1:学校 

July 15 [Sun], 2007, 23:05
チャイムが鳴った。
かばんの中から弁当を取り出す。弁当の中身はいつもの卵焼きが入っている。卵焼き嫌いじゃないんだけどな。弁当はいつも味気ない。


いつも俺は弁当を食うときは一人。
っうかいつも一人。
俺はクラスのやつらなんかとはしゃぐ気にもなれないし、なりたいとも思わないから。
クラスのやつが馬鹿笑いしてるのを見ると、くだらない、と思う。だから自分は友達もいない。
俺にも中学生のころまでは友達もいた。
なんつぅか・・・もういろいろと人間関係がめんどくなってきて、おれは孤独になった。
自分がそれを望んでるし、クラスのやつも俺にかかわらないのを望んでいる。
だからべつにいいとおもう。

クラスの女子も男子も自分に話しかけることはあまりない。
多分俺が呼ばれるたびににらむからだろうけど。まぁもともと目つきが悪いからにらんでるように見えるのだと思う。だから俺は孤独になってもいじめられることは絶対にない。
ただ、確実に避けられている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ため息をついて、空の弁当箱を乱暴にかばんの中にしまって、つぎの物理の準備をした。
移動教室に行くときは、皆が行くほうの反対側から行った。とにかく一人になりたかった。一人になって、クラスのやつらの歩く廊下を歩きたくはなかった。
教室に入った。
クラスのやつらが騒いでいる。
その声がいやでも耳に入ってくる。
「・・・え?ケンカしちゃったのぉ?大丈夫だって。彼やさしそうだしっ。それに美奈子ならすぐ仲直りぐらいできるってぇー。そんでさ・・・」
他人の恋愛事情なんかどうでもいいな。
っうかどうやってそんなんで普通にもりあがれるわけ?
女子たちのテンションの高さには正直引く。

でもやっぱ話す人がいないとこういうときにはひまだな・・・。だけど・・・自分の為だけに人と付き合うっていうことが許せない。だから友達ができないのかもしれない。
だけどだからと言って仲間がほしくないわけでもない。だけど自分の孤独感を埋めるためだけにある仲間なんて仲間じゃないしな。

そんなことを考えているとチャイムが鳴って教師が来た。
はぁ・・・・・・・・・・・・・・・今日は何するんだろ・・・
とおもいながら
少し眠たくなってきた。


チャイムが鳴ってからいきなり眠たくなるんだよな・・・・・・・・・

2:あのころ(1) 

July 15 [Sun], 2007, 23:34
何分ぐらいたったかな・・・けっこう今日は寝てしまった。
頭がおもたい・・・

重たい頭をなんとか起こそうとしてたら、机のあるとことろに目が行った。
たくさんの落書き。
いままで知らなかった。こんなに落書きがあったって。物理の教室の机は横に長くて、黒かった。だからシャープペンシルの字も目立たないから、馬鹿なやつらがふざけて書いてるんだろう。
くだらねぇ。
そう思いながらも自分でなぜかシャープペンシルを握っていた。相当暇だったのかな。
端からみてみる。
「3−2の華月さん、すきです!」
「サザエさん〜〜〜」
「RAD大好き!」
とまぁいろんなことがありとあらゆるところに・・・
ん?なにこれ?
「た す け て」?
少しかすれてるけど、確かにそうかいてあった。
どうしたんだろう。
まぁこんなの遊び半分で書くやつなんかいっぱいいるだろうな・・・
と最初思った。
だけど・・・
俺はなぜかそのかすれた文字が何かを訴えかけているようにしか見えなかった・・・。

2:あのころ(2) 

July 16 [Mon], 2007, 11:19
気づけば自分はそこに
「大丈夫か?」
と書いていた。
あんまりあれこれ自分が書かなかったのは・・・
たぶんあれだな、
なんかこう・・・もし「たすけて」と相手が本気で書いてなかったら恥ずかしいと思ったからだろう。

でもやっぱり気にせずにいられない。もう少し書こうか。
いややっぱやめとこ。

その授業の間中、ずーっとこの落書きの相手のことばかり考えてた。

女かな、いや、この文字で判断するのはむずい。
何で助けてほしいんだろ。
テストの点数やばかったとかかな。
ははっ。
そしたら相当馬鹿らしいな、おれ。
でもそれもありえるかもなぁ・・・・・・

でも・・・なんかこう。なんか違う。
ほんとに深刻そうな感じがする。
この字だけ重みがある。

何があったんだー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「・・・やした・・・・・・宮下!聞いてるのか。答えなさい。」
俺が教師の山本に当てられたのは、二回目の睡眠に入ろうとしているところだった。


