6月20日課題 

June 25 [Mon], 2007, 19:47
「タクシードライバー」

今回みた「タクシードライバー」という映画は、1970年代以降に描かれたニューカマーの人々の社会的ステータスを題材にしたものの中の一つである。この映画の主人公は、ニューヨークに住むベトナム戦争帰りの黒色の目(少数派民族)のトラビスである。映画はトラビスがタクシー会社の面接を受けるところから始まる。このタクシー会社というのは、当時も今もニューヨークで移民が最も就職しやすい職だといわれている。事実、面接場面をみても言葉遣いの荒いトラビスの発言にもかかわらず、職員はトラビスを採用していたことからわかる。トラビスは、タクシードライバーの仕事を通じてニューヨークの社会的荒廃について悩んでいた。その後トラビスは、大統領候補の選挙事務所で働くベッツィに声をかけて親しくなるが、彼女をポルノ映画に誘ったことによって絶交されてしまう。ベッツィに嫌われることによってトラビスは人格が豹変していく。この関係がこの映画の第一主題であるトラビス×ベッツィの関係である。これは映画全体の基盤を担っており、人格が変わったトラビスは自己鍛錬をし、銃を手に入れて襲撃を計画していく。この映画の最後にタクシーの乗客としてベッツィと再会する場面があり、一見和やかな空気にみえるが、車のバックミラー越しにベッツィを見るトラビスの目つきはとても鋭く、WASPと非WASPの間にある埋めることのできない社会的溝を描き出している。
次に第二主題として、トラビス×パレンタインの関係も、この映画における重要なテーマである。先ほども述べたように、トラビスは失恋をきっかけにして自己鍛錬を行い、襲撃を考えるようになるわけだが、一方で社会的荒廃に対して何とかしなければならないという思いからやがて銃の力によって何とかしようとするようになる。対してパレンタインは、政治の力によって何とかしようと考える。この映画でトラビスがパレンタインを襲撃未遂する場面があり、そこでなぜ襲撃したのか複雑で不可解な場面があるが、ここではパレンタインのような特権階級に対する底辺に生きる人々(サブドミナント)の反感として捉えることもできる。
そして、第三の主題としてトラビス×アイリスという関係も、他の主題と絡み合いながら展開されていく。映画の前半に、ヒモから逃げようとするアイリスと出会う場面がある。後にトラビスはアイリスにお金を送って彼女を助けるのだが、これらの場面からトラビスの「刀と菊」的な、イタリア系暴力団の論理を思わせるような一面が読み取れる。それは、同じ社会階層に住むアイリスには非常に優しくし、パレンタインには銃を向けたということからわかる。
以上のように、この映画では当時の混乱したアメリカ社会のおいて、イタリア系アメリカ人がどのような心情・状態であったかのついてについて描かれたのである。

6月6日課題 

June 15 [Fri], 2007, 18:24
このロンドンの古地図を見ると、まずバッキンガム宮殿やロンドンタワーなどの建物は比較的郊外に立地しており、裁判所・商品取引所・保険会社などの建物はロンドン市内に立地している。このような都市景観は、ウォルター・バジョット「イギリス憲政論」を参考にしつつ説明することができる。バジョットはこの書のなかで、「尊厳を持った部分」と「機能する部分」について説明しているのだが、これはどうゆうことかというと、それまでの憲法論はイギリスの憲政の特徴を三権分立とその均衡に求めていたのに対して、バジョットは憲法の有用性を二つに分解した。その二つが「尊厳を持った部分」「機能する部分」である。これは、実際に近代以降に分有されるようになった事実であり、バジョットは尊厳を持った部分の必要性について、国民に対して政治的価値を持っていると説明した。このことから、バッキンガム宮殿などのような尊厳的価値の高いものは比較的郊外に立地している。一方実際に政治の機能を果たしているものは中心部に立地し、機能性を持たせたのである。

Charleston,SC.火災保険図 

May 25 [Fri], 2007, 12:47
チャールストンの火災保険マップです

画像はアメリカ合衆国連邦議会図書館から探してきました。編集は,画像をIrfan Viewにてビットマップで保存し、Photoshopを用いてレンガの耐火建築の建物を水色でマークしました。

アップした画像はIrfan Viewにて半分にリサイズしたものです。

この火災保険図は、E.Petrieがイギリスの保険会社の要望で1780年代に作成した耐火建築の調査の結果である。建物の分布・道の幅、小道など、細部にわたって調査されている。

