(1) 因果の道理 

April 28 [Mon], 2008, 12:09
(1) 因果の道理

「過去の因を知らんと欲すれば、現在の果を見よ。未来の果を
知らんと欲すれば、現在の因を見よ」
                     (因果経)

 世の中を眺めれば、何と不平等なことなのか。
 長命な人、短命な人、剛健な者、虚弱な者、美しい人、醜い
人、賢い人、愚かな人、完全な身体の者、不具の者、善い条件
の揃った人、悪い条件の重なった人……等々。
 人間は平等でなければならないと思うのに、なぜ、こんなに
差別があるのか。
 全智全能の神がいて、その支配を受けていると考える者が多
いのも肯ける。
 しかし一切は、己が心の中に記録した原因が、毎日現われて
くるのである。
 善因善果、悪因悪果、自因自果の厳然たる因果の道理に支配
されているのだから、己の種まきに恐れ入るよりほかにないの
だ。

(2) 先祖 

April 28 [Mon], 2008, 15:44
(2) 先祖

「心常念悪 (心常に悪を念い)
 口常言悪 (口常に悪を言い)
 身常行悪 (身常に悪を行い)
 曾無一善」(曾つて一善も無し)
                   (大無量寿経)

 人間の実相を喝破なされた釈尊のお言葉である。
 三十代さかのぼった我々の先祖の数は、地球上の全人類に匹
敵する。
 これらの中には、善人もいたろうが、石川五衛門のような悪
人もあったろう。
 倫理や道徳から言っても、先祖がすべて尊敬の対象になる筈
がないのだ。
 ましてや、微塵の悪も見逃さぬ仏眼から見た先祖においてを
や、である。

(3) うぬぼれ 

April 28 [Mon], 2008, 15:45
(3) うぬぼれ

「慢、過慢、慢過慢、我慢、増上慢、卑下慢、邪慢」
                      (七慢)

 仏教では、修行者が百八の煩悩の中でも、最後まで苦しむの
は、食欲でもなければ色欲でもなく、それは慢(うぬぼれ)で
あると説く。
 私は、顔の色は黒いけど、鼻が高いから。
 色は黒いし鼻も低いが、口が小さいから可愛いだろう。
 私は、口が大きいけれど、色白だ。色の白いのは七難かくす
と言うから。
 オレはソッ歯だけれど、漬物食うのに都合がよいわい。
 オレは学問はないけど、働きもんだと言われている。
 仕舞いには、なんにもできんもんだけど、素直な奴だとみん
なから言われているから、と安心する。
 この慢がある以上、どんな善行をしても、相手がうっかり、
“ほめもせず”“感謝もしない”と途端に腹が立つ。
“修善も雑毒なる故に”の聖人の悲痛な叫びが聞えてくる。

(4) 万人の真実 

April 28 [Mon], 2008, 15:46
(4) 万人の真実

「一切の群生海、無始より已来、乃至今日・今時に至るまで、
穢悪汚染にして清浄の心なく、虚仮諂偽にして真実の心なし」
                 (教行信証信巻)

“悠久の先祖より無窮の子孫に至るまで、人間のすべては、曾
無一善であり、一生造悪であり、罪悪深重である。
 しかも、無慚無愧であるから地獄一定であり、必堕無間であ
り、出離の縁あることなしだ。
 これに例外はあり得ない”
 最深の意味で、一人は万人であり、一は一切である。
 一人の上に突き止められた真実は、即ち万人の真実であり、
一の上に体験さるる究竟の真理は、即ち一切の上に体験さるべ
き究竟の真理なのだ。
 親鸞聖人は、自己の真実を通して万人の真実を読み、一身の
真理に即して、一切の真理を道破されたものである。

(5) 悪魔 

April 28 [Mon], 2008, 15:47
(5) 悪魔

「自身はこれ、煩悩具足せる凡夫、善根薄少にして、三界に流
転して、火宅を出ずと信知す」
                    (往生礼讃)

 大心海化現と、親鸞聖人が仰がれる、善導大師の告白である。
 人間は、欲や怒り、腹立ち、ねたみ、そねみの絶えぬ悪性な
者と思っていても、他人の金品を盗ったこともなければ刑務所
に行ったこともない。
 そんな自分が、大宇宙一番の悪魔とはツユほども思ってはい
ない。
 それくらいの程度では、誰も、善導大師の真意は読めぬ。
 煩悩具足の凡夫と心得てはいても、ツユチリの疑いもなく、
助かる縁の永久になき極悪人と信知するは稀である。
 吾子に悪魔と名付けて、世間を驚かせた親がいた。
 自身が、三千世界随一の悪魔だったと信知させられてのこと
ならば、極めて有難いことではなかろうか。

