Deep darkness. 

April 10 [Mon], 2006, 20:59










 永遠 なんてあるわけが無かった。














 Deep darkness.



















 「 秋山ぁー 」




 馬鹿でかい声で俺の名を呼ぶ




 「 るっせーんだよバーカ 」




 俺はすかさず毒を吐く


 こんな毎日。




 「 ひっでぇーなぁ 」




 アイツはそう言っていつものように笑った。


 俺はそんな作り笑いをするアイツが









 大嫌いで









 成るべくなら


 近寄りたくない存在だった。









 「 秋山ぁー学校遅刻すんぞー走ろー 」




 「 は !? 俺はお前みたいに体力ねーんだよ !! 」




 「 まぁまぁ同じ部活じゃんー。体力にそんな差ねーだろ ?? 」




 「 … 」




 嫌い とか言いながら


 俺はコイツと同じ部活で


 昔から




 一緒だった。




 だからだろうか


 刻々と近づいてくる闇に


 気付けなかったのは。


Deep darkness. 2 

April 10 [Mon], 2006, 21:21




 季節は夏。


 若葉が生い茂り

 
 太陽が煌く


 風は汗を飛ばし


 涼しさを贈る。




 聴こえるのは少年2人の足音


 まだ幼く


 笑顔で満ち溢れていたあの頃の俺等。


 1度でも堕ちてしまえば




 もう元には戻れないのに。




 「 川本ッ 待てッ タンマ !!!! 」




 「 お前マジでバド部かよー。だらしねーなぁ 」




 そう言ってアイツ 川本 蓮*Kawamoto Ren は後ろでバテてる俺を見た。




 「 お前が運動馬鹿なんだろーがッ !! 」




 俺は息を切らしながらアイツに言う。




 「 ったく … お前は昔っから何も変わってねーよな 」




 「 るっせぇー 」




 蝉の声が聴こえる


 朝から走って火照っている俺等の身体には


 汗が染み付いていた。




 「 あー秋山のせいで遅刻だぁー 」




 「 文句あんならお前先行けよ 」




 「 無理。お前サボんじゃん 」




 … まぁ


 そうだけどさ。


 何




 「 子ども扱いすんな 」




 「 ハハッ 照れんなって 」




 「 死ねッ 墓送りにすんぞ !! 」




 俺が怒鳴ってもアイツは笑う。


 何だよ


 本当に俺が 




 餓鬼みたいじゃん …




Deep darkness. 3 

April 10 [Mon], 2006, 21:40





 「 秋山ー 」




 「 んー ?? 」




 走っていた足を落ち着かせ


 俺等はのろのろと歩く。




 「 何でもなーい 」




 「 何だよソレ 」




 「 別にー ?? 」




 最近アイツは


 意味も無く俺の名を呼ぶ


 たまに




 櫻弥ー 




 なんて呼んでくる。




 秋山 櫻弥*Akiyama Ouya




 これが俺の名前。


 普通に受験生の中3


 でも危機感とか感じてなんか無くて


 高校も地元の所へ行くつもりだ。


 それはきっと


 アイツも同じ。




 これからも

 
 こんなくだらない日々が


 続くと思っていた今年の夏。


 これからまだ何もわかっちゃいない俺達に


 大きな壁が


 姿を見せる。




Deep darkness. 4 

April 10 [Mon], 2006, 21:53



 学校へ着くと


 予想通り担任の説教。


 俺等は意識を飛ばし


 ただずっとボーッとしてた。




 そしてプリントが回ってくる


 “ 進路希望調査書 ”


 これを目にするのは2回目


 1回目は4月に書いた。


 その時も進路は地元の高校


 そして今回も


 俺は変わることなく地元の高校を第一希望に書いた。


 離れた席のアイツを横目で見る。




 アイツも …


 同じ


 だよな ??




 胡散臭いアイツが嫌いな筈なのに


 今更 離れる なんて考えると


 少し


 不安になった。





 胸が詰まる


 息が出来ないほど


 胸が苦しくなった。




 何なんだ … 


 一体 …… 。




 原因不明のこの感覚


 その原因がアイツにあるなんて














 誰が気付いただろうか ??














 

Deep darkness. 5 

April 10 [Mon], 2006, 22:01



 ブルッ と携帯が震える。


 アイツからだ。


 俺はダルそうに机の中で携帯を開き


 メールを見た。









 ――――――――― … は ??









 目の前に映るデジタル文字


 そこには




 “ 志望校東京のにした。 ”




 信じられない内容。


 東京 ??


