インプラント歯周病専門医のブログ 

February 16 [Fri], 2007, 16:19
歯周病について:14

前回はメインテナンスについて書きました。
本日もその続きになります。
メインテナンスに関連する論文を紹介し、その解説をしたいと思います。

まずどれくらいの間隔でメインテナンスは必要か?ということです。
それではメインテナンス期間についての論文です。
前回の続きですので研究2からになります。歯周外科処置後にメインテナンスを行わなかった場合どうなるか? 歯周外科処置後にメインテナンス治療が行われなかったり、歯ブラシが不十分であれば、結果的に歯周病は再発することが多くの研究により実証されています。
研究2: 
WestfelとNyman(1983)により歯周外科処置後に専門家による歯面清掃を繰り返し行うことの重要性が報告された。_24名の患者さんは2週、4週、12週の間隔をもってメインテナンスグループにわけられた。その結果メインテナンス間隔が短いほど再発が少なかった。
この研究の解説です。
メインテナンスの期間はその人の歯ブラシ(口腔管理のレベル)の程度や歯周疾患の程度により違いますが、特に問題が大きいとされる患者さんは来院期間を短くした方が再発のリスクは少ないことが実証されています。
当医院では歯周外科処置を行った患者さんおよびご自身では完全に口腔内のケアーができない方は基本的に1〜3ケ月に1回、軽度の歯周病であり、口腔内のケアーも良くできている方は6ケ月に1回メインテナンスを行っています。


次に『口腔管理がきちんと行われ、適切なメインテナンスを行うことで歯周病で失った骨は再生する!』という歯周病患者さんにとっては朗報な研究論文です。
研究3: 
RoslingとNyman(1976)らは口腔内の管理とメインテナンスがきちんと行われた場合、口腔内管理およびメインテナンスがあまり行われなかっった場合に比べて、骨の再生に効果があることを報告した。また逆に、歯周外科処置を行っても、その後の口腔内管理とメインテナンスが行われなかった場合は再発することをKeer(1981)が報告した。この報告によると歯周外科処置後 5年の再検査の結果、口腔内管理とメインテナンスがきちんと行われなかった患者さんのうちその45%に失敗が認められたと報告した。
この研究の解説をします。
メインテナンスにおいて何年かおきにレントゲンで骨の再生状態を確認しますが、口腔内の管理(日常の歯ブラシの程度)やきちんとメインテナンスが行われなかった場合は明らかに骨の再生は認められない場合が多いです。
歯周病の治療が終わった患者さんには、メインテナンスは実際の治療以上に大切なことであり、ご自身の歯で一生過せるかどうかはこのメインテナンスにかかっていることを話します。
しかし、このメインテナンスは日本ではまだ一般的でないのが現状です。ご自身の歯で一生を過ごしたいと思われる方は必ずこのメインテナンスを受けて下さい。


次の論文にいきたいと思います。
『メインテナンスを行うと本当に歯は保存できるのか?』という論文です。
現在、歯周病でメインテナンスを行っている患者さんにとっては非常に興味があることですよね。
研究 4: 
例え進行した歯周疾患であっても、歯周治療を受け、適切な口腔内管理とメインテナンスを行った場合はかなりの確率で歯を維持することが可能であるという報告が多数ある。
0liver(1969)は5年から17年間(平均10.1年)のメインテナンスケアーを行っている歯周疾患患者さん 442人について報告した。この研究によれば歯の喪失率は1.6%という非常に低いものであった。Ross(1971)らは 2〜20年メインテナンスを受けた患者さん 180人について歯の喪失率は患者1人当たり0.78歯であった、と報告している。同様に、口腔内管理をし、メインテンスをきちんと受ければ歯周疾患にかかった人でもメインテナンス期間中に失う歯の平均はHirschfeld (1978)は 1.8歯、Becker(1984)は0.72歯、Nabers(1988)らは0.29歯であったと報告している。
この研究の解説です。
もともとの歯周疾患の程度やどこまで治療するかによってもその予後は異なりますが、口腔内の管理がきちんとできて、適切なメインテナンスを行えば、その予後はメインテナンスを受けない方よりはるかに良いことはまちがいないことです。
治療が終わった患者さんが良くする言葉があります。「また痛くなったり、問題があったら来ます。」もし本当に問題があってからくれば当然歯を抜歯したりすることになるのです。特に歯周病は自覚症状がある状態はかなり進行していることがほとんどです。
歯を抜きに歯科に来院するのか?歯を保存するために来院するのか?ということです。ご自身の歯はご自身で守ることができるのです。もう痛みがあってから治療するという考え方を変えてみてはいかがでしょうか?