(6) 有無同然 

April 28 [Mon], 2008, 15:52
(6) 有無同然

「田あれば田を憂え、宅あれば宅を憂う。牛馬・六畜・奴婢・
銭財・衣食・什物、また共に之を憂う。有無同じく然り」
                   (大無量寿経)

“有れば有ることで苦しみ、無ければ無いことを苦しむ。
 有れば有ることで憂い、無ければ無いことを憂う。
 親・兄弟・妻子・田畑・財宝・金・名誉・地位など、それは
一切に通ずる。
 故に憂いは、有る者も無い者も同じなのだ”
 釈尊の、人生の手段と目的を峻別する、二千六百年前の道破
である。
 苦しむ為に生きる人など何処にもいない。
 政治経済科学医学芸術等、人間総ての営みは、無から有への
努力に他ならぬ。
 それが唯一の人生と疑わぬ人々には“有無同然”は狂人の寝
言にすぎないだろう。
 だが、この真実が受領されぬ限り全人類は、“人の一生は重
荷を背負うて”の家康の悲劇を、永久に繰り返す他はないのだ。

(7) 後生の一大事 

April 28 [Mon], 2008, 15:53
(7) 後生の一大事

「呼吸之頃即ち是れ来生なり。一たび人身を失いぬれば、萬劫
にも復らず。
 此の時悟らざれば、仏、衆生を如何したまわん。
 願わくは深く無常を念じて、徒に後悔を残すこと勿れ」
            (教行信証行巻)

 一息つがざれば後生である。永遠のチャンスは、今しかない。
只今救われねば、永久に後悔する後生を迎えねばならぬ。
 永久に後悔する後生を一大事という。この一大事の解決を急
げ、との御文である。
 死んで極楽へ往くことが後生の一大事だと言う人がいる。
『教行信証』の御教示が知られていない。

(8) 急ぐこと 

April 28 [Mon], 2008, 15:54
(8) 急ぐこと

「善従申され候とて、前住上人仰せられ候。
 ある人、善従の宿所へ行き候ところに、履をも脱ぎ候わぬに、
仏法のこと申しかけられ候。
 又、ある人申され候は、履をさえ脱がれ候わぬに、急ぎ斯様
には何とて仰せ候ぞと、人申しければ、善従申され候は、出ず
る息は入るをまたぬ浮世なり。
 若し履を脱がれぬ間に死去候わば、いかが候べきと申され候。
 ただ仏法の事をばさし急ぎ申すべきの由仰せられ候」
                  (御一代記聞書)

 阪神大震災で亡くなった人、サリンの犠牲になった人、ソウ
ルのデパート事故で圧死された人。あの日の朝、今生最後の覚
悟で食事した人があっただろうか。
 まさに、朝には紅顔あって、夕には白骨となる身である。
 だれの人もはやく、後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏を
深くたのむ身に急がねばならぬ。

(9)後生の苦 

April 28 [Mon], 2008, 15:55
(9)後生の苦

「定水を凝らすと雖も識浪しきりに動き、心月を観ずと雖も妄
雲なお覆う。しかるに一息つがざれば千載に長う往く。
 何ぞ浮生の交衆を貪って徒に仮名の修学に疲れん。すべから
く勢利を抛って出離をねごうべし。」と。
                     (歎徳文)

「『仏法には世間の隙を闕きて聞くべし。世間の隙をあけて法
を聞くべきように思うこと、浅ましきことなり。仏法には明日
ということはあるまじき』由の仰せに候。
『たとい大千世界に、満てらん火をもすぎゆきて、仏の御名を
聞く人は、ながく不退にかなうなり』と『和讃』に遊ばされ候」
                   (御一代記聞書)

 眼先の欲に狂わされて、生死の大海の暴風雨には驚きを立て
ず、後生菩提に真剣に取り組む人がない。
 世間の苦しみはあっても、一大事の後生が苦になって、求道
している者は稀である。

(10) 人生の目的 

April 28 [Mon], 2008, 15:56
(10) 人生の目的

「人身受け難し、今已に受く。
 仏法聞き難し、今已に聞く。
 この身今生に向って度せず
 んば、さらにいずれの生に
 向ってかこの身を度せん」
          (釈尊)

 釈尊が弟子達にこう尋ねられたことがある。
“たとえば大海の底に盲亀がいて、百年に一度海面に浮び上る。
海面には真中に穴のある丸太棒が一本浮遊している。
 百年に一度のチャンスに、丁度、浮木の穴に盲亀が頭をひょ
こっと出すことがあろうか”
“さようなことは考えられません”
 側近の阿難が答える。
“絶対、無いか”
“絶対とは申しかねますが……”
と口を濁すと釈尊は仰有った。
“盲亀が浮木の穴から頭を出すことは、限りなき歳月のうちに
は全く無いとは言い切れぬ。しかし、人間に生れることは更に
有ることの難い、有難いことなのだよ”
と、人生の目的の如何に崇高で尊厳なことを教えられた。
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