ばかやろうって蹴れば善いよ 

2007年08月27日(月) 16時09分

隣の家で飼われている猫の鳴き声がやけに大きく聞こえた。
沈黙が痛くて、痛くて痛くてたまらなくて、柄にもなく泣きたくなった。


「なんか、言いなさい、よ」
「………」


手のひらを強く握り締めすぎて爪が肉に食い込んで血が滲み始めていた。息を吸っても今さっき自分が吐き出した二酸化炭素が肺に戻ってくるばかりで酸欠で目の前がぐらぐら揺れる。


「さゆ、」


旦那とはもうずっとご無沙汰だった。
中学時代に出逢って、いたって世俗的な恋愛をして、いたって普通に結婚して、いたって幸せな生活をして、
けれど、お互いの温度にすれ違いが生じてからは早かった。


「旦那さんとは、どうするの」
「……離婚するしかないでしょ」
「いいの?」
「あんた、今更何言ってんのよ」
「いや、まあ、……ああ」


ひゅう、ひゅう、ひゅう
自分の喉に穴が開いてしまったんじゃないか、なんて錯覚に襲われる。


「さゆちゃん」
「なに」
「俺、女の子がいい」


ばかやろう、
お腹の中の子が旦那の子かもしれないなんてそんな考えが少しでも浮かばないのか、そりゃ現実的に考えればあんたの子だけど、旦那の遺伝子だってちょっとくらい紛れてるかもしれないよ!
ばかやろう、
それでもいいよ、だってお腹の子に旦那の遺伝子が紛れてたってさゆちゃんの愛したひとなら俺も愛せる、それがこの子の遺伝子なら尚更だ、だから取り敢えず名前考えようよ、さゆちゃん!

ぐわんぐわん 

2007年08月14日(火) 1時00分

「やらかい」
「それ褒めてんの貶してんの」
「どっちも」
「しね」
「やだ」
「離せ」
「離したら帰るじゃん」
「当たり前でしょ」
「俺やだよ」
「仕事なんだもん」
「仕事終わったらまた来てくれんの」
「無茶言うな」
「旦那と俺どっちがうまい?」
「……なにが」
「セックス」
「旦那」
「うっそまじかよ」
「うそ」
「どっちよ」
「あんた自分が上手いと思ってんの」
「うん」
「ガキ」
「さゆちゃんと1コしか違わないよ」
「そういうんじゃなくて」
「俺さゆちゃんとのセックス好き」
「そりゃどうも」
「さゆちゃん、」



好き好き大好きって何度も何度もそのやらかい髪の毛に頬摺りしたらそこから俺の頬がとけだしてさゆちゃんの旋毛と混ざり合っちゃわないかな
あたしの理性はこいつの馬鹿みたいに幼稚な本能で根こそぎ剥ぎ取ってしまわれてあたしはその度に泣きたくなるのだから本当に迷惑極まりない



(結局相手に溺れているのは、どっちだ)

アイロニー・オブ・ラブ 

2007年06月30日(土) 20時40分

わたしがみえる?
ないているのが?

よくいうよなんにもわかろうとしないくせにきやすめばかりのそのくちなんてもげればいいのにわたしのいたみやゆがみをすべてせおってつぶれればいいのに
(こんなにあいしてるのに)

mellow 

2007年06月30日(土) 20時30分

とける
とける

腐った鍵盤
泳ぐ鳥の背中
過去の夢の面影も
ラストシーンに歪んだ

とける
とける

淡い想いはいつしか
大きな混沌に変わって
旋毛から踵まで
まるで中毒になった様だった

嗚呼、わたしは
一層消えて仕舞いたかったの
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