「えぇ・・・むにゃ・・・・・・わかりましぇん。」
うわっやべぇ。変な声がでた。はずっ。
「もう後すぐで大学入試なんだぞ。なに寝ぼけてるんだ。」
しかも短い説教が・・・相当恥ずかしいな、これ。
っていうか・・・大学入試か。もうすぐでっつってもあと二年あるけど。
でも俺も一応あせってはいる。

こういうときにあのころに戻りたい・・・・・・と思う。
小学生のときに。
小学生なんからくだよな・・・・・・
俺も小学生のときは。
楽しかった。

麻美と達也元気かな・・・。

おれが小学生のころの友達とは、いまは音信不通だ。
達也は多分家が2キロくらいしか離れてないし、会おうとすれば会えるけど。
麻美は引っ越したって噂があったしな。しかも二人とも一つ下。
そんなことを考えていると、もうチャイムは鳴っていた。

3:交換 

July 16 [Mon], 2007, 23:40
また物理の教室の机に言葉を書きたすのは、俺がもうその落書きを忘れかけている時だった。

珍しくまじめにノートをとっていると、机に書かれた落書きが目に入った。
あぁ、この前のやつのへんじあるかな。
この前書いたあたりのところを探してみる。
あったあった。近くにまた落書きが。
かすれていて見えにくい・・・これ男が書いてんのかな、それとも女?
えっと・・・
「大丈夫。何年?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだよっ。
なんか・・・大丈夫だったのかよ。まぁ大丈夫に越したことはないけど・・・
だけど・・・心配してたのに・・・たいしたことなかった・・・

でも・・・・・・この前クラスの女子もなんか言ってたっけ。
「落書きしてたら返事が来たよー。うれしー。」
とかって。
そん時は俺もばからしいと思ったけど。
なんか今はあの女子がわかる気がする。
俺ももっと素直にならなきゃな。

なんかかこ。
うぅんと俺二年生だったよなー。
おれはそこにこう書き足した。
「俺は一年。そっちは?っつうか男女どっち?」

4:小倉 

July 19 [Thu], 2007, 0:01
それから何ヶ月かたったある日。
物理教室の落書き相手とも、色々な会話が弾むように(?)なった。
相手は「女子」ということしか分からなかった。
何年?と聞いてもなぜか教えてくれない。
なぜ「助けて」と書いたのかも教えてくれなかった。
それでも物理の時間はその落書きを見るのは楽しみになっていた。
「山本って先生さ、怒るときにぜったい[けしからん]っていうよねぇ。」
とか。
まぁくだらないけど。
はははっ。

落書きはしだいに長くなって、机にはなかなかたくさん書けなくなって最近はルーズリーフを机の引き出しの中に入れて、それを使って、いろいろなことを互いに書いている。

今日は何が書いてあるかな。

引き出しを、先生や隣に座っている同じ班の奴にばれないように開ける。
クラスの奴に俺がこういうことしてるのばれたら、多分すごい恥ずかしい。
だから極力ばれないようにがんばっている。

・・・・・・・・・・・・・・・何でここって長机なんだろう。
実験しやすいからかな。
でも俺はこの長机が嫌いだ。
なんか隣のやつが以上に話しかけてくる。
名前なんだっけ、こいつ。
たしか小倉悠斗とかいう。
やだなぁ。
この前授業中ねてたら横から
「まぁまぁ寝なさんな、山本が悲しんでるよ。ほら、あの垂れた眉毛見てみ。かわいそうだろ?そしてなんかかわいいだろ?ちなみに俺は山本の授業だけは寝ないことに決めてる。」
つって。
うぜぇー。
しかも自分で言って超爆笑してるし。
きもいわー。
小倉悠斗は、このクラスでうるさい奴らとよくつるんでいるまぁ俺の嫌いなタイプ。
なんかよく絡んでくるんだよな、最近。

