おもちゃの猫

March 29 [Fri], 2013, 14:46
葬儀屋で働いていると、不思議な体験をする事もある。

生前、猫好きだった故人。
入所していた施設では、もちろんペットは飼えないので、
おもちゃの猫を可愛がっていた様である。

その猫とは撫でてやると「ニャ〜ン」と鳴く電池式のおもちゃだ。
故人が最後まで大切に可愛がっていたという事で、ご遺族の希望もあり、
柩の傍に飾ることにした。

葬儀も終盤になったころ、お経に混じって「ニャ〜ン」と猫の声!?
えっ!?確かに猫が鳴いたな!?

式場内も少しザワつく..
遺族の方もビックリして柩の傍の猫を見ていたが..すぐに泣き崩れる。

確かにスイッチはOFFにしてあった..でも電池は抜いてない..
電池式のおもちゃが電波か何かで誤動作する事も、たま〜には有るあるだろうけど、
しかし、見事なタイミングだ。

故人が最後の別れに来ていたのだろうか...
それとも可愛がってもらった、猫が最後のお別れを言ったのだろうか...

葬儀中の出来事だ..どちらかだと思いたい。

二人の子供

March 28 [Thu], 2013, 16:17
告別式に遅れて来た子供が二人。
まばらに空席が目立つ式場内の最後列にポツンと座る中学生と小学生の二人の男の子。

故人が離婚した先妻との子供たちだ..

前列にも空席があるので勧めるが、断る中学生の男の子。
祭壇そばの遺族席には故人の今の奥さんと、その連れ子..

小さな田舎町では良い話も悪い話もすぐ耳に入る。
事情を知っていても、あまり立ち入ることは出来ない..

告別式も終わり、いよいよ最後のお別れ..故人に花をたむけ、最後の別れを告げていく。
式場の後方に立ったまま、その様子を無言で見ている二人の子供。

急ぎお別れをするよう勧めるが、またもや断る子供。
結局最後まで祭壇のそばに行くこと無く、遠くから父親を見送った子供たち..

式場内の参列者も居なくなりスタッフだけになったころ、
初めて父親の祭壇に近づき手を合わせ頭を下げている。

二人は祭壇の前に立ち、父親の写真を無言のまま暫く見つめていたが、
涙を拭いているのが二人の後ろ姿からでも解る。

色々な事情があるにせよ、大人達の犠牲になるのは、まったく罪のない子供たち..
同じ年頃の子供をもつ親としては、何とも切ない葬儀だった。

P R
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