真っ赤なチェリー/狂った果実 

March 17 [Tue], 2009, 23:16
黒髪のくせに金髪金さんに勝るとも劣らぬクラブ真選組の土方
真選組のためなら自分の体さえ惜しまない
男とだって寝るぜ。(裏社会に通じるお偉いさんとか)店をでかくしていくにはパトロンも必要だからな
オーナー(近藤さん)の為に。近藤はこのことを知らない

土方が枕営業してるのは有名
かぶき町の人間なら知らない奴はいないってくらい

パトロンは麻薬とか人身売買の噂あるやつばかり
土方と関係すると破滅する
だから土方を死神と言う輩もいる。
それでも不思議なことに常に誰かと噂がある

それだけ魅力的だと言うことだ(破滅させてばっかじゃパトロン候補がいなくなんじゃねーの。
ここは歌舞伎町だぜ、きたねー金たんまり持ってる野郎共ァ溢れかえってるぜ)

同性愛者じゃなくても関係を持ちたくなるらしい
(土方自身どっちもいける。たったひとり好きだったのは女。ミツバ)
妻帯者多数
離婚したり家庭崩壊あり。更迭、逮捕、自殺
修羅場大立ち回り
人前で土下座する頭踏みつけたり

どんなデブでもハゲでも寝るらしいアル
天パはデブハゲ以外ネ

金時と土方ひょんなことで知り合う。お互い面識はないが知ってはいた
金時はじめは枕したり死神の異名とかで土方を嫌ってた
でもいつの間にか好きに
↑男と一緒にいるとこ見せつけるようにしたりする土方を見て疼いた

一回だけ抱いたなんかのきっかけで
嘲笑らわれる
タチでもネコでもどっちでもやるぜ。テメーは俺にどうしてほしい?
男に抱かれる趣味はねーよ
ナンバーワンホストっていうから期待したのにガキのセックスかよ

夢見るようになる土方抱く夢
妄想したり
したくない、あんなやつ嫌いなタイプ
人の人生踏みにじるような
例えどんな人間であっても(みんな悪人だが)
妄想すると興奮はするがあんな女王様みたいなのは実は好みではない
冷たく足蹴にされて悶える趣味もない

土方に出くわすことが多いからあてられただけだ

そんな土方を乱暴に犯して泣かせたい
そうすればどんな淫乱でも純真に見えてくる
しかも俺だけしか知らない純真

狂人は笑う
金時に出会ってなんでか惹かれた
自分を咎める人間はいない
意見されるのは嫌い。いいのは近藤さんだけ
なんでか金時には罵って嘲笑ってもらいたい

たとえ火の中水の中 

February 28 [Sat], 2009, 23:08
忙殺とはまさにこのことだ。
自室に戻った俺は、泥まみれで血まみれで、目の下は真っ青だ。姿見に映る自分に息を飲んだなんて初めてのことだ。
今朝大捕り物があった。
半年前から山崎に張らせていたヤマだ。江戸で一、二を争う老舗旅館の主人が攘夷志士のスポンサーだということは分かっていた。
昨日夕刻、出入り商人の持ってきた山崎の言付けで志士達の会合が深夜にその旅館で行われることが分かった。
今夜を逃してしまえば、次の会合はいつ行われるか分からない。半年も、手も足も出さなかったのだ。
緊急で幹部を集めて、




土方多忙
書類仕事でクマすごかったり捕り物で泥まみれ血まみれ
1ヶ月休みなし
酒二週間ぶり
飲むと眠くなっちまうから
明日はやっと休みだから飲みに行きたい、いややっぱ寝たい、いややっぱ酒とうまいもんと…恋人に会いたい
って思ってたとこに携帯鳴ったびっくり
銀さんから
出てこいよ、いつもの店いるから。明日休みなんだろ
あ?なんで知ってんだよ
銀さんはなんでもお見通しなんだよ
どうせ総悟か山崎あたりが教えたんだろ、と胸の内で
あー…はは
いつもなら毒づくのに疲れててなんでか笑ってしまった
銀さんがじゃあうち来いよ
万事屋に?あの店じゃねーのかよ
お疲れの副長さん、おもてなししてやるよ
もてなし?
そ、うちだったら酔っ払ってもそのまま寝れるし。オメー酒入るとすぐ寝ちまうだろーが。起きて帰んなきゃなんねーと面倒くせーだろ


