昨日はゼミの学生たちと一緒に、国立能楽堂定例公演を見に行きました。能楽堂の車寄せには横付けされたマイクロバス。エントランスにはVサインをしながら写真を撮っているお若い人々の集団。夏休みを利用しての観劇ツアーか何かでしょうか。ちょっと嫌な予感はしたのです。
その予感は的中。「夕顔」の最後、序ノ舞が終わって「夕顔の笑みの眉」あたりだったでしょうか。やにわに脇正面(中正面より)から一人が立ち上がったかと思うや、次々に立ち上がり、大きな荷物を持った集団が出口の方へ走り抜けて行くのです。蜘蛛の子を散らすように。いや、もっと正確に言うなら「邯鄲」の最後で大臣その他が切戸口から姿を消す時のように。そう、彼らは終演"予定"時間きっかりに姿を消したのでありました。ある意味あっぱれ。
きっと、彼らの大部分は、舞台なんかほとんど見ずに、時計ばかりを気にしていたに違いありません。そんなタイトなスケジュールを組むなら、最初から予定に入れなければいいのに・・・。ああいう行為が演者に失礼であるばかりでなく、他の観客にどれほど迷惑であるかが全くわかっていないのでしょう。舞台の余韻を味わうどころか、なんとも暗澹たる気分になりました。