先週、約10年ぶりに歯医者さんへ行きました。
甘いものや冷たいものを食べたら、奥歯が痛むと
気付いたからです。
案の定、虫歯でした。人生2本目の虫歯です。
たしかあれは中学1年生だったと思います。
学校で行われた検診での発見でした。
前回は早期発見で、非常に軽いものでしたが、
今回は、それより悪化しており、初めて歯茎に麻酔を
打ちました。食べ物のアレルギーの経験があるので、
試し打ちも入れて2回打ちました。
緊張する間もなく、あまり印象に残りませんでした。
虫歯かどうか判断するために、初めて歯のレントゲンも
とりました。レントゲン室ではあっち向いてこっち座って
右向いて、あご乗せて・・・とあれよこれよと指示の嵐で、
ついていくだけで大変でした。あっという間でした。
撮るのにトイレほどの小さな部屋をあんなにぐるぐる回る
必要があったのかはともかく、撮られたレントゲン写真は
予想をはるかに越えた素晴らしさでした。
歯だけを撮っているのかと思ったら、目も入っていました。
黒い丸が二つ並んでいるのは、当たり前ですが、
輪郭のないガイコツというのはなんとも不思議でした。
ガイコツの頭を見ても、その顔のパーツは意識したことが
ありませんでした。目の黒い影は、最初に鼻の穴だと
信じて疑わなかったほど、歯の近くにありました。
拡大すると共に、横に引き伸ばされていたようです。
レントゲン写真は、自由に拡大したり縮小できます。
写真そのものだけでなくその装置にも、大変興味を持ちました。
アクオスのテレビで、中身はWindowsxpでした。
専用ソフトの名前は忘れちゃいましたが、タッチパネルで操作し、
歯医者特有の大掛かりなイスの横に、キーボードと、その下に
デスクトップパソコンの本体と言われるやつが置いてありました。
(見ているものとつながっているかどうかはわからないけど。)
全然関係ないけど、大掛かりなイスは個人用宇宙船のような
感じがしました。宇宙船じゃなくても、個人で移動できる乗り物。
あんなに上向きになる必要はないかもしれないけど、
将来きっとああいう乗り物が出るんじゃないかな。
タッチ画面で操作するのかどうかはわからないけど、
自動で水が出てくるのを見て、ない話じゃない気がしました。
歯を削るのは、痛かったです。
何にも似ていない痛みでした。ギリギリ耐えたって感じ。
しかしまあ、唾液を吸ってくれる助手の方は、投げやりな感じで
びっくりしました。のどにぐおっとやられて、咳き込みましたし、
口の横をズボボッと吸い込まれました。君、目的を忘れるなよ、
と何度か思いました。きっとあれは何かの攻撃です。意志を感じます。
麻酔をすると顔の一部がゆるむ話は、(かなり興味があって)
小さい頃からテレビなどで知っていました。
効かなかったらどうしよう、効いているのかよくわからない、
治療中も、気になって仕方がありませんでした。
本当はどれだけ痛いのか、それがわからないので、
きっとそれがわずかな痛みでも、我慢すべき痛みなのか
判断できないのです。神経に近かったこともあり、
歯医者に慣れていないこともあり、いろいろギリギリでした。
そんななか、「しっかり効いている」のがわかる時がきました。
それは口をゆすいだ瞬間に訪れました。
水を含んで、口を左右と動かしたその時、水がピューと、
遠くに飛んでいったのです。それは水を流す器を大きくはずし、
イスの横にあった…キーボードにかかりました。
ぎゃああああ、です。言わなかったけどね。
報告して謝ったら、すぐ大丈夫ですよと言われたけれど、
罪悪感というかなんというか、パソコン、好きだし、申し訳ないし、
思ったより近いというかなんで口と水の延長線上に置いてるんだろうとか、
気づかなかったけど麻酔効いてるんだなあとか、
考える優先順位がころころ変わりながら、初麻酔を堪能しました。
これで治療が終わればよかったんだけど、
虫歯以外の部分に手を入れることになってしまって、
そしてそれを考える時間を2週間ももらってしまって、
未だすっきりしないでおります。まー長い間、ひっかかっていた
オヤシラズ。4本はえているんだけれど、下の2本は
横にはえているってわかってしまったのです。
上の2本は本人たちがオヤシラズとはたぶん知らないんだろう
ってぐらい、まっすぐでした。
下の2本は不恰好に真横から出てきていて、
他の歯を押しています。今回の虫歯もそのせいだそうです。
抜くのも大変だけど、抜かずに虫歯を治療しても、
また虫歯になるかもと言われると、抜く気になる。
抜く予定なのはその虫歯になった歯の横の1本だけど…
悪気なくうまれてきて、たまたま不恰好で横の歯に影響を
与えたから抜かれるってことをなんとなく考えていたら、
なんだかな、抜くのをひどく申し訳なく感じました。
かわいそうっていう訳ではないんだけど、せっかく
はえてきたのになあと思ってしまうのです。
虫歯にしたのは、オヤシラズじゃなくて、私のせいだから、
また虫歯になったら、また私が痛い思いをすればいい、
そんな気がしています。(悩み中)
治療後に、待合室で、感覚のない右頬と、
感覚のある左頬をずっとつねっていました。
なんとも新鮮な感覚で、痛くないのが不思議です。
でも痛くないからといって、丈夫になったわけじゃなくて、
ただ痛みを感じないだけだと思うと、怖いですね。
つねったことで、痛かった左頬だけじゃなくて、
右頬も、赤くなっている(ひどければ内出血)わけで、
当たり前だけど、血が出てても気がつかないわけで…
「痛くない」ことと「痛みを感じない」ことは全然違うと
思いました。痛みを感じるのは辛いけど、
当たり前の痛みは、感じられるだけ幸せなのかもしれません。
これから歯の治療だけじゃなく、
病気になったりして、麻酔を打つこともあるでしょう。
初めて麻酔を打った日、2010年9月3日午後1時過ぎは
麻酔記念日ということにします。
それと、麻酔に感謝したこともあってか、
この世で初めて麻酔を使った手術を行った華岡青洲さんの
ことを思い出しました。(歴史の授業で出てきた。)
麻酔を完成させるまでの数回の人体実験で、
自分の母親を失い、また奥さんを失明させてしまったそうです。
おかげで麻酔薬は完成し、それを使った手術も成功させる
ことができた青洲さん。最初の手術は乳がんの手術だったそうです。
治療一つ一つもそうでしょうけど、
麻酔にも、痛みにも、背景があるんですよね。
そうなるまでの過程、物語というか…。