さりげなくプロポーズ
ごはん食ってるときとか
きもちわりーなその犬の餌なんとかなんねえのかよ
なにが犬の餌だこら
そんなん目の前で食われてもひろーい心で受け止めてやれるのって銀さんだけだよまったく分かってんのか
はあ?なにいってんだてめー
あ?だからさ、一緒に暮らそうって
…馬鹿か、ガキどもァどうすんだ
ガキどもがいなけりゃいいっつー口振りだな
追い出すつもりかよ
ガキどもァいずれ巣立っていくもんだろ、そしたらオメーうちに越してこいよ
ずいぶんオンボロだな
あァ?俺ァどこだっていいぜ、オメーと一緒ならな
…馬鹿じゃねーの

たとえ火の中水の中 

February 28 [Sat], 2009, 16:44
忙殺とはまさにこのことだと思う。
自室に戻った俺は、泥まみれで血まみれで、目の下は真っ青だ。姿見に映る自分に息を飲んだなんて初めてのことだ。
今朝大捕り物があった。一ヶ月前から山崎に張らせていたヤマだ。江戸で一、二を争う老舗旅館の主が攘夷志士のスポンサーだということは分かっていた。





土方視点

土方多忙
書類仕事でクマすごかったり捕り物で泥まみれ血まみれ
1ヶ月休みなし
酒二週間ぶり
飲むと眠くなっちまうから
明日はやっと休みだから飲みに行きたい、いややっぱ寝たい、いややっぱ酒とうまいもんと…恋人に会いたい
って思ってたとこに携帯鳴ったびっくり
銀さんから
出てこいよ、いつもの店いるから。明日休みなんだろ
あ?なんで知ってんだよ
銀さんはなんでもお見通しなんだよ
どうせ総悟か山崎あたりが教えたんだろ、と胸の内で
あー…はは
いつもなら毒づくのに疲れててなんでか笑ってしまった
銀さんがじゃあうち来いよ
万事屋に?あの店じゃねーのかよ
お疲れの副長さん、おもてなししてやるよ
もてなし?
そ、うちだったら酔っ払ってもそのまま寝れるし。オメー酒入るとすぐ寝ちまうだろーが。起きて帰んなきゃなんねーと面倒くせーだろ


さりげなくプロポーズ
ごはん食ってるときとか
きもちわりーなその犬の餌なんとかなんねえのかよ
なにが犬の餌だこら
そんなん目の前で食われてもひろーい心で受け止めてやれるのって銀さんだけだよまったく分かってんのか
はあ?なにいってんだてめー
あ?だからさ、一緒に暮らそうって
…馬鹿か、ガキどもァどうすんだ
ガキどもがいなけりゃいいっつー口振りだな
追い出すつもりかよ
ガキどもァいずれ巣立っていくもんだろ、そしたらオメーうちに越してこいよ
ずいぶんオンボロだな
あァ?俺ァどこだっていいぜ、オメーと一緒ならな
…馬鹿じゃねーの

新年 

January 02 [Fri], 2009, 21:24
ちょっとした出来心だった。だって、年末年始は忙しくて電話すら出来ねーし、出れねーからなんて、言われたからだ。
普段ならそんな断りすら入れずにそういう事態になることが多い。だから、空回りであっても電話をかけてみたり街を探したり屯所に出掛けたり出来た。けれど、そう前もって予防線はられてしまうと、どうすることも出来ない。
でもそれは土方にしてみれば予防線でもなんでもなく、俺を気遣ってのことなんだろうけれど。
そうだ、あの夜土方は機嫌がよかった。三十日、今年最後の休暇なのだとふたりで飲んで、いい具合に酔っていたんだった。機嫌がよかったから、俺を気遣ってくれたんだ。
それは分かってたけど、どうしてもその予防線が気に入らなくて気に入らなくて、魔が差してしまった。魔が差したと言うより、いじけたと言ったほうが正しい。
「あれ、おねいさん、ひとり?」
いじけて、どうしてやろうと思って隣を見ると、俺らよりだいぶ若い女がひとりで飲んでいた。俺らでも客層のなかでは若いうちだろうに、そんななかおそらく二十代前半の女がひとりというのは、なにがなくても少し気になるから、いじけたついでに声をかけてみた。それも、土方が厠に行って、戻ってくる寸前に、だ。
「えー?ううん、待ち合わ…」
女の声が止まって目線が動いた。壁側の椅子が音を立てたほうを、女は見ている。
「待ち合わせっていうか、ひとりだけどー」
女はかすかに頬を上気させて、ちらちらと俺の隣を気にしている。
「今待ち合わせって言ったじゃん」
「言ってないよー」

