小鳥と木 

2008年11月28日(金) 18時34分
「ねぇねぇ、木さん」
小鳥が木に話しかけました。
「なんだい?小鳥さん」
「空はどうしてこんなに高いの?空を飛び回ると気持ちいいの。でも私や他の鳥さんたちだけのためじゃないよね?」
木は空を見上げ、少し考え、そして答えました。
「そうだね。太陽さんができるだけ遠くまで照らせるようにじゃないかな?」
「そっか!ありがとう、木さん」
そう言うと小鳥は飛んで行ってしまいました。

次の日、また小鳥は木のところに飛んできて、枝にとまりました。
「ねぇねぇ、木さん」
「なんだい?小鳥さん」
昨日のように小鳥が木にたずねました。
「どうして夜は暗いの?私、真っ暗なのが怖いの。ずっと太陽さんが照らしてくれてたらいいのに」
木は目をつむり、少し考え、そして答えました。
「それはきっと太陽さんが地球の裏側のみんなを照らしに行ってるからだよ。真っ暗になったら太陽さんが照らしてる地球の裏側のみんなを想像してごらん」
言われて小鳥は目をつむり、そして太陽に照らされてる地球の反対側のみんなを想像しました。
ぱっと目を開けて小鳥は嬉しそうに言いました。
「なんだか嬉しい気持ちになったわ。もう夜が怖くなくなりそう。ありがとう、木さん」

次の日、また小鳥は木の枝にとまり、木にたずねました。
「ねぇねぇ、木さん。地球の反対側ってどうなってるんだろう?」
木は遠くを見て考えました。しかし、考えても考えても答えは浮かびません。
「ごめん、小鳥さん。僕はここから動けないから想像もできないよ」
木は少し寂しそうにそう答えました。
「へぇ、木さんにもわからない事もあるんだね」
「それはいくらでもあるさ」
二人は一緒になって笑いました。

次の日も、また次の日も、小鳥は毎日のように飛んできては木に質問しました。
小鳥には木の答えが正しいのかわかりません。でも小鳥は木の答えが大好きでした。
木も自分が常に正しいと思ってるわけではありません。でも動けない自分の代わりに色々見てきてくれて、色々な疑問を持ってきてくれる小鳥の質問に答えるのが大好きでした。

ある日、いつもとは逆に、木が小鳥に質問しました。
「ねぇ、小鳥さん」
「なぁに?木さん」
「小鳥さんは空を飛ぶ事が怖くないの?僕は怖い。いつか君が・・・。ずっとここにいれば安全だよ?」
小鳥は少しうつむき、考えました。
「きっとここにいれば幸せだと思う。ずっとずっと木さんとおしゃべりできて、楽しいだろうなぁ。でも、木さんが動けないから私が色んな事を見て、木さんに話して聞かせてあげたいの」
「・・・そう、ありがとう」
木は悲しげに微笑みました。

それからしばらくして、小鳥は木の元へこなくなりました。
何日経っても小鳥は飛んできません。
大きな鳥に襲われてしまったのか・・・
他の木の元へ行ってしまったのか・・・
それとも地球の裏側を見に行ってしまったのか・・・
木にはその答えはわかりません。
ただ、木は泣き続けました。
ずっとずっと泣き続けました。
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