 地元離れんの ??


 おいおい




 マジかよ。




 しばらく何も考えられない俺


 それもそうだ


 予想は大きく


 裏切られたんだから。




 予想だけじゃない


 同時に気付いてしまったこの想いも














 一瞬にして














 裏切られた。














Deep darkness. 6 

April 10 [Mon], 2006, 22:09


 抑えてた。


 気持ち悪かったんだ。


 とっくのとうに気付いてたのに


 自分でも


 信じられなくて


 信じたくなくて


 押し殺してた。


 なのに何で


 俺はアイツの所為で感情が溢れ出す。




 … 何だよ。

 そーゆーことかよ … 。




 気持ち悪い


 気持ち悪い


 気 持 ち 悪 い 。


 こんな気持ち


 ありえない


 あってはいけない。


 でも




 離れるという実感が


 俺の溜まっていた感情を鋭く刺した。




 俺は思わず




 ― ガラッ




 教室を出、


 廊下を走り出す。


 担任の怒鳴り声


 ざわめく教室


 でもそんなもの


 今の俺には


 関係無くて。


 今溢れ出したこの感情を


 どうにかしたくて


 消したくて


 捨てたくて

 
 無かったことにしたくて


 どうしようもなかった。


Deep darkness. 7 

April 10 [Mon], 2006, 22:16



 足は勝手に屋上へ向かう。


 アイツとよくサボった場所


 合鍵はお互いしか持って無くて


 俺等だけの場所だった。


 古く錆びた扉を思い切り開け


 俺は身体を地面に落とす。


 苦しい。

 
 息が上手くできねぇ


 … あぁ


 走ったからか。


 太陽の日差しが俺を照らす


 俺は眩しくて


 腕で目を覆った。














 「 泣いてんの ?? 」














 聞き慣れた声




 俺はすぐに腕を退かせ

 
 その声の主を見る。




 「 川本 … 」




 今1番会いたくない奴に


 俺は出会った。


 合鍵は2つ


 もう1つはアイツが持ってる。


 そんなことわかってたのに


 何で俺は


 この場所に逃げたのだろうか ??


Deep darkness. 8 

April 10 [Mon], 2006, 22:22





 「 なぁ 何で突然飛び出したん ?? 」




 アイツは直球で聞いてくる。




 「 知るかよ 」




 俺はなるべくアイツの顔を見ないように言った。




 「 なぁ 俺が東京行くのそんなに嫌だった ?? 」




 「 違ッ バッカじゃねーの !? あるわけねーだろ !!!! 」




 上手く言えない俺


 不器用な自分が


 とてももどかしい




 「 違う ?? なら行ってもいーんだ 」




 「 … あぁ テメーなんか早くドッカ行っちまえ !! 」




 ― あ。




 「 そ。なら俺教室戻るわ 」




 違う。




 「 はッ !? 」




 違うのに









 「 秋山ぁー。まだ東京行くまで半年以上あっけど


  何でそんなに必死なん ?? 」









 …




 「 テンメェー … 」




 去り際


 アイツは笑いながらそう言った。


 コイツには何もかもお見通しらしい。


 … はぁ





 「 俺1人で焦って馬鹿みてぇー 」




 「 何で ?? 面白かったよ 」




 「 …… 死ね 」










 夏。


 いつもと違う俺等を


 太陽だけが見ていた。














 深い深い闇に堕ち


 残るのは何もない場所。


 そんな中でも


 1番下に在るのは何よりも純粋な気持ち。


 この気持ちが永遠なんかじゃなくても


 永遠なんて無くても、











 どうか










 今だけは。











 
 *Fin*

Deep darkness. 後書き 

April 10 [Mon], 2006, 22:34
 意味分かったでしょうか ??

 てか誰も見てないと思いますが。 汗”

 初のBLモノです … 。

 ただ1回書いてみたかったんです((出来心です 爆” 

 苦情受け付けますので …… m(__)m

sword 

April 11 [Tue], 2006, 18:53

 ねぇ 目を開けてよ。














 sword














 愛してる。




 そんな言葉じゃ伝えきれないくらい


 私は貴方を愛してました。


 その気持ちに後悔なんかなくて


 その気持ちに偽りもなくて 


 貴方と過ごした全ての日々が


 一分一秒が




 とても大切だった。




 煌く夜空の星に




 私は願う。














 あぁどうか









 この身体が朽ち果てようとも









 貴方への想いは永遠に朽ちることなく









 此処に在り続けますようにと。














 *Fin*