「じゃあさ、一緒に飲まねえ?」
「え、どっしよっかなー」
女が両手のひらを合わせて体をくねらせる。かわいいけど、俺的にはそういうのあんま好きじゃない。もっと、冷たい感じのが好きだ。でも女の目的は俺じゃないから、俺の好みなんて構やしないんだろうけど。
戻ってきた土方は煙草に火をつけた。俺は女を見ているけれど、煙が鼻腔に流れ込んできたから、分かった。土方はなにも言わない。もう酒はからっぽの筈なのに、追加もしない。
「ふたりで飲んでたんですかー?」
舌ったらずに女が訊くのに、俺が頷いて土方を振り向いた時、土方が立ち上がった。
「もう俺は帰るからふたりで飲んだらいい」
土方は一片の躊躇も見せず、懐から財布を取り出し、何枚か札を抜いて俺の前に置いた。
「えー、帰るの?」
女が舌っ足らずな声で言う。土方は女を見て笑った。女が息を飲んだのが分かった。
「楽しんでこいよ」
土方が笑ったまま俺を見た。壮絶な色気を含んだその顔に、女と同じく俺も息を飲んだ。
ぴしゃりと鋭い音を立てて引き戸が閉まり、土方の姿が消えた。
しまった、と思った。予防線をはられた腹いせのつもりだったのだ。ほんの軽い気持ちだった。でもその予防線は俺のためだって分かってたのに、しまった、やりすぎた。
「ちょ、悪ィ」
土方の消えた引き戸を見てぽかんとしている女に詫びると同時に俺は席を立った。
おやじにつけておいてと言い放ち引き戸を開ける。
「ちょっと、なんなの?」
不満げなのに甘ったるい声を背に、俺は夜の通りに飛び出した。右を見ても左を見ても黒い着物の後ろ姿は見えなかった。屯所は右方向からが近いが、左からでも裏路地を通ればそれなりに近い。だからどちらから帰っても時間はあまり変わらない。二人で飲んで別れる時も、土方は必ずどちらから帰るとは決まっていない。
だから俺は勘にまかせた。左だ。左側の道のほうが街灯が少ないし、裏路地はほんとうに薄暗い。土方はきっと薄暗いなかを早足で、もしかしたら走って屯所まで急いでいるに違いない。
土方は堂々とした男らしいやつだが、拗ねるととことんいじける。暗い部屋の片隅で膝をかかえるくらいはやってしまいそうなくらいいじける。だから拗ねた今の土方は、街灯には出来るだけ照らされたくないに違いないと思ったからだ。
左側の道を少し走ると、案の定急ぎ足の黒い背中があった。じゃりじゃりと砂を蹴って音を立てて土方に近付くと黒くて広い背中が強張ったのが分かった。けれど土方は振り返らない。
「おい、」
黒い肩を掴むと土方はびくりと肩を揺らした。ゆっくりとこちらを向いた顔は強張っている。
「んだよ、離せ」
「なんで」
「さっきの女とよろしくやってりゃいいじゃねーか」
怒りを抑えた、ともすれば震えそうな声で土方が言うのに、俺は掴んだ土方の肩から手を話して笑った。
「冗談だろうが、真に受けんじゃねーよ」
そう言うと土方の顔がいっそう強張って赤くなったが、俺は気付かないふりをした。土方の腕を掴むと、土方はそれを拒もうとしたから俺は腕に力を込めた。
土方は簡単に俺の腕に引かれた。土方の腕を掴んで歩くと、土方も引きずられるようにしてついてくる。抗ってはいるものの、本気で拒めば俺の腕を振り解いて逃げることくらいは出来るだろうにと思うと、頬が緩むのをおさえることが出来なかった。
そのまま土方を引きずり、路地裏に裏口のある、寂れたホテルに入った。部屋に入っても土方は抗って悪態をついていたが、ベッドに引き倒して着物の前を乱暴に大きく開いてやると大人しくなった。
噛みつかれるかと思ったキスも、舌を入れてもぬるぬると絡めてくるばかりだった。
そうだ、あれはただの悪ふざけだった、冗談だったのだ。嫉妬と言ってもあんなのもきっと土方の悪ふざけなのだ。現に俺の手の下で土方の体は仄赤く色づき、艶めかしくいきづいている。
「警護って真選組はどこすんの」
けれど、土方に性器を埋め込み、ひと息つきながら訊くと土方は目を堅くつむって顔を背けた。
「んだよ、しゃべっちゃうと喘じまうって?」







してる間声我慢土方い

その瞬間、土方の裾が翻って頬に衝撃を受けた。
「って……、なにすんだてめ……」
「殴ったんだよ、分かんねーのか」
じゃあな。
そう言った土方は、笑ってはいたが頬が引きつっていた。