5:危機 

July 20 [Fri], 2007, 10:15
今日は日直だったので、よくわからない資料をホッチキスでまとめる仕事をしなければならなかった。
はぁ・・・・・・すごい時間かかりそうだな。
教室で一人になって、黙々とホッチキスをとめていく。
なかなか落ち着く。
よしっがんばろう。
教室にホッチキスの音が響く。
カチャッ
カチャッ
窓から心地よい風が入ってきて本当に気持ちがいい。
・・・やっぱり一人がいいよなぁ。
そう思ってたときだった。
かなりうざい邪魔が入った。
・・・小倉・・・・・・
「宮下!」
なんだよ・・こっちがせっかく気持ちよさそうにしてたら・・・
「いやそんな嫌そうな顔すんなって。そうだ!ノートかして!物理の。」
めんどくせぇ。
けど・・・
「いやまじで!おねがい!」
つって小倉はめっちゃお願いしてくる。
「良いけど・・・・・・すぐ返せよ。」
仕方なく物理のルーズリーフを小倉に渡そうとした。
そのときあることに気づいた。そういえばこんなかに物理教室でしてるあの落書きの紙が入ってるかも。
こいつに知られたらうざそうだ・・・
あぶねぇ・・・
「あ、ちょいまって。」
と俺はあの紙を探す。
確かきょうのルーズリーフのところに挟まってるはず・・・
と・・・
「え!?なになに?なんかかくしてね?」
うわ・・・最悪。
「なんもねぇよ。」
といったけどあの紙がなかなかみつからない・・・
「なんもないんだったらいいじゃん。俺急いでるんだ、はよー貸してや。」
小倉に・・・・・・小倉にルーズリーフ横取りされた・・・・・・やべぇ・・・!
「んじゃ、ありがとう!まぁ明日にはかえすわ。」
って・・・えぇ!?
「え、ちょちょっ!ちょいまてよ!」
俺がそう言ったときにはもう教室には小倉の姿はなく、俺の声だけが虚しく響いていた。

6:うぜっ 

July 20 [Fri], 2007, 23:46
その日は学校にいくのがとても怖かった。
くそ小倉!
あいつのことだから・・・
って怖すぎて想像したくもない。っつうか、うざすぎて。
あぁー
学校に行くのにこんなにこわかったことはない。
よし、今日一日絶対あいつを避けよう!

そう思っていたら、避けたい奴と一番最初に会う、運の悪い奴はよくいる。
俺もその一人だったようだ。
なぜなら・・・・・・
今目の前に小倉が・・・
「あ、おはよう。」
なんか普通に挨拶してきたし!
逃げよう!

俺は走って逃げた。
けど・・・
「えぇ!?どしたの?なんかしたっけ俺?何しちゃったんだよ俺!」
とかって大きな声だしやがっって走って追いかけてくる。
しかもみんな見てるし。
やべぇ。
物理のノートの話が出ないうちに教室につきますように・・・お願いしますお願いしますおねが・・・
「あ、そだ。昨日の物理のノートありがと。」
うわぁ!お願いしたしょっぱなから話でちゃったよ!やべっ
「いやいやいいからさぁ、そ・・・そそそろそろ教室もどろうぜ。」
やべぇ大きな声でかみまくり。
周りはドン引き。
「え(笑)なんでそんなに噛んでんの(笑)?そだ、お前さぁ、なんか物理のノートに変な紙がはさ・・・・もごっ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・間一髪で小倉の口を押さえた。
あぶねぇ
そして胸倉をつかんで学校の裏庭へと無理やり連れ込んだ。
「えぇえぇえぇぇぇ??????」
当人の小倉はなんかよくわからずにすごいびっくりしている。
小倉がまた叫んだ。
「俺なんかしたっけぇ??!!!」

7:赤っ恥 

July 22 [Sun], 2007, 5:44
俺はすぐに小倉を裏庭に連れて行った。

「お前・・・やっぱあれ見た?」
「え?あれ見た?って?・・・あぁ、あの変なメモ?」
「おい!お前いっつも声でかいんだって、うるさい。あと・・・もしかしてあのメモ見たりした?」

そう聞くとなんかいきなり小倉は俺のこと見ながらにやつき始めた。
うぜっ
「ななっななんだよ・・・・・・つうかなんだよそのきもい顔は!」

「そうだ、君って歌手になりたいんだってね、ふふふふふふ・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うわぁすみずみまで超みられてました。
やべぇよ・・・
「ちげーよ、ただなんか将来なにがやりたいかっつって言われたから適当に答えただけだよあんなん。しかもなれるわけないし。」

「ふぅん・・・なりたいとは思っているんだ、へぇ、ふぅん。」
って小倉は相変わらずにやにやと・・・・・・うぜぇ。
「だからちがうって。あんなん相手に話し合わせてただけだって。」
そう言うと小倉は
「あっそう。」
とだけ言って、俺を冷たい目で見てくる。そして言ってきた。
「え?ほんとにお前歌手になりたくないの?ほんとはなりたいんだろう?」
と。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺はなぜか黙ってしまった。
どうしよう。なぜかいいかえせない。

