青春の殺人者

July 16 [Sat], 2005, 13:00
「太陽を盗んだ男」は、何度観ても興奮する邦画史上屈指の傑作だ。そして、ゴジはその後映画を撮っていない。せめてデビュー作は観たいなーと思っていたら、TSUTAYAの棚にDVDがあるじゃないの!喜び勇んで借りてきた。
水谷豊と原田美枝子(若い!若すぎる!)がじゃれあうオープニングから、水谷豊が実家に帰って車を盗もうとしてバレて、父親と話し込むところまでテンポよく進む。そして、いきなりの凄惨な殺人直後の場面へ。その前に、なんかこう不安をそそる不気味な音楽が流れるのよね。おかしいなあと思ったら、案の定アレだ。

そのあと、母・市原悦子との掛け合いが延々と続く。全部どこか狂ったやりとりなんだけど、なぜだかものすごいリアリティがあって、1秒たりとも目が離せない。市原悦子の独壇場のスタートだ。

ダンナが殺されたばかりなのに、すぐにダンナを海に沈めることを考えてる。海に沈めて成仏しなかったら困ると、海の思い出を語りだす。いったん浮かんだ疑惑にとりつかれて、息子を罵倒して水を浴びせられる。夫婦心中に見せればいいと覚悟して、死に装束を身にまとい、最後に息子にアレを迫る。当然のごとく拒否されて逆上し、包丁を手に縛って息子を追い回す。包丁を奪われ観念し、痛くないように殺してくれと頼む。でも痛くて叫ぶ(すごく痛そう!)。そして、菩薩のような表情で死んでいく。外には巨大なカタツムリ(笑)。田村孟の脚本もすごいが、こんな長丁場を一気に見せきるゴジ演出もすごい。

それからは、若い二人が離れたりくっついたりの繰り返し。ストーリー自体は大したことないのだけど、二人の魅力と危ない映像で、最後まで飽きずに観てしまった。「磔刑」の学生ビデオはシュールだし、原田美枝子のいちじくシーンはギリギリだ。内田良平に抱かれながら、口から果汁が・・・なんとまあエロいこと(笑)

水谷豊の和製ジェームズ・ディーンぶりもよかったが、この映画でもっともインパクトがあったのは、やはり原田美枝子だ。17歳だって!そりゃ若いわ。見事な脱ぎっぷりもいい。かわいい顔してナイスバディ(死語)だ。彼女のくるくる変わる表情や、甘えるような声色を聞いてるだけで心地よかった。

DVD特典は、ゴジのスペシャルインタビュー。なんと1時間以上!語り口も軽妙で楽しかった。監督になるまでの逸話、原作との出会い、綿密なリサーチ、撮影の舞台裏、相米慎二や平山秀幸の助監督ぶりなどが、よくわかった。言葉の端々から、映画への燃えるような情熱が伝わってきた。常人にはマネなどできないセンスが感じられた。

こんな稀代の天才が、もう30年近くも映画を撮っていない。なんでなの?インデペンデントでもなんでもいいから、彼の新作が観たい!そう思ってる映画ファンは多いはずだ。どうにかならんのかい?

ゴジ関連サイト ゴジサイト長谷川和彦全発言

「サイコホラーにしたくなかった。今後もあんまり・・・って、今後もあんのか?大丈夫かなあ?・・・」そんなさみしいこと言わんでくださいよ・・・

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『青春の殺人者』

あらすじ
『厳格な両親のもと、溺愛されて育った20歳半ばの青年・斉木順。親に与えられたスナックの経営を始めるが、ある日、両親にスナックで手伝いをしている幼なじみのケイ子と別れるよう迫られる。口論の末、父親を殺してしまい、さらに...
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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢(笑)