俺は殴られた頬をさすりながら、ぽかんと口を開けた。土方がまさかあんなあからさまな嫉妬をしてくれるなんて思ってもみなかったからだ。


おっかけて結局ホテル行ってわかれぎわに殴られたけどにんまり



3日、隊服の沖田に会う。
「おや旦那、えらく男前ですねィ」
「うるさいよ、加賀丈史くん。そういう君は年の瀬にお仕事?ご苦労だねェ」
「総悟です旦那。今年はさんがにち真選組みーんな仕事ですぜィ。ここだけの話幕府の高官が江戸に滞在してるとかなんとかで」
「おいおい、ここだけの話を俺にしていいのかよ」
「だから俺と旦那だけの話ですって」
「軽ィなー総一郎くん。鬼の副長さんに怒られっぞ」
「で、ここだけの話ですがね、」
「なによ」
「その顔、まさかその鬼の副長に?」
「あー?まあ、うん」
「愛の勲章ってやつですかィ」
「まあ、うん、そうっちゃそうね。…なんで分かんだよ」
「30日だったかねィ、その鬼がえらいご機嫌斜めで帰ってきたなーってね」
「あの馬鹿野郎手加減てもん知らねーかんな」
「あの人ァいつでも全力投球でさァ。鬱陶しいぜィ。それにしても旦那がマゾだとは知らなかったや」
「るせー。んじゃな、俺ァ帰るぜー。お仕事頑張ってねー」
「0時であがりですぜ、そんで明日午前中オフでさァ」
「あー?誰が」
「誰でしょうねィ、あ、俺じゃねーですよ」
「ふうん」
手を振って、背を向ける。寒さに背中が丸まる。
「あ、旦那ァ、」
「あァ?」
「今年もよろしく」
「おー、よろしく」
「ついでに鬼もよろしく頼みまさァ」
「おー、言われなくてもー」

没ブログ用 

August 10 [Fri], 2007, 22:30
ドオン。
腹に響く重低音に目をさました。ぼんやりと見える天井は見慣れないものだった。
銀時は目をしばたかせる。ここどこ。いつもの煎餅布団よりいくぶんやわらかいシーツについた手をずらせば、あたたかいものに触れた。
「ん」
うめくあたたかいものは土方で、ここはラブホだ。銀時の記憶が一気に蘇った。
ドオンとふたたび、音がする。


神楽たちはかぶき町の花火大会に出掛けて、銀時はひとりで万事屋のソファで眠っていた。ふと目がさめて、なんだかひとりでいたくなくて、だからと言って神楽たちを追って花火大会に行く気にもなれず、花火大会の催される河原の逆方向に向かうべく、家を出た。
あてはないが、とりあえず飲み屋に入ろうと思っていた。人が多い。みんな目指すは花火大会だろう。
銀時裏道に入る。あれ、見知った黒い制服。
銀時は賭けに出た。
あいつだったら声掛けよう。そんでラブホに引きずり込もう。
まさかそんな偶然、となかば悪ふざけでの提案だったのに黒い制服が、やはり土方だったものだから、銀時は驚く土方の腕を掴んで走っていた。
土方は仕事中だなにやらとわめいていたが、ラブホに着く頃にはおとなしくなっていた。銀時が部屋を選び、ここでいいかときくと、勝手にしろと呆れたような声で返した。