5月9日課題 

May 09 [Wed], 2007, 21:23
18世紀と言う時代

18世紀といえば日本近海に外国船が出没し、中には難破する船も現れた時代である。(イタリア人シドッチ新井白石『西洋紀聞』 (1709〜1715)。当時太平洋にはスペイン領のメキシコとフィリピンの間には通商路が開設されていました。メキシコ銀貨は南海(中国〜東南アジア)における国際通貨でした。18世紀の50〜80年代と言えば平賀源内や解剖学の杉田玄白、農学の青木昆陽、海防論の書『海国兵談』(1790年代に寛政異学の禁に接触)の登場する時期です。
 
当時北米大陸の領有をめぐり英仏が覇権争いを展開しており、ブーゲンヴィルクックの活躍は七年戦争後の太平洋海域における西欧列強の派遣争いを予告する一つの事件であった。当時の地誌はそれに参加した科学的探険家たちによって担われていました。

当時わが国は江戸は金本位制でしたが、大阪や博多・長崎はかつての南海貿易との関係で、銀本位制(銀行・銀座)下にあったのです。16〜17世紀における日本列島は鉱山開発ブームでしたが、これはこの南海(南蛮)貿易との関係で、理解すべき内容を含んでいます。江戸初期における日本の貨幣制度は貴金属類の流出で何度か崩壊の危機に直面しています。

わが国の伝統的地誌(図解類を含む)の編纂は17〜19世紀を通じて盛んに行われていました。その問題は別途検討してみることのしましょう

講義の中では西欧列強による初期資本主義のグローバルな拡大と海外情報のヨーロッパにおける関心の高揚、かかるブームを受けて地誌(旅行記や航海記を含む)形式のユートピア文学の流行、ユートピア願望が新大陸への彼らの移住を促進したことにふれた。

アダム・スミスの『道徳情操論』と新大陸における労働力調達を考えておこう。

ユートピア文学との関係で18世紀の歌劇『フィガロの結婚』モーツァルト)の荒筋を検索しておこう。支配者と被支配者の立場の逆転をおもしろおかしく描写しています。これは市民革命に繋がる思想の流行を取り入れた結果なのです。ロココ風―これがモーツァルトの時代の西欧社会(裕福な自営業者=ブルジョワジーが担う)の新しいムードだったと文化史の教科書は書いていますが、それを可能にしたのはアジア・アフリカ・ラテンアメリカの経済支配の進展でした。

観察対象を詳細に捉え、それをデータ化する凄まじい情熱。その片鱗は博物学者たちが残した動物や植物の挿絵(細密画)からも十分に感じ取れます。絵画の形式も聖書を題材とした歴史画に代わり、風景画や地図など写実的なもの(科学的なもの)が登場するのです。本来地図は地誌の挿入資料として作成されてきたものでした。

Trivialism (細叙法、一種のレトリック=説得のための表現戦略)。ダニエル・デュフォー『ガリバー旅行記』はその典型をなす経済小説。ロビンソン・クルーソーの冒険というユートピア小説の同様

当時の西欧の都市には植物園・動物園・民族展示館などが盛んにつくられていますが、それは植民地経営と連動したことだったのです。民族展示館は異国の珍しいものを、植物園はプランテーション経営の栽培作物学的サポート機関だったのです。ブーゲンヴィルの一行はあのタヒチ島でサトウキビの新品種を発見したと指摘しましたが、彼らの活躍は植民地経営における技術革新(旧大陸の労働力と旧大陸の生物資源とをユニークな形で結びつける=シュンペーター流に言えば「経済発展とは新結合を遂行すること」を、文字どうり)を実践することと直結していたのです。


参考文献
伊藤光晴ほか『シュンペーター 孤高の経済学者』岩波新書
川勝平太『文明の海洋史観』中公新書 1997. 139-217項
R A スケルトン 『図説 探検地図の歴史』原書房 1992
アダム・スミス『国富論』中公バックス 世界の名著37


Charlestonの空中写真

紫色の直線で示してあるのがBroad StreetとMeeting Streetである。

4月25日課題 

April 27 [Fri], 2007, 13:17
アメリカ合衆国の地図

ギリシアのストリートアート(路上落書き) 

April 23 [Mon], 2007, 20:43
ギリシアに知る人ぞ知る「路上落書き作家」あるいはその集団Zapがいる。
アテネのPsiri地区を中心に彼の描く落書きを小まめに取材するserver pics'のAthens Street Artを紹介する。
童画風で、都会の若者の不安と憂いを含んだ独特のキャラクター、とても心に残るユニークなものだ。 <>
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