校長室呼び出し編6 

2006年05月15日(月) 21時42分


校長室呼び出し編6 : 桜水



その声を聞いたとたん、言い争っていたヒノエと桜水はピタリと静かになり 顔をしかめて声の主の方へと振り返った。




「あ、弁慶先生!」

「げっ、よりによって 弁慶先生が・・・」


校長室付近で騒いでいた5人の前に現れたのは弁慶先生。
台詞からすると、どうやら 今回の呼び出しについて何かしら関わっている様子。


「なんでアンタがここにいるわけ?」

「瑞希さんの声がしたものですから。
来てみたら、やっぱり居ましたね。」


見た目だけは綺麗な微笑みを瑞希に向ける。

「では、行きましょうか。校長がお待ちですよ?」

「結局は強制連行ってこと?」

物腰柔らかでも、有無を言わせぬ弁慶に 桜水が悪態をつく。


「温和しくしていれば 強制 なんてしませんよ。
瑞希さんに、そんな手荒なことは出来ませんから。
純粋で無垢な白い華は、優しく扱わないと。」

そう言って、瑞希の手を そっと取る。

「っ、弁慶先生!」

驚いて弁慶を見上げる瑞希だったが、繋がれた手は放してくれそうにもない。

「オイ、瑞希に気安く触らないでくれる?」

「ヒノエに そんな謂れを言われる筋合は無いはずですよ。」

「大切な姫君が 他の野郎に触れられているのを見過ごす男はいないだろ?」

「それでも この手を放さないと言ったらどうします?」


突如、瑞希を挟み ヒノエと弁慶の争いが勃発。
弁慶は瑞希の手を左握り、ヒノエは それに対抗するように右手を握り締めた。

「あ、あのっ・・・」

瑞希は そんな2人の間で、どうするすべもなく佇んでいた。


「・・・どうするんだ あれ。」

「なんかもう、手出し出来ない状態まで発展しちゃってるしねぇ。」

「仕方ねぇから、先に2人で校長室に行「ねぇ、敦盛。 こんなことしてて、時間大丈夫かな・・・。」

「・・・大丈夫ではないと思うが、それより将臣殿のほうが・・・ 大丈夫なのだろうか・・・。」

「は? 将臣、どうかした?あっ、瑞希争奪戦に加わりたいの?
頑張れ将臣!!」

「・・・お前、もう何も言ってくれるな。」


なかなか校長室に着く気配の無いこの状況を前にして、敦盛は1人 溜め息をついた。

因みに、放送がかかってから 約20分もの時間が経過していた。

(無題) 