それで今に至る。
二回して、そのまま眠ってしまった。仕事だと言っていた割に土方は目をさまさない。いつもなら飛び起きる筈なのに。
銀時は起き上がり、窓辺に寄る。カーテンを開け、開かない窓から外を見る。
遠くで花火が上がっているのに、ビルが邪魔して花火そのものは見えない。
光だけが見える。
空が閃き、遅れてドオンと重々しい音が追い掛ける。その繰り返しだ。
空が閃き音が追う。
銀時は既視感を覚えた。
「雷みてェだな」
突然隣から声がしたことよりも、心を代弁されたことの方に、銀時は驚いた。
「おお、なんだおめっ」
「音がうるせーから目ェ覚めちまったんだよ」
着流しをはおっただけのなりで、土方は銀時の隣で窓の外を眺めた。指先には煙草があった。
「俺もさー、花火って雷みてェで嫌いなんだよなァ」
閃く空を見ながら銀時は言った。土方は煙草を深く吸い込んだ。
「ああ、俺も嫌いだ。大ェ嫌いだ」
煙とともに吐き出すように土方も返す。その横顔をちらりと見て、銀時は土方に肩を寄せた。土方はなにも言わず、逃げもしない。
ドオンと重い音が体に響く。胃の辺りがずっしりと重く感じる。
重いままに、銀時は土方に顔を寄せた。土方はわずかに顎をあげて銀時に応える。
くちびるを合わせるだけのキスはすぐに離れた。
顔を近付けたまま、銀時は言う。
「仕事じゃねーの?」
「なんだァ?テメーがそんな気遣いするたァ、気味悪ィな」
「あー?だってこんな人出の多い日は警備強化すんじゃねーの?」
「それなら、今日は偉いさんは顔出す予定ねーからな。そんな強化する必要はねーんだ」
土方は少し笑って煙を吐いた。
それにしたって、仕事人間の土方がいつまでもこうしてさぼっていて平気なんだろうか。銀時はおかしく思った。
また空が閃いて、音が追う。
「ほんとは、今日非番なんだ」
土方がぽつりと言った。銀時が土方を見ると、土方も銀時を見た。空の閃きが、土方を染めた。白く、きらめく。
「でも花火鳴ってんのにひとりでいたくなくて、仕事してた」
土方の言葉に、銀時は眉を上げた。
似た者同士だとは知っていたが、ここまで似ているなんて。
銀時は笑った。
「なら仕事すんじゃなくて俺を誘えよ、馬鹿」
そのまま、着流しの襟をつかみ、くちづける。土方はしばらく銀時のくちびるを甘んじて受けていたが、腕をつっぱって、銀時のくちびるをひきはがした。
「テメーはガキ共と一緒だと思ったんだよっ。テメーがもっと馬鹿!」
うっせ、馬鹿! 銀時は言い返して、笑った。

遠い季節 

August 05 [Sun], 2007, 23:04
気になる生徒がいた。
教師になって、担任を持つのは三度目だった。初めての三年だったが、特に気負う事もないと思っていた。三年ともなると、教師が入り込む余地なんかない。ほんの少しだけ手を貸してやればいいだけだ。
土方十四朗の印象はやけに整った子だという事だった。顔だけでなく、体も、整っていると思った。鋭い双眸にすっと通った鼻梁、薄いくちびるにすらりと伸びた首、背筋は気持いいほど伸びている。凛としている。その言葉が驚くほど似合っていた。
けれど、ただそれだけだった。
土方十四朗は特に問題を起こすわけでも、教師を頼ってくるわけでもない。言葉を交す事もほとんどなく、三ヶ月あまりがすぎた。


校庭の西側にある剣道場の前を通った時だった。剣道場をすぎた場所にある焼却炉に用があったのだ。普段は滅多に通る事のない場所だ。
本当に、偶然だった。
何の気なしに道場の中を見た。そこでは対峙が行われていて、黒い袴に目を奪われた。
すらりと伸びた背筋は剣道の見本姿勢のように正しかった。纏う緊張感で空気が張りつめている。踏み込みと竹刀の一閃で張りつめた空気が一瞬で散った。真っ直ぐに持たれた竹刀の剣先も真っ直ぐに対峙する相手を捉えている。足捌きも美しく、体勢も揺るぎない。
銀八も学生時代、剣道をしていた。対峙してみたいと思った。けれど、そう思う事がおこがましいと思えるほど、黒い袴は理路整然として、美しかった。
互いに一礼し、対峙は終わった。
銀八は立ち止まったまま、黒い袴を見ていた。
面を取り、ふうと息をついた黒い袴は、土方十四朗だった。
ほほが紅潮して、汗のせいか艶めいて見えた。そして、汗を拭い、視線に気付いたのか、開け放たれた扉の前に佇む銀八を見た。
銀八は怯みそうになるのをぐっと堪え、知らず喉が鳴った。
鋭い双眸にすっと通った鼻梁、薄いくちびるにすらりと伸びた首、背筋は気持いいほど伸びている。
その瞬間、銀八の中で土方は、昨日までとはその存在を全く変えてしまった。


