ミクロス・ローザ 「El Cid(エル・シド)」

December 09 [Sat], 2017, 22:16
・「燃える史劇のサントラ」第5弾。


・中世スペインの英雄的騎士エル・シドをチャールトン・ヘストン主演で描く超大作史劇。

音楽は史劇の巨匠、ミクロス・ローザ(ロージャー)。
ロージャーというと「ベン・ハー」が有名ですが、燃えるという点ではこの「エルシド」に軍配が上がります。

なにせ全編フルオーケストラで押せ押せのヒロイックシンフォニーがぶっ通しで続くのですから。

・冒頭の「Overture」でいきなり豪快なファンファーレに続き提示される燃えモチーフはまさに騎士のためのマーチといえるもの。
戦闘的なアクティブさとスピード感を兼ね備え、そして壮麗。
このモチーフが劇中様々なアレンジで繰り返し登場する。

このファンファーレの素晴らしいスケール感と色彩感。カッコよくてぶっ飛びます。
煌びやかに装飾されたオーケストレーションも見事。

・続く「Prelude」はこれぞ史劇というべきダイナミックさ。
オケのテンションをマックスまで吊り上げ、シンバルの一閃で提示される壮大なモチーフ(「愛のテーマ」)。
見事なメロディー、そして高揚感。
旋律がパワーを宿すとはこのこと。
後年、「マスク・オブ・ゾロ」においてジェームズ・ホーナーが書いたテーマはこの「エルシド」の愛のテーマを意識したと思われる。

このモチーフが時に壮大に、ヒロイックに、そして「The Barn -Love Theme」などのようにギターと美しいヴァイオリンで演奏される。
数ある史劇の映画音楽の中でも最良の楽想の一つでしょう。

・映画もかなりの長編とあって、音楽もかなり長い。
素晴らしいドラマティックスコアは後半のクライマックスに近づくにつれ、もう容赦のないハイテンションに突入します。

「For Spain!/Earwell」はこれ一曲で交響詩と言えるようなドラマティックで変化に富んだ名曲。
勇ましさ、雄大さ、そしてラブテーマの美しさ、アクションスコアのビジーさ、壮大なるファンファーレが詰まったお得なな楽曲。勿論、転調と盛大なオーケストレーションも。
メロディーもただでは流れず、スキさえあればその間隙から豪奢なファンファーレが挿入される。

この曲に圧倒されて、ちょっと一息入れようと思ったところで、刹那、豪快なファンファーレが響く「Entrance. El CId March」が始まります。
基本はPreludeで提示された曲のアレンジなのだが、よりハイテンポで押せ押せ。

・その後も「Battle Preparation」などアクションスコアが目白押し。
「For God and Spain!The Battle of Valencia」は9分近くに渡りアクションスコアが間断なく続くという・・・凄まじい曲。

・そして、圧巻は壮大なるフィナーレ「The Legend and Epilogue」。
コーラスを導入した比類ない崇高さと高揚感は「ベンハー」「キング・オブ・キングス」となんら引けを取らない。
映画音楽史上に残る大団円です。

・再録音盤はニュージーランド交響楽団によるものとプラハ市フィルハーモニック管弦楽団によるものがあり、いずれも白熱の演奏。
後者は2枚組140分を収録。


必聴。

・メロディー指数:9/10
・シンフォニック指数:9/10
・燃え指数:8/10
・演奏のパワー:9/10


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<当ブログについて>
フルオーケストラを駆使した映画音楽を主に紹介します。
紹介文の最後に、「メロディアス指数」「シンフォニック指数」「燃え指数」を記載しています。それぞれの項目について10点満点で評価します。「燃え指数」とは、主にアクションシーンの音楽を対象に、血沸き肉躍るようなパワフルで躍動的な音楽を評価するものです。その他、作品によって適宜追加する指数があります。
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