第一話 

2006年04月21日(金) 13時28分
平日の昼間にワイドショーを見ている自分に益々嫌気がさす。
正確にいうと「眺めている」だ。

一本何百万というギャラをもらっているらしい人気司会者が
カメラ目線で何か呼びかけている。
朝からずっとテレビは付けっぱなしだけど、どういうわけか
まったく内容が頭に入ってこない。

とりあえずこの司会者は薄気味悪い笑みを浮かべているから、
得意の時事ネタにかけて、つまらないギャグでも言っているんだろう。

カメラの切り替わった客席ではブラウン管を通じても
ぷんぷん匂ってきそうな派手な化粧をしたおばさんたちが
手を叩いて笑っている。

この人たちには悩みはないのか。
それとも悩みとは無縁になるほど強靭な度胸を
半世紀の人生で体得してきたのだろうか。

どっちにしろ私がそのときを迎えることはない。
何もかも失った今、このままここに居続ける理由などないのだ。

早く楽になりたい。

あの子の側にいって、ちゃんと今度はこの手で抱きしめてあげたい。

序章 

2006年04月20日(木) 11時00分
明けない夜はない、とはよく言ったものだ。



あの日

何もかも失ったと諦めていたのに、

どこで間違ったのかと辿った道を振り返ってばかりいたのに、

もう自分の手で終わりにしたいとさえ思っていたのに、

私は今、紛れもなく私でいる。

あの日私を脅かしたあの影も、

今はもうここにはない。



人は何も失いはしない。

受け入れることを恐れているだけだ。

2006年04月
« 前の月  |  次の月 »
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
最新記事
最新コメント
■プロフィール■
■代替テキスト■
■煌■
■25歳■
■うお座・O型■
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:story-welcome
読者になる
Yapme!一覧
読者になる