二ヶ月後、国語準備室から見える非常階段に銀八は人影を見付けた。翌日の授業の資料をひととおり揃えて、もう帰ろうとカーテンを閉めようと窓際へ寄った時だった。
非常階段を上りきると、屋上へと着く。屋上は立ち入り禁止となって、立て看板がしてあるが、錠が壊れ、それが形ばかりだという事は知られている事実だ。だが、生徒の非行の面でも我校は寛容なようで、フェンスが高く張り巡らされていて安全性には問題がない事から錠は壊れたまま、放置されている。
銀八は、人影を追ってみようと思った。カーテンを閉めて、帰り支度は中途のまま、準備室を出た。
今までも人影を見た事はあったが、銀八は知らないふりをしてきた。けれど今回は追わずにいられなかった。人影は、土方だったからだ。
廊下にひと気はなかった。下校時刻まではまだ少しあるが、残っているのは部活動のある生徒ばかりで、今は部活動の最中だから、校舎には生徒自体ほとんどいない筈だ。
土方の姿はもう見えなかったけれど、銀八は屋上を目指して非常階段を上った。
壊れた錠は、あたかも鍵をかけているかのように、屋上の扉のノブを戒める鎖にぶらさがっている。それは捻ると簡単に開いて、銀八は屋上のコンクリートに立った。少し風が強い。銀八の白衣がはためいた。
見渡す屋上には、誰もいない。銀八は屋上を進む。屋上には小さなボイラー室があって、扉からはその裏が死角になっている。いるなら、そこだろう。いなければ、それでいい。
銀八は煙草を取り出し、火をつけた。煙が風に流れていく。銀八は、ゆっくりボイラー室へと向かう。
煙を深く吸い込み吐き出す事と、ゆっくりと歩く事で、銀八は気持ちを落ち着かせる。気配と足音を消し、なにごとが起こっても、表情を変えないように努めながら、ボイラー室の裏へとまわった。
そこには、銀八が思ったとおり、土方がいた。
「なーにしてんだ、お前」
平静を装って銀八が言うと、土方はびくりと体を揺らした。目を見開き銀八を見るその指先には煙草があった。フィルターの茶色い煙草だ。
土方は煙草をコンクリートに落とし、上履きで踏みつけた。細い煙が上がって、火が消えた。
「今更消しても、見ちゃったよ、先生」
自分が教師だと強調して銀八が言うと、土方は双眸を揺らした。




喫煙現場おさえて言うこと聞かせた
人に言ってもいいけど恥ずかしいのはお前じゃねぇ?
男に犯されましたって
言ってもいいよ
罵ってほしいのに土方はなにも言わない
放課後に銀八が呼び出せばすぐ来る
銀八土方いじめる
言葉攻め?つか責め。
男に犯されて嬉しいんだろ、お前。剣道部の副主将が、風紀委員副部長が、いつもすました顔したお前は、俺にこうしてつっこんでほしかったんだろに

どう考えても明るみに出て不利なのは銀八だ。未成年略取、淫行、きりがないほど罪状はある。
けれど土方はなにも言わなかったし、銀八のもとにはいくら待っても教育委員会も警察も来なかった。来るのは、土方だけだ。
なんで来るの。
先生が言ったから。
なんで俺が言ったからって来るの。
わずかに期待をこめて聞いた。土方はほんの一瞬だけ双眸を揺らした。真っ黒な土方の眼は底深い湖のようだった。
内申書に、響くんでしょう
うん、そーね

星空のむこう 

July 27 [Fri], 2007, 0:41
遅くにかぶき町のはずれに呼び出された。
万事屋の電話が鳴り、こんな時間にと出てみれば、よく知った低い声だった。うちの番号を知っていた事に、驚いた。
告げられた橋の袂に下りると、黒い髪と黒い着物を夜の闇に溶かすようにして、土方はそこに居た。
「どした」
聞いてみるが、本当はわかってる。
一年前の今日、土方の初恋の相手が亡くなった。綺麗な女だった。顔を合わせれば喧嘩ばかりしている憎たらしい土方の好みはこんななのかと思ったのを覚えている。ただ、それだけだった。
少しの時間しか共にしていないが、ミツバはいい女で、こんな女に惚れられた土方は、俺にはただ憎たらしいだけにしか映らないが、それなりにいい男なんだろうと思った。
ミツバが亡くなって、死にめを看とることもせず、病院の屋上で、土方は泣いていた。土方の気持ちはミツバに届いただろうかと気になった。肩を震わせる背中を見ていると、届いてほしいと思ったが、俺がそんなことを願うのは無粋だと気付いて、考えるのをやめた。
肩を抱きたいと思った。少なからず弱っている土方は、俺の手をふりほどいたりはしないだろうと思ったが、土方はそんな弱い奴じゃないと自分を制止した。本当は、拒まれるのが怖かった。
不謹慎だが、土方の初恋が悲恋として幕を閉じたその日に、俺は土方に恋をした。
「飲まねェか、奢るぜ」
闇夜に煙草の火が浮かんでいる。
店の灯りも月の明かりも届かないこの場所では、土方の表情は窺えない。声は、普段より少しやわらかい気もするが、最近では珍しい事ではないから、やはり、声でもなにも窺えなかった。
「マジでか。行く行く」
暗がりから、明るいところに出たから、眩しくて、目をしばたかせる。横目で土方を見ると、眉根を寄せて、俺と同じように目をしばたかせた。
どこへ行くかと聞くと、適当にその辺に入るかと返ってきた。その顔は、もう目も慣れたのだろう、いつものふてぶてしいとも思えるものだった。


