貴方への手紙 

March 01 [Thu], 2007, 0:00
「お母さん!!あたしに手紙届いてない!?」

「手紙?そんなの届いてないけど・・・・」

「あ、そう・・・・」
女の子は少し悲しそうな顔をして、家の奥に引っ込んだ。


貴方への手紙



この女の子が何故、誰かからの手紙を楽しみにしていたかというと・・・・
さかのぼること一ヶ月前。

「お誕生日おめでとぉ〜〜〜〜メイ!」

「ありがとう、お母さん、お父さん、お姉ちゃん♪」

そう、その日は女の子の八歳の誕生日だった。
女の子はいつにもまして気分がよかった。

「ハイ、どうぞ」

お母さんが、ふいに女の子に赤い包み紙に包まれたものを女の子に渡した。
誕生日プレゼントだ。

「ありがとう!中身はなぁに?」
女の子は包み紙を破らないようにそっと、プレゼントを開けた。

「ピッ」

包み紙をすべて開けると、そこにはうさぎの写真が書いてある封筒と便せん。それに切手と小さな本が入っていた。

「どう?気に入ったかしら?」

母親が得意げな顔をして聞いてくる。

「うん!すごくカワイイ!!」

女の子はあふれんばかりの笑顔を母親に向けた。

「これはなぁに?」
女の子は小さな本を手にとった。

「あぁ、これ?これはね・・・文通本って言うのよ」

「ぶん・・・つう・・ぼん?」
女の子は聞きなれない言葉に首をかしげた。

「そう、文通本!ここに文通をしたい人ががいっぱい書いてあるのよ。だから、メイもこの本を見て文通をしたい人を探しなさい♪」

母親は張り切ってそういった。

「ねぇ、お母さん。ぶんつうって何?」

女の子はそんな言葉聞いたことが無かったから文通が何を意味するか、そして何をするのかが、全然わかっていなかった。

「あぁ、ごめんね、メイ、文通って知らなかったのよね。えっと文通って言うのはね、顔も知らない人と手紙で会話することなの。」

「それって楽しい?」

「えぇ、もちろん!!」

「じゃあ、やる!!」

女の子も母親に負けないぐらいの笑顔で言った。
母親は女の子の「やる」という言葉を聞いて待ってました、と言わんばかりの顔でさっそく便せんをメイに差し出した。

「じゃあ、ここに書きなさい。」

「え、誰に・・・?」

そんなすぐに、「書け」といわれると思ってなかった女の子は少しばかり戸惑った。
いきなり、知らない人に手紙を書きなさいと言われたら誰だって戸惑うと思うけど。

「あぁ、さっきお母さんこの文通本少しだけ見たんだけど、メイと一番年が近いのはこの子!ユーズオリバー君。10歳よ」
母親は女の子にその子の名前が載ってあるページを見せると「どう?」と女の子に問いかけた。

「うん、いいかも!」

女の子も乗る気になり、さっそく手紙を書き始めた。

「できたぁ・・・」

女の子は便せんを封筒の中にそっと入れると、すぐにポストに走った。
その日から、女の子は男の子からの手紙を楽しみに待った。
毎日毎日、家の郵便受けをのぞいた。

それから三日後、手紙の返事が届いた。


「お母さん!!返事が届いたよ!!!」

女の子はそれはそれは喜んで、何度も何度も手紙を読み返した。
ロットの一日というのは、今全世界で人気のある、アニメのことだ。
女の子もそのアニメが大好きだったので、よけい興奮した。
それから、女の子がまたすぐに手紙の返事を書いた。




それからというもの、毎日のように女の子の文通は続いた。
毎日、毎日、学校のこと、友達のこと、TV番組のこと、色々と喋った。


そして、月日は流れまた女の子の誕生日を迎えようとしていた。
その日もまた、女の子は手紙を書いていた。




それっきり・・・男の子から手紙が届かなくなってしまったわけ。
女の子はず〜っと返事を待っていたけれど、返事は来なかった。

そして、女の子が九歳になって半年がすぎたころ返事が届いた。
女の子はすぐさま、手紙を見た。





九歳の女の子に白血病やら、生きる希望やら、言われたって分かる分けない。
だけど、これだけは分かった。

もう、文通はしてもらえないって事。



女の子は声を殺して泣いた。
誰にも気づかれないように自分の部屋に閉じこもって。




その日の夜はいつにもまして、星が綺麗だった。
女の子は星空を見上げながら思った。



{あの星のどれかに、ユーズ君がいるんだろうなー}






あとがき
このお話はスランプ途中なのに画像がえらくたくさん乗っていますねぇ〜
人間スランプになると何をやらかすか分からないんですね、えぇ。笑
あ、そうだ。ユーズ・オリバー君は最後星になりました、キラキラ星です(謎
素敵な素材はココから貰いましたぁ〜♪
P R
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