魔物の饗宴。

February 28 [Sun], 2010, 1:09
映画「人間失格」を見て来ました。
全く太宰ファンでもなく(「斜陽」だけは読んでいて好きですが)、「人間失格」も未読の私が何故見に行ったか。
理由は一つです。



中原中也が出るって、何事ですか。



え、何で?
幾ら自伝的作品といっても、どうしてフィクションに実在の人物を混ぜるの?
あまりに謎だったので見て来ました。
以下、ネタばれ注意。











まず、何より強い感想。
生田斗真は本当に良く頑張ったと思います。
いやもう本当に頑張った。
あの明るい顔立ち、どう考えてもミスキャストじゃん?と思っていましたが、逆にあの顔立ちがハマってました。
モルヒネ中毒になった辺りは目もいっちゃって。
良かったです。
いやあ、よく頑張った。
皮肉とかではなく、頑張りに胸を打たれました。

他の俳優陣もなかなか良く。
行きつけのバーのマダム役の大楠道代が特に私は好きです。
良かった。

映画自体は…あの、原作がある映画は、先に原作を読むとそのイメージが強くて受け入れられないことが往々にしてあるので未読のまま行ったのですが…。



これ、原作読んでから行くべき。



説明不足甚だしく、冒頭から置いてきぼりを食らいました。
また、短くない小説を全て詰め込んだ(一緒に行ったユキちゃんは既読で、ほぼ小説通りだったと教えてくれました)上に中也のエピソードまで加えたために、時間ギリギリだったのか、場面転換が唐突で、時間の経過がある場面も間がなく、それぞれの場面の余韻に浸れない。
そして、CG、やり過ぎ…。
この監督の「赤目四十八滝心中未遂」は見てまして、その時も上記の点は気になったので、監督の特徴なのでしょうが…。
しかし、やはり赤目の時も思ったのですが、映像がとにかく美しい。
見惚れるほど美しい場面が幾つもありました。

さて、問題の中原中也。
中也だけでなく、井伏鱒二や菊池寛なども出ているのですが、他の人物がバーで一緒に飲む程度なのに、中也だけあからさまに贔屓されています。
特別扱いです。
主人公に影響を与えちゃってます。
中也に森田剛、というのも首を傾げていましたが、彼も頑張ったと思います。
トンネルの場面、お寺の場面はとても美しかったです。
でも。



これ、せめてオリジナルのキャラじゃ駄目だったの?



森田剛が演じた人物は悪くなかったんです。
未読の私には割にすっと受け入れられます。
でも、これが中原中也だと思うとものすごく違和感が…!
中也を譲らなかったのは、多分製作者にすごくすごく中也を好きな人がいるんだろうなぁと思いました。
中也を描く部分だけ、明らかに温度が違った…。
作り手が一番思い入れある部分は省くと良くなるってこういうことか、としみじみ思いました。
人間失格じゃなくて中也の映画作ったら良かったんじゃないの…?

色々書きましたが、悪い映画ではないと思います。
とにかく生田。
本当に頑張った。
一目で女達が惚れ込むのも納得。
一種の魔物のようでした。
しかし、波打ち際ではしゃぐ常子、薔薇を撫でて微笑む下宿の女、貝を拾う鉄など、女達一人一人にぞっとする場面がありました。
人間の格を失っているのは、登場人物全員ではないかなというのが未読の私の感想です。

見終わった後、ユキちゃんと話した結論は、「主人公は聖母を求めて女を渡り歩いたけれど、彼に必要だったのは父性ではないか」でした。
聖母が必要なのは、むしろ監督じゃないかなぁ…。
キスが熟女以上としかないというのにはびっくりでした。

映画とジャズと、時々酒と。

February 26 [Fri], 2010, 23:31
今日は素敵女子と約束があったのですが、トラブルで会うことが出来なくなり。
ねこ君も外食の日なので、帰って作る気にもならず、どうしようかなと携帯をいじっていると、ちょうど乗換の駅の傍にジャズバーがあるという情報を見つけて行ってみました。
これが当たり!
まるで生演奏のようにいい音で流れるご機嫌なジャズ。
凝り過ぎず、けれど手をかけた感じの内装で、前にはステージがあり、様々な楽器が置いてあります。
その後ろ、壁では白黒映画を流しています。
店員さん達も感じが良く、一人でもするりと馴染んで落ち着けました。
ラムベースのカクテル(名前忘れた…グレープフルーツジュースと、あまり使われない何とかいうシロップと聞いた)で、オリーブとスモークした牡蠣、きのこのクリームピザ(めっちゃ美味しい)をつまみながら、映画観賞。
音楽が流れているので、映画は無声なのです。
入った時には、インテリアの一部的に流しているのかなと思ったの、ですが。



映画、のめり込んだ…!!



無声で、モノクロの映像と字幕と音楽だけで見るのがこんなにいいなんて…!
どれもが上質だからこその良さだったんだろうと思います。
かかっていたのは「ニューオリンズ」。
私は未見で、お店に入った時点で半分くらいだったのですが、すっかり引き込まれて最後まで見ました。
時々涙ぐんだくらい。
ジャズの物語でしたので、音楽がまたマッチして。
映画自体の音楽も、これ確実にいいと思いますので(ルイ・アームストロングが普通に準主役くらいで出ていてのけ反りました)、もう一度最初から音声、音楽つきで見ようと思いますが、こういう見方もありなのだなぁと大変新鮮な喜びを得られました。
このお店、また行きたいです!
生演奏を聞ける日もあるそうなので、それも聞きたいなー。
素敵なお店に出会えて、上機嫌で帰りました。

帰り道のあいぽんは、もちろんルイ・アームストロング。
この声、大好き。

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