ふたりで逃げねェ?
なんだそりゃ、オメー
駆け落ちしようよ
かけおち?
俺たちのこと、誰も知らないところにさ
んだよそれ、ふざけ…
ふざけてねェよ。
土方の手を取ると、土方は俺を見上げてきた。その目を覗き込む。土方は目をそらそうとしたから、土方の手を握るのに、力をこめた。
なに…
手を握ったまま、顔を近付けると土方は目線を俺からそらした。
くちづけると、土方はびくりと体を揺らした。まるで生娘みたいな反応に驚きながらも舌で土方の閉じたくちびるをなぞる。初めてキスした時だって、今よりもっと力を抜いていたのに、今の土方はいったいなんだ。
くちびるを離して、覗き込むと、土方は双眸を揺らめかせた。
俺と逃げてくれる?
…お前んとこの…あのガキどもはどうする
子供は親ばなれする時が来んだよ、だからいーの。お前は?

真選組を捨てられる?
…む、り
沈黙ののち、土方は絞り出すように言った。
「捨てない」
双眸には、揺らぎはなかった。
生娘のようだった顔は、普段のふてぶてしい、鬼の副長に戻っていた。
自分でも本気か冗談か分からないままに土方に答えを委ねてみたら、こう返された。振られたのに、悪くない。むしろ、清々しかった。頼もしくて、嬉しかった。
思わず、笑いが漏れる。
「は、ははは」
「なんだよ気持ち悪ィな、突然」
「どうしよ、我慢出来ねーんですけど」
「あ? なにが」
「勃起しちゃったんですけど」
「どこに勃起する要素があったんだよ、今の会話でェェ!」

銀さんの強引さに流される土方。

土方の意思の強さなら、つっぱねることも容易だろうに、土方は俺を受け入れてくれるのが、嬉しい。流されるふりをしながらってのがなんともずるいとも思うけれど。


した後


星きれい
「昔俺の先生がさァ、ひとは死んだら星になるって言ってたなァ」
「星?」
「そー、斬ったはったの侍がさァ、そんなさァ、先生、とんだロマンチストだなァてガキの頃は思ったんだけどさァ」
今は柄にもなくそうかもしれねーって思う
「とんだロマンチストだな」
「も少ししたらお前にも分かるようになるよ」
「ガキ扱いかよ、テメー」
そう言うが、星空を見上げるその目は優しく、そして少し寂しそうだ。
すごく妬けるけど、妬かない。
「斬った相手も星になってんのかよ」
「そうなるわな」
「物騒な星空だぜ」
苦笑い
「でも懐かしいひともいんだぜ」
「かもな」
「なァ、あの星空まで逃げようか、一緒に」
「またかよ。つーか心中じゃねーか、馬鹿野郎」
「心中かよ。物騒だな土方くん」
「てめーだろーが」
肩を寄せると、土方が顔を寄せてきた。そのままくちづけると、土方はゆっくり目をつむった。
星が落ちてきそうな、夜だった。

歯の衛生週間 

July 26 [Thu], 2007, 20:55
そんなら心配いらねーよ。銀さん虫歯出来ねーの。
あァ? なんだそりゃ
だって銀さん親いねーし。見てみ。
銀時は口を大きく開き、28本の歯を見せる。
銀時の歯並びはきれいに整っていて、以外と小さい白い歯。前歯の裏にも奥歯にも治療あとは見付けられなかった。
3歳まで虫歯ねーと一生出来ねーんだってよ
つまり3歳まで口ん中に虫歯菌がねーなら虫歯は出来ねーって事
へえ

孤児なのか

考えてみれば銀時の事をほとんど知らない。孤児というのも、たった今知った。銀時も俺の事をほとんど知らない筈だ。たった今、気付いた。

ほんとの気持ちもよく分からない
好きだと言うがそれはどのくらいかとか分からん
想いを測るつもりはないが、自分の気持ちは分かってる分、銀時の気持ちが気になるのは事実。

知りたいと思う。いろいろ。過去の事は話したくないのなら、いらない。土方も話したくないことはある。

「俺は武州に母親がいる」
つい口をついて出た言葉は、ひどく白々しくて自分で驚いてしまった。いや、母親を残してきているのは事実だが、タイミングがおかしい。
でも知ってほしくて、言って、銀時の目をじっと見た。銀時はへらりと笑って、じゃあ仕送りとかしてんだ、偉ぇーなーと言った。おめーは高給取りだかんなー、銀さんなんて自分の暮らしもままなんねぇっつの。あ、なんか言ってて空しくなってきた…いや、空しくなんてねー空しくなんてねーよ。ぶつぶつ
てめーも働けってんだ
働いてるよー今もほら、土方くんにご奉仕しようとしています。
んだそりゃ
だってお前、ヤベーよ。なんなんだよいったい
なにが
お前今どんな顔してっか、分かる?
分かんねェェよ!んだよなんだよ!
俺ももっとよく知ってほしいから知ってほしいから!
がばー!

