ロスト・イン・トランスレーション

July 03 [Sun], 2005, 13:00
ソフィア・コッポラやビル・マーレイにも興味はある。でも、今この映画で一番に注目したいのは、先日「ゴーストワールド」でちょっと気になる存在になって、この夏には大作「アイランド」も控えているスカーレット・ヨハンソンだ。特に好みというわけではないのに、なぜか気になる。DVD借りてきた。
きっとコッポラ娘は、「ゴッドファーザーPARTV」や「ヴァージン・スーサイズ」のプロモで来日した際に、似たような体験をしたんだろう。んで、日本エンタメ界の変てこな文化を脚本にしたら、「そうそう、日本ってそうなんだよね!」って、同業者の共感を買ったんだよ。そうだそうだ、そうに決まった(確認してません。勝手な想像)

日本人としては少し恥ずかしいね。別に恥じる必要はないんだけど。でもマシュー南の「ボブ踊り」には、ちょっとひいたよ。ダイヤモンド・ユカイ(ですよね?彼)扮するCMディレクターの、パッション演出にも頭をかかえてしまった。ああいう人、本当にいるんだろうね、業界には。

でもこの映画、ただのカルチャーショック・コメディじゃない。もしそうだったら、これほどの高評価は受けないだろう。観終わったあとの、この余韻の深さ。強く触れれば壊れてしまいそうな、繊細で純粋なラブストーリーだった。

日本になじめない往年のスターと、日本で旦那に放置される孤独な若妻。異国で居心地の悪さを感じて、いつのまにか行動を共にする二人。でも、普通の映画に観られるようなラブシーンは一切ない。ただ会って、ご飯食べて、お酒飲んで、カラオケ歌って、話すだけ。デートと言うのさえはばかられる。二人っきりでベッドに寝転がっても、そっち方面に進む気配は微塵もない。ロビーでの別れもあっさりしたもの。

ずいぶんと淡白な終わり方に、きっと誰もが思ったはず。会話や表情に出てこない、深くて熱い感情があるんじゃないの?あれはただの勘違いなの?本当にそれでいいの?・・・まあ、でも現実はこんなもんよね。仕方ないよね・・・

観客の気持ちも静かに収束に向かい出した時に、現実にはありえない偶然が起こる。思わぬ再会。昂ぶる気持ち。そして、雑踏のど真ん中で、熱い抱擁と接吻を交わす二人。もう会わないかもしれない。離れたくない。自然に涙があふれてくる。でも・・・感情を断ち切るように体を離し、二人は別れていく・・・

旅の恥はかき捨てとばかりに、不倫に走ることもできたろう。映画なんだから、自由奔放な結末も許されるかもしれない。でもこの二人には、そんな選択肢はない。彼らはとても普通の人だから、異国の雰囲気に流されて、羽目をはずしたりはできない。家族を裏切るまでの大胆な行動は取れない。だからこそ切ないのだ。胸が締めつけられて、痛いのだ。

観てるだけでおかしいビル・マーレイだが、今回はそれを下地にして、大人の演技を見せる。これはベストキャスティングだ。他のどの役者が、こんなにおかしくて味わいのある役をこなせるだろうか。

そして何と言っても、スカーレット・ヨハンソンだ。決してすごい美形というわけではない。普通のアメリカ人だ。やってることも、言ってることも普通。なのに、すごく輝いて見える。温かい雰囲気に癒される。知らず知らずのうちに、好きになってしまっている。彼女の自然なオーラにやられました。ラストの切なさは、彼女に参っちゃったせいもあるね。気持ちはすっかりボブになってました。

しばらくの間、力が抜けてました。いい映画に出会えました。ソフィア・コッポラすごいな。

そのとおりと思ったら・・・
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1月31日(水)

ソフィア・コッポラはとにかく凄い。
モンスターだ。

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■やぎっちょ評価コメント
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