2006年05月15日(月) 21時38分


校長室呼び出し編5 : 瑞紀


とりあえず5人合流して、最上階?8階?の校長室へ。5人そろうと呼ばれていると言うのに緊張感が今一つかけてしまうようです。

「急に呼び出されるからびっくりしちゃったよ〜。ねぇ?桜水、私たち何かしたかなぁ?」

「してないっ。今回何にもしてないし。」

「さぁ、どうだかな。桜水のことだから意外なところで何かしてたりするかもね。」

「ヒノエっ!ちょっとそれどういう意味!!」

「さぁね。そんなことより瑞紀。授業もさぼれたことだし、このまま2人でどこか行かない?」

桜水との会話を早々に打ち切って、ヒノエは瑞紀の肩を抱き寄せて話しかけます。瑞紀が顔を赤くして何を言えばいいか迷っていると、将臣が口を開きました。

「なんだ。お前らどっか行くのか?だったら桜水。俺たちも2人でどっか行こうぜ?」

ヒノエにならってさり気なく2人で、を強調してみた将臣ですが、

「やだね。だいたいなんで私が将臣とどっか行かなきゃならないわけ?ありえないし。」

即答で拒否され、がっくり肩を落とします。それを当の桜水はさらりと無視し、未だ瑞紀を抱き寄せているヒノエにくってかかりました。

「ヒノエ!いい加減瑞紀から離れなよ!いつまでそのままのつもり?」

「瑞紀はオレの姫君なんだから、何をしようと桜水には関係ないんじゃない?」

「いつから瑞紀がヒノエのになったわけ?」

瑞紀を置いて2人で言い合う桜水とヒノエ。

「桜水〜。ちょっと落ち着いて!ヒノエくんも変なこと言わないでよ!…って聞いてる?2人共〜!」

いつの間にかヒノエの腕から抜け出した瑞紀は敦盛の隣りで溜め息を吐き、

「それにしてもあの2人仲いいよね!傍から見てると痴話げんかっぽくない?ねぇ、敦盛さん。」

呑気なことを言いました。さり気なく何にもわかっていない瑞紀でした。

「…そ、そうだろうか?瑞紀しかし、それではヒノエが哀れなのだが…。」

「?…なんで?」

「…いや。なんでもない。気にしないでくれ。」

「???」

「それより、私たちは校長から呼ばれていたのでは。」

早く行かないと、と敦盛が桜水たちを見ながらいいかけたとき、

「おやおや。困った子たちですね。ちゃんと放送聞いていたんですか?なかなか来ないと思ったらこんなところで何をしてるんですか。」

校長室呼び出し編4 

2006年05月15日(月) 21時31分


校長室呼び出し編4 : 桜水



「おい、瑞紀。突然どうしたんだよ、授業中だってのに!」

放送を聞いておらず、状況を解っていない将臣に瑞紀は歩きながら説明した。

「今さっき、放送で私達が呼び出されたの。
しかも泰衡校長直々!」

「はぁ?なんだそれ・・・。」

さすがの将臣も、校長直々の呼び出しと聞き 度肝を抜かした様子。

「わからないから、取り敢えず今は桜水達と合流しようと思って・・・ あ、いたいた! 桜水ーっ!!ヒノエくんーっ!!」

廊下の反対側から現れた桜水とヒノエに、瑞紀は笑顔で手を振る。
桜水とヒノエは、瑞紀の姿を確認したとたん 駆け足でこちらへと向かってくる。
流石、身体能力の高いヒノエと 運動部掛け持ちの桜水。息を乱すこともなく、瑞紀の元へと全力疾走。

「俺のほうが 先に瑞紀の元へ着けるに決まってる。姫君と俺を隔てるものなんか無いからね。」

「ハッ、運動部の脚力を甘く見んなよ!」

どんな状況であろうと危機感のない2人は、同着で瑞紀の前へと来た。

校長室呼び出し編3 

2006年05月14日(日) 17時49分
校長室呼び出し編3 : 瑞紀



その頃、瑞紀のクラスでは

「…?!うっそ。私?なんで呼ばれるの?授業中に。しかも校長室に!の、望美ちゃんどうしようっ!!」

突然の放送から自分の名前が聞こえた瑞紀は助けを求めるように困った視線を向けますが

「…瑞紀?何したの?普通授業中に呼ばれないって。」

さすがの望美も呆れて瑞紀を見ます。
呼ばれたのが意外なメンバーだけにクラス中の驚いたような視線は3人に集まり、よけいパニックになる瑞紀。
どうしようもなく、ただ焦る敦盛。
その中で唯一将臣だけは桜水と同じように机に頭を凭れかけて熟睡中。
放送も聞こえていない様です。