いやいややっぱもういい!知ってるからもういいからァ!
違うって、ばっか、おめー、いっかいしてから、いっかいしてから!
なんでワンクッション入れんだよ!今話せ今!
てめーはこんな状態の人間とまともに話せんのか、海綿体が充血しまくってカッチンカッチンの人間とまともに話せんのか!
カッチンカッチンてテメー、見栄はってんじゃねー!
はってねーし!見てみ!テメーコラ、カッチンカッチンじゃねーか、釘も打てるわ!
んなら釘打ってこいよ!

歯の衛生週間 

July 25 [Wed], 2007, 22:30
お前歯磨いてなかった?
磨いたよ
甘ェんだけど。なんか食ったろ。
あー、うん、いちご牛乳飲んだわ
ちゅう
あめーな。てめ、もいっかい歯磨けよ。俺ァ、虫歯の相手すんのは御免だぜ
そんなら心配いらねーよ。銀さん虫歯出来ねーの。
あァ? なんだそりゃ
だって銀さん親いねーし。

3歳まで虫歯ねーと一生出来ねーんだってよ
つまり3歳まで口ん中に虫歯菌がねーなら虫歯は出来ねーって事
へえ

孤児なのか

考えてみれば銀時の事をほとんど知らない。孤児というのも、たった今知った。銀時も俺の事をほとんど知らない筈だ。たった今、気付いた。

「俺は武州に母親がいる」
つい口をついて出た言葉は、ひどく白々しくて自分で驚いてしまった。いや、母親を残してきているのは事実だが、タイミングがおかしい。



ちょおま、ヤベーわ。なにそれ
なんだよ
なんでそんな顔すんだよ、誘ってんのか誘ってんのか!おめーはいったいなんのつもりだよォォ!
てめーがなんのつもりだァ!

(無題) 

July 16 [Mon], 2007, 2:39
雨=髪くりんくりんになるし、嫌い



夢見が悪かったのがいけなかった。
白銀の軌跡を目で追う間もなかった。瞬けずにいた双眸に映ったのは、めぐる空、江戸の街、そして、折れた俺の刀。
衝撃はさほどなかった。折れた刃が足場の屋根瓦に硬質な音を立てて落ちる。 死んだ魚のような目に戻った坂田銀時が俺を見る。
「はァい、終了ォ」


目が覚めてからも苛々はおさまらなかった。顔を洗おうと襖を開けると、総悟がいた。
いつものようになにか仕掛けてこようとしていたんだろう、俺を見るなり、腕を素早く後ろに隠す。
「なァにやってんだ…」
「ハァ…、なんで今日も目覚めちまったんですかねィ。…おはようございます、土方さん」
「聞こえてんだよ、総悟、テメー!」
拳を振り上げた瞬間、総悟は身を翻して素早く目の前から消えてしまった。

んにやられる土方。ちくしょうかなわねえ。いつもへらへらと締まらねえつらしやがって。せめて苦しむ顔が見たい。

よろずやに訪ねてく。休息日。運よくガキ共は銀時とは別の仕事らしく(犬探しとか)いない。銀時だけ。
誘う。は、なに、お前なにが言いたいの。
えっちする。
銀さんの顔。こめかみに汗がにじんでる。眉が寄せられてる。眉間にしわ。苦しそうな顔。やったぜ、これが見たかった。

終わって。
土方くーん、いったいどういう風の吹き回し?土方くん、けつですんの好きになっちまったの?気持よくなれちまった?
なるかよ。…内臓引きずり出されるみてーで気持ち悪ィ。散々だ。
だろーね、お前さあ、うめき声しか出さないもんねえ、無粋だよ、きみ。あえぎ声のひとつでも聞かせてよ、銀さんにさ。この際天城越えでもいいからさァ。
うるせェェァ! へらへらしてんじゃねー!俺ァ、てめえのそういうとこむしずが走んだよ。
つれなーい、土方くん。…ま、すんごく美味しくいただいちゃいましたけど。
銀さん満足そうな顔。土方気付く。
つーかあれただ気持いい顔じゃねーか俺のばかやろう!
2009年03月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:tamamizu
読者になる
Yapme!一覧
読者になる