ヘル・オブ・ザ・リビングデッド 

2005年10月17日(月) 11時29分
『ヘル・オブ・ザ・リビング・デッド』 ☆


パプアニューギニアの奥地に建設された化学工場で
バイオハザードが発生。
事態の沈静化に向かった特殊部隊とスクープを狙うTVクルーは、
有毒ガスの影響でゾンビと化した住民たちと
死闘を繰り広げるのだった…


ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』の影響下で作られた
ゾンビ映画の大駄作。
『ゾンビ』のサントラからゴブリンの楽曲を、
井出昭の『残酷人喰大陸』からフッテージを流用。
オリジナリティ皆無のパッチワーク映画として
その筋では有名な作品。

ただこの頃(80年代)はこういったしょーもない映画が
乱造されていた時期(特にイタリアで)だったこともあり、
現在観直してみるとそのあまりのどうしようもなさに
ある種の懐かしささえ覚えてしまう。
普通だったら生き残るはずのヒロインが
最後に最も残酷な死に方をするところなど嬉しい限りである。

人生に何の役にも立たないC級ゾンビ映画を観ていると
随分心が広くなるもので、
『宇宙戦争』を観たくらいで怒る気になどとてもなれないのだ。

監督のブルーノ・マッティ(ヴィンセント・ドーン名義)はその後、
『サンゲリア2』でルチオ・フルチ監督の代役をつとめた(という噂)
があり、ファンの失笑を買ったのだった。

 
    1981年 イタリア映画 96分
         監督 ブルーノ・マッティ
         出演 ロバート・オニール、マルグリット・ニュートン

まぼろしの市街戦 

2005年10月17日(月) 10時13分
『まぼろしの市街戦』 ☆☆☆☆☆


第一次大戦下、ドイツ軍に占領されたフランスの田舎町。
時限爆弾を仕掛けられたこの町に、
爆弾撤去を命じられた伝令兵プランピックがやってくる。
するとそこでは、精神病院を脱走した患者たちとサーカスの動物が
自らの王国を築き夢のような生活を送っていた…


戦争の狂気を描いた映画は数あれど、
血肉飛び散る戦闘もヒステリックな叫びも描かず、
これほど痛烈に戦争を非難した映画はないのではないか。

ド・ブロカとダニエル・ブーランジェの風刺に満ちた脚本、
ピエール・ロムの幻想的でカラフルな映像、
ジョルジュ・ドルリューの軽妙な音楽、
主演のA・ベイツ、ヒロイン、J・ビジョルドの可憐な美しさ、と
どれをとっても素晴らしい。

閑散とした町に
象や駱駝やチンパンジーが闊歩し、
道化の恰好をした患者たちが浮かれ騒ぐ。
そして愚かな軍人たちは殺し合いを続ける…
その対比が絶妙なユーモアとアイロニーを生み出す。

戦争という殺人を犯す「正常」な人々と、
夢の世界に生きる「異常」な人々。
本当におかしいのはどっち?

戦争映画でありながらブラックなユーモアに貫かれ、
映画ならではのファンタジーに昇華された
これは文句なしの名作。


    1967年 フランス/イタリア映画 103分
         製作・監督・脚本 フィリップ・ド・ブロカ
         出演 アラン・ベイツ、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド

    


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