「将臣くんっ!起きて。寝てる場合じゃないって。…先生!呼ばれたのでちょっと行ってきます。」

周りの視線に堪えきれず、隣りの敦盛の手を取り

「…ん〜?なんだよ瑞紀。」

と、やっと起き出して状況を全く理解していない将臣をひっぱって教室を飛び出しました。

「あ、おい。ちょっと瑞紀!どこいくんだよ。ってひっぱるなって。おい!」

3人が教室を出た後も廊下から将臣の戸惑いの声が響きわたります。
教室に残された教師と生徒は、嵐でも去った後のような表情をしていたそうです。

校長室呼び出し編2 

2006年04月29日(土) 1時38分
校長室呼び出し編2 : 桜水

桜水が 何事かと思い、回りを見ると 教壇に立つ教師からは
“また何かやったのか・・・”
とでも言いた気な視線を、生徒からは哀れみの視線を向けられていた。


「いや、今回はホントに何もしてないからっ。」

首を振って否定をするも、前科がある故・・・ 説得力は無いに等しい。

「校長直々の呼び出しだ。
武桐、藤原 授業はいいから行ってこい。」

「・・・あの、逃げても構いま「行ってこい!」

桜水の必死の抵抗も一刀両断。渋々ながらも立ち上がった。


「なんで この俺が、野郎の呼び出しなんかに応えなきゃならないんだ・・・。」

ヒノエも同様に、文句を言いながらも 取り敢えずは校長命令に従った。

「まぁ、瑞紀に会えるから 損じゃないね。」

「だね、瑞紀のいない授業なんて 元々さらさら受ける気無いし・・・。」

「特に、こんな授業は。」

「同感!」

「武桐、藤原・・・ さっさと行け!!」

呼び出されたにも関わらず、緊張感の無い2人に教師の克が飛び やっと教室のドアへ向かった。

校長室呼び出し編1 

2006年04月29日(土) 1時33分
校長室呼び出し編1 : 瑞紀


始業式が終わり、落ち着いた学校生活を送っていた桜水と瑞紀。今日もそれぞれの授業時間を過ごしていています。

「…ねむ…。サボればよかった。」


普段サボりがちな授業に出席したと思えば机に凭れかかってすっかり寝る体勢になる桜水。呆れて隣りから肩をたたいて起こそうとする朔に、少しだけ顔をあげて

「ちょっとだけ…。」

そう呟いて朔の苦笑いを確認すると、目を閉じて机に倒れこみます。そのまま寝入りそうになったと同時に

『授業中に失礼する。突然だが、以下の者は至急校長室まで来るように。2年の藤原、有川、平、武桐、高深奈。その他の者は、授業を続けてくれ。以上だ。』


桜水の眠りを妨げるように、泰衡校長からの無理やりな校内放送が入ってきたのです。突然の放送に生徒たちどころか先生までも唖然として動けずにいました。


「………。」

始業式編6 

2006年04月21日(金) 1時07分

始業式編6-(2)



「ほらっ、瑞紀も黙っちゃってるじゃん!!早く離しなさいよっ!」

ギャンギャン喚きながら、瑞紀からヒノエを引き剥がそうとする桜水。
その横では、弁慶が 笑っていない眼で何も言わずにヒノエを見ている。

視線で人を殺すことが出来るというのなら、こういう眼のことを言うのだろう・・・。

喚く桜水に、冷静な弁慶、対照的な2人である。

そんな対照的な2人に好かれる瑞紀は・・・

「ぇ、あ 違うのっ!黙ってたのは嫌だからってわけじゃなくて・・・」

今まで黙っていたが、ハッとしたように我に返った。

そんな瑞紀に、弁慶が声をかける。

「・・・どうしたのですか?具合でも悪い・・・とかではありませんよね?」

流石 医学の心得もある弁慶らしく、瑞希の身を案じる。


「具合が悪いとか、そういうわけじゃないんだけど・・・。
その・・・ 始業式って、入学式と合同・・・だよね・・・?」

瑞紀は、言いにくそうに口ごもる。

「確かに、始業式は 今年の新入生の入学式と合同だが・・・ それがどうかしたのか?」

「・・・ゅ、」

「ゆ? なんだよ、ハッキリ言えって。」

「ゅ、譲くんの入学式・・・だったんだよ・・・ね?」



「「「「「「・・・・・・あ」」」」」」



瑞紀の一言で、全員 思い出したように口を開けた。

「すっかり忘れてた・・・。どうすんの?将臣。」

「・・・今からじゃ、無理だよな?」

「「「・・・。」」」




静寂な空間に、 始業式・・・ そして入学式の開始を告げるチャイムが響き渡った。






(また長い・・・orz とりあえず、始業式編終了?)

始業式編6 

2006年04月21日(金) 1時03分


始業式編6-(1). 桜水。


そんな弁慶の笑顔を見ながら桜水は、

『始業式をエスケープする教師も凄いけど、
その黒弁慶センセーの笑顔を 白くさせる瑞紀も、ある意味凄いよな・・・。』

なんて、内心 思っていた。


「それで、どこかサボれる場所とかあるのか?」

ふとした疑問を 将臣が口にした。
確かに、出来るならば 見つかりにくい場所に居るに越した事は無い。


と、いっせいに6人分の視線が桜水に向けられた。

「・・・な、何?」

「いえ別に、見つからないような場所というのは 桜水さんが1番詳しいのではないかと思って・・・。
去年、授業に出ている姿を見たのは ほんの数回でしたから・・・ねぇ?」

