独りじゃない。 

2005年06月22日(水) 21時26分
―――怖い。

ゾクリと恐怖が上ってきた。
練習試合だと自分に言い聞かせても、体が震える事を止められない。

―――怖い。

それは本能的な恐怖だった。
今すぐに逃げ出したい心を、レンは何とか留めた。
それでも、やっぱり体は震え続ける。

カムイの目がレンを値踏みするように見る。
そのギラギラして目さえ恐怖の対象だ。
自分とせいぜい2つしか変わらないのに、この威圧感は何だろう?
同じ男だと言うのに、この纏う雰囲気の違いは何だろう?

―――怖い。
―――大丈夫だ。

声が、聞こえた。
自分の中から聞こえた声は実体を持つものじゃない。
思念に近い、声。

(リスヴィル。)

そこでレンは思い出した。
この戦いは特殊な意思を持った武器、『スピリットアームズ<SA>』の戦いなのだ。
一対一ではない。
一対一での戦いで負けるような不利さを含む戦闘でも、自分は勝てる。

(だって僕は独りじゃない。)

リスヴィルが居る。
最強の宿るもの・・・『リヴスピリット』たるリスヴィルが。

「来いよ、ガキ!」
「行くさ!!」

バっとレンは走り出した。
もう、訓練と言うことさえ頭になかった。
P R
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