黙っている俺を今度は小倉がいきなり連行し始めた。

「ちょ・・・えぇ?どこいくん!?え、まじでなに?」

「・・・・・・いいから・・・ちょいこい。」
っていってもなんだか、学校からでてるし・・・今からチャイム鳴りそうなんですけど。

「えぇ!?なんで学校から出てんの?意味不だって。どこいくん!?」
っていいながら抵抗する。そして小倉の手をはらった。
「おい!さっきから黙ってどこいくつもりだよ!?」
ときくと、小倉は
「お願い、500円出すから来てくれ。」
と言い出した。
えぇ!?さっきまでの強がりはなに!?とおもいながらも
「わかった。」
と言ってついていく俺は馬鹿なのかもしれない。


8:あれ? 

July 23 [Mon], 2007, 0:16
え・・・こいつ変なところ連れていくんじゃ・・・
と、いろいろと考えていると、小倉がもうとまっていた。
ついたようだ。
なんか・・・変な空気が・・・。
「ここだよ。」
「えぇ!?なんだよここ?」
と、一応聞いてみる。
で、入ってみると・・・・・・。
うわぁ・・・やべぇ超怖そうな人が二人も・・・
「すすすすすすすすうっすすすみません!!」
と言って俺は逃げ出そうとした。
そしたら小倉が
「いやまじでこっちこい。」
とか言ってる。
やべぇ。
何される気?俺。
恐る恐る奴らに近づく。

なにかを言っているようだった。
「え?」
と問いかける。
「・・・やした久しぶり。」
え?いまこいつ「宮下久しぶり」って・・・こんな奴あったことねぇー。
俺が不思議そうな顔で小倉を見ると
小倉は話し始めた。
「こいつさ・・・一年のときは少し学校行ってたやつ何だけど、今行ってないから宮下も分からんよな。」
そそそそそそそそそそうなんだ・・・
って俺まだすげーびびってるやべっ。
「えっと・・・で、俺なんでここに来たんだっけ?」
と、小倉に聞いてみる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なにこのしーんとした・・・
と、小倉がこの空気を打ち破るようにさけんだ。
「お願いだ!!宮下。俺らのバンドのヴォーカルになってくれ。」
と。

9:素直に 

July 23 [Mon], 2007, 12:56
え・・・。
だけど・・・
ほんとにおれでいいのかぁ?
だって俺あんま人と話さないし。
っつうか俺だったらだめだろ。

「いや・・・俺この人たちと話したことないし。」
「だいたい俺別に歌手になりたいわけでもないし。あれ冗談だって。」
あれ・・・なんで俺こんなこと言ってるんだろう。

俺がこんなこと言ってるのに・・・なのに小倉は土下座までした。
「お願いだ。」
と。
おれはそこまでする意味がよくわからなかった。

「いや、俺だったらだめだ、ほかを探せ。」
とまで言ったのに。
まだ土下座している。
なんでここまでして・・・
「なんでそんなに・・・?」

小倉が答えようとしたそのとき、隣の奴がこたえた。
「この前に小倉がお前が音楽室でギター弾きながら歌ってるのみたらしい。」
交代するようにもう一人が言った。
「で、小倉が言うには相当上手かったとか。ギターも。」

・・・・・・・・・・・・・・・ななななななな・・・・・・なんで。
はずっ。
何でそんなとこ見てんだよ。
うわぁ・・・もう嘘つけねぇー。

俺は恥ずかしさを隠すように、少し大きな声で
「俺以外にもたくさん歌うまい奴なんかいる。俺なんか友達いないし、ぱっとしないし。」
俺こんなに自分で自分を非難したことはない。
こうなるともう開き直るしかない。
そして今、こいつらと一緒にバンドしたいって言ってもいいかなと、素直になろうと思った。

部屋の中は蒸し暑かった。

それに増して、この威圧感というか・・・

オーラというか・・・
暑い?熱い?いや、厚い?・・・・・・圧い?いや、これはないか。
こいつらすごそう。
こいつらとバンドがしたい。
よし。
素直にそう言おう。
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著者について
  • アイコン画像 ニックネーム:なな
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 誕生日:1993年
  • アイコン画像 職業:小中高生
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小説をきちんとへはじめて書きます。
面白かったらぜひぜひコメントください。
一通のコメントがすごいうれしいです。
コメントきたら俄然やる気になれます。
コメントきたら本気でうれしいです。
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