「・・・スイマセン。去年、弁慶センセーの授業をサボりまくってた事に関しては謝るんで、
黒オーラを抑えて欲しいデス・・・。」


瑞紀に対してと あまりにも違い過ぎる対応に、桜水は後ずさった。


「ふふ、おかしな事を言いますね。 黒いだなんて・・・。」

「 ・・・・・・取り敢えず、1番見つかりにくいのは 校舎裏の非常階段付近だけど・・・?」


桜水が皆を見渡すと、皆は賛成というように頷いた。

「決まりだねっ。 じゃ、こっちこっち!」

今度は桜水が瑞紀の腕を引っ張り、連れて行こうとした・・・ が、


「瑞紀と過ごせるなんて、嬉しいよ。
野郎の長ったらしい話を聞くより、麗しの姫君の声を聞いていたいからね。」

ヒノエが桜水よりも早く瑞紀の手を取り、指を絡ませた。
俗に言う、恋人繋ぎというやつである。

もちろん、桜水や弁慶が対抗意識を燃やさないはずが無く、


「ヒノエぇっ、さりげに瑞紀の隣をキープしてんじゃねぇよ!」

「ヒノエ、瑞紀さんの手を離しなさい。 離さないのなら・・・」

桜水は敵対心剥きだしのまま、ヒノエにくってかかる。
弁慶は、一見 穏やかそうに見えるが・・・ 一体、何を言おうとしていたのだろうか・・・?


一方、瑞紀を好きでも 行動に出られない消極派の九郎と敦盛は
ただ成り行きを見守っていることしか出来なかった・・・。

始業式編5 

2006年04月21日(金) 1時01分


始業式編5. 瑞紀。


「う〜ん。しょうがないよね。始業式はサボっちゃお。どうかな?先生達は行きます?」


瑞紀はあっさりサボることに決めて一応みんなに聞くことに。


「だいさんせ〜い!始業式なんてつまんないって。」

「俺も賛成。ってか式出てもすぐ寝ちまうしな。」

「いいんじゃない?言い訳は、あのおっさんに任せればいいし。」


上から桜水、将臣くん、ヒノエくんと賛成の声をあげげ、敦盛さんも

「みんながいいなら、私もそれでいい。」

賛成してくれました。


「…しかたありませんね。せっかくだから僕達も出るのをやめましょう?
九郎?今からだともう絶対間に合いませんし。」

「…弁慶。泰衡が聞いたら怒るぞ。あいつ仮にも校長なんだ。」

「彼への言い訳は、僕がなんとかしますから。
後でみんなで校長室に呼ばれるのもいいじゃないですか(笑」

「あんまり良くない気もするが…まぁしかたないだろう。」


弁慶先生の説得により九郎先生も最後には、頷いてくれました。


「みなさん?わかっているとは思いますが、次回からはちゃんと出てくださいよ?わかりましたか?」

一応注意は、入れる弁慶先生。結構どうでもよさそうな顔なのは気のせい…?


「は〜い。」

瑞紀の返事を聞いてにっこり笑う弁慶先生。久しぶりに黒くない笑顔です。

始業式編4 

2006年04月21日(金) 0時58分


始業式編4-(2)  桜水。



「やっと姫君達に追い付いたよ。」

「真っ直ぐ講堂に行くのかと思ったら、
途中で別の道を行くもんだから 見失うんじゃないかってヒヤヒヤしたぜ。」

苦笑しながら言う将臣の言葉に、瑞紀・桜水・敦盛の三人は ハタと気がついた。



「・・・ねぇ、瑞紀 講堂に引っ張って行ってたんじゃないの?」

「そうだったんだけど・・・途中で間違えちゃってたみたい・・・。」

「・・・敦盛をからかってたせいで、私も気がつかなかったよ・・・。」

どうやら、慌てて走っていたせいで 瑞紀は道を間違えてしまった様子。


「ごっ、ごめん〜っっ!!」

「瑞紀さんのせいじゃありませんよ。
気がつかなかった二人も悪いのですから。そうですよね、敦盛くん。」

謝る瑞紀に、弁慶はすかさずフォローに入った。
台詞の端々に黒さを含みながら・・・。


「それにしても・・・ どうすんだ?始業式、もうすぐ始まるぜ?」

「教師が遅れては、生徒に示しがつかないな。」

時計を見つつ、時間を確認すると あと数分で始まる時刻だった。


「・・・だから、やっぱサボろーよ。」

「・・・お前なぁ。」

場違いな脳天気な桜水の台詞に、今度は 将臣だけでなく5人分の溜め息が零れた




(長くなってしまい、2つに分けざる負えませんでした。 ごめん、瑞紀 : 桜水)
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