春の雪
October 30 [Sun], 2005, 16:00
予告からは、三島由紀夫原作の文芸大作というよりも、韓国映画の向こうを張った純愛物語に見える。ようがす、泣かせてもらいまひょ。レイトで観てきた。
冒頭10分ぐらいたった頃から、段々と違和感を感じ始める。妻夫木演じる清顕に、まったく感情移入できないのだ。
ひねくれ者でへそ曲がり。鼻持ちならんエリート系。自分を好いてくれてる聡子にも冷たく当たる。何度も「子供ね」と言われるが、それだけで説明はつかない。バカなんじゃないの?
んで、相当あとになってから、「ほしいほしい」と駄々こねる。確かに子供と思うが、それで周りの人の人生を左右するくらい振りまわすから、悪質だ。
そんなバカのどこがいいのか理解できず、聡子までバカに見えてくる。主役二人がこんな状態で、この映画大丈夫か?
観ていて、考えた。このままラストまで突っ走っても、まずいいことはない。方針を変更する必要があるんじゃないか。きっと、原作がこの通りで、そのまま映画化したんだろう。現実に、理解のできないカップルは山ほどいるんだし、否定したところで始まらない。こういう自業自得な連中が、どういう運命を辿るのか、見届けてやろうじゃないの。
両家を巻き込んでの大騒ぎの挙句、聡子は子供をおろして尼寺へ。清顕はなぜか死を迎える。ロクな結末は迎えない。来世では蝶になって結ばれたのかもしれないが、それは幸せなの?人間としては不幸でしょ。
三島由紀夫の原作に忠実だったのかもしれないが、もう少し清顕の行動に説明がほしかったね。観客が「オレもそうだよ!」と思えなきゃ、冷めてしまうし感動もできない。
清顕のみならず、他の男たちもアホばかり。見せ場を感じるのは女たちだ。
もっとも素晴らしいのは、尼寺の和尚、若尾文子。もう完璧。素晴らしい。彼女の演技を観るだけで、劇場に足を運ぶ価値がある。レベルが全然違うのだ。身のこなし、表情、台詞、どれをとっても悠然としていて、日本の映画界を背負ってきた貫禄に、ただただ圧倒される。まさに大女優。もっと出番を増やしてほしいぐらいだった。
蓼科を演じた大楠道代も、印象に深く残った。こういう女は、敵に回しちゃいけません。褒めておだてて、気持ちよく立ち振る舞っていただくのがいい。低い声に迫力を感じ、自殺メイクにおぞましく思い、女の薄暗い部分を一手に引き受けていた。すごい女優だね、彼女も。
登場シーンは少ないが、岸田今日子もインパクト大だ。孫相手にダメ息子をなじる口調や、その孫が戦死した叔父の恩給に手をつけても、見逃す時の表情。誰でもできる芸当じゃありません。静かな振る舞いの中に、観ていてのけぞってしまいそうな迫力がある。何でもお見通しなのね。降参です。
でも、このテーマで150分は長いね、やっぱり。削ろうと思えば、もっと削れたはず。大正デカダンスを再現するには、あれくらいのゆったり感が必要だったのか。いや、もっと編集でなんとかできたはずだ。もっとテンポがよければ、主役二人の魅力の欠乏ぶりにも、目をつぶれたかもしれない。DVDは、文字通り「ディレクターズカット」で出したら?
そのとおりと思ったら・・・
ひねくれ者でへそ曲がり。鼻持ちならんエリート系。自分を好いてくれてる聡子にも冷たく当たる。何度も「子供ね」と言われるが、それだけで説明はつかない。バカなんじゃないの?
んで、相当あとになってから、「ほしいほしい」と駄々こねる。確かに子供と思うが、それで周りの人の人生を左右するくらい振りまわすから、悪質だ。
そんなバカのどこがいいのか理解できず、聡子までバカに見えてくる。主役二人がこんな状態で、この映画大丈夫か?
観ていて、考えた。このままラストまで突っ走っても、まずいいことはない。方針を変更する必要があるんじゃないか。きっと、原作がこの通りで、そのまま映画化したんだろう。現実に、理解のできないカップルは山ほどいるんだし、否定したところで始まらない。こういう自業自得な連中が、どういう運命を辿るのか、見届けてやろうじゃないの。
両家を巻き込んでの大騒ぎの挙句、聡子は子供をおろして尼寺へ。清顕はなぜか死を迎える。ロクな結末は迎えない。来世では蝶になって結ばれたのかもしれないが、それは幸せなの?人間としては不幸でしょ。
三島由紀夫の原作に忠実だったのかもしれないが、もう少し清顕の行動に説明がほしかったね。観客が「オレもそうだよ!」と思えなきゃ、冷めてしまうし感動もできない。
清顕のみならず、他の男たちもアホばかり。見せ場を感じるのは女たちだ。
もっとも素晴らしいのは、尼寺の和尚、若尾文子。もう完璧。素晴らしい。彼女の演技を観るだけで、劇場に足を運ぶ価値がある。レベルが全然違うのだ。身のこなし、表情、台詞、どれをとっても悠然としていて、日本の映画界を背負ってきた貫禄に、ただただ圧倒される。まさに大女優。もっと出番を増やしてほしいぐらいだった。
蓼科を演じた大楠道代も、印象に深く残った。こういう女は、敵に回しちゃいけません。褒めておだてて、気持ちよく立ち振る舞っていただくのがいい。低い声に迫力を感じ、自殺メイクにおぞましく思い、女の薄暗い部分を一手に引き受けていた。すごい女優だね、彼女も。
登場シーンは少ないが、岸田今日子もインパクト大だ。孫相手にダメ息子をなじる口調や、その孫が戦死した叔父の恩給に手をつけても、見逃す時の表情。誰でもできる芸当じゃありません。静かな振る舞いの中に、観ていてのけぞってしまいそうな迫力がある。何でもお見通しなのね。降参です。
でも、このテーマで150分は長いね、やっぱり。削ろうと思えば、もっと削れたはず。大正デカダンスを再現するには、あれくらいのゆったり感が必要だったのか。いや、もっと編集でなんとかできたはずだ。もっとテンポがよければ、主役二人の魅力の欠乏ぶりにも、目をつぶれたかもしれない。DVDは、文字通り「ディレクターズカット」で出したら?
そのとおりと思ったら・・・
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