ある業務日誌 4

November 04 [Tue], 2008, 14:13
「あの…」
背後からの声に振り向くと、女性が立っていた。黒い髪を肩まで伸し、赤いフレームのメガネを掛けている。
身体つきはスリムと言うより単純に痩せすぎな様に見えた、背は俺より頭ひとつ分小さい。

「生活向上委員会の方…ですよね?」
「あ、はい、わたくしヤマグチと申します。この度のご依頼に全身全霊でもって誠心誠意対応させて頂きます!」


この口上はお決まりのようなものだ。依頼が草むしりだろうが、紛争地帯からの人命救助だろうが、生活向上委員会の人間は必ず宣言しなければならない。

実を言うとこの口上が格好良いと思って、ここに就職した様なものだ。

「しかしよく私が委員会の人間と判りましたね?」

何の気なく尋ねただけだというのに、彼女はひどく驚いて俺の顔を見つめた。

…ように見えたのだが次の瞬間には驚いた表情は消え去り。

「あの…ハタケさんから伺っていましたから…ここではなんですから、どうぞ、お入り下さい」

彼女はそう言って俺を『何故か帰りたく無い家』へと招き入れた。

プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:T山
読者になる
2008年11月
« 前の月  |  次の月 »
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
最新コメント
Yapme!一覧
読者になる
P R
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
http://yaplog.jp/t-jiro/index1_0.rdf