おるは
2007.10.19 [Fri] 23:06

窓を撫でる雨粒と風
隙間から迷い込んだ深い緑の香り
柔らかなソファ
温いミルクティー

此処には全て揃っているのに
何かが足りない
静かな午後


膝で小さな寝息をたてる猫
今朝咲いた花
焼きたての甘くないクッキー
作りかけのニット

此処にあるものが全てなのに
きみがいない
繰り返す午後


こんなにも優しい時なのに
ひとつ、ただひとつ欠けただけでこれほど残酷

さあ、目を覚まさなくては
うたた寝の夢は甘い紅茶のように心を溶かすから
捕まる前に


あたたかい陽射
風が呼んでる
読み掛けの本を閉じて
ぼくらの午後

 

傷跡
2007.06.20 [Wed] 05:44


夢だったらいいのにね

君のその悪夢も
襲いかかる不安も
止まない悲鳴も
終らない過去も
僕の、空虚も

みんな夢だったらいいのにね


明けない夜だってある
朝なんてこない
夜風に怯え
暗闇に紛れて
嘔吐する

拒絶は始まりだった
優しさは終わりだった
ぶつかる波紋に声をあげたのは、確か
ぎりぎりで割れなかったビー玉
砕けて散った硝子片

あからさまな嘘にも
きっと正義はあると
吐き溜めた本当
灰になる夢をみた
それが僕の真実

言葉遊びで世界が助かるなら
舞台劇で君が救えるなら
なんだって手を染めたのに

だから、もういっそ
風が、空が、全て
すべて飲み込んでしまえばいいのに


そんな気がしただけ。