今日は以上です。

また次回も歯周病のシリーズになります。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター

日本歯周病学会歯周病専門医、国際インプラント学会認定医のブログ 

February 14 [Wed], 2007, 12:08
大船駅北口歯科インプラントセンターです。横浜駅から東海道線、横須賀線、京浜東北線で20分、大船駅北口(笠間口)徒歩3分のところにあります。駅に近く交通は非常に便利な場所です。また駐車場も完備しています。院長は日本歯周病学会歯周病専門医、国際インプラント学会認定医です。開業する前は大学病院で歯周病を専門とする科に所属しており、歯周病で失った骨を再生させる研究(GBR法、エムドゲイン法)をしてきました。現在は歯周病を治療の基本とし、治療後の予防に力をいれています。一度治療した部位が悪くならないように徹底した管理を行うことに重点をおいています。インプラントに関してはインプラント専門の手術室を2部屋完備しております。またGBR法や抜歯即時、サイナスリフト法といった難症例も行います。科学的根拠に基づく最新の歯科治療を行っております。治療の前には徹底した検査を行い、個々の患者様に合わせた治療計画書をお渡ししております。またカウンセリングには患者様が納得されるまで十分ご説明させていただき、最終的に治療を開始させていただきます。

本日よりブログを書きたいと思います。

歯周病について:12
いきなり歯周病12回ですが、この前の歯周病1から11はhttp://www.sugiyama-dental.comにありますのでご興味のある方はそちらをどうぞご覧になって下さい。

歯周病11は歯周病の骨再生治療(GTR法)の術式について書きました。
今日はこのGTR法に使用する“膜”の材料について書きます。

当医院ではGTR 法に対し2種類の膜を使用します。
一つは吸収しない膜: GORE-TEX(R)膜(ゴアテックスメンブレン)です。
GTR法はもともとこの吸収しない膜から始まりました。
GORE-TEX(R)メンブレンは1969年に開発されたもので、歯科領域以外でも、人工血管や人工硬膜、縫合糸等で400万症例に使用されており、医療分野において非常に高い評価を得ている材料です。
先程書きましたようにGTR法の開発当初は歯肉の下に置いたこの“膜”は溶けない材料であったため、再度“膜”を取り出す必要がありました。
つまり2回の手術が必要なのです。
現在は“吸収する膜”が開発されたため1回の診療にて行うことができるようになりました。
当医院で使用している“吸収する膜”はコラーゲンでできており、現在鹿児島で開業している児玉利朗先生をはじめとする再生治療研究所のメンバーにて研究、開発されたもので、再生治療研究所のメンバーである私もその研究を行ってきました
この吸収する膜はTiuuse GuideTM 膜(ティッシュガイドメンブレン)と言います。
Tiuuse GuideTM メンブレンはコラーゲンからできており、吸収するため後から取り出す必要性がないので治療の回数が少なくなります。しかし、この膜には適応症が限られており、大幅に骨を再生させることはできないという欠点もあります。
しかし、2回の手術が必要ないということと、感染等のリスク(感染したとしても自然に吸収してしまうため)が少ない等からこの吸収する膜を使用することが多いです。

次回もこの続きです。


インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター
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