン遠し紅葉山
きのこ山さっきトトロに出逢ったよ
                       肉体のトンネル抜ける紅葉かな
                       



霊感 

September 24 [Thu], 2009, 18:41


                                  えんじぇる・増田天志



 にんげんどもよ 心身の器よ
 肉体を抉り出せ
 精神を抉り出せ
 器を空っぽにして備えよ
 ひたすら備えよ
 霊感の降り来る夜を
 
 卑俗なる自称「げいじゅつか」よ
 聖霊を宿せ
 聖霊の器となるのだ
 
 雲海を泳ぎだせ
 奈落は俺たちのものである
 共に永遠の生命を

 第三の聖書より
 
 
P R
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