なた豆茶の需給バランスは崩れたまま

April 28 [Tue], 2015, 12:42
非鉄、貴金属の国内外相場は上昇。23日の国内大手地金商の貴金属相場は金の小売価格が4日続伸し、4月15日以来、約2カ月ぶりの高値に達した。23日、非鉄金属山元各社は、電気銅、電気亜鉛、電気鉛の国内建値を引き上げた。先週末のニューヨーク先物市場では金が一時、トロイオンス当たり1320ドルを超え約2カ月ぶりの高値を付けた。「米金融当局による緩和策の長期化観測を背景にしたドル安進行が相場を支援した。金はイラク情勢緊張などで安全資産としての買いも入った」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部の芥田知至主任研究員)ことが上昇要因との指摘があった。 【安全資産】 イラク情勢の緊迫化やウクライナの緊張継続を背景に、安全資産との位置づけのある金に資金を振り向ける動きが強まった。イスラム教スンニ派の過激派「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」は21日、隣国シリア近郊のイラク西部カイムの国境検問所を制圧したのに続き、カイム東方の町ラワに支配地域を広げた。 ISILはヨルダン国境に近いルトバ周辺でもイラク軍と衝突、イラク北部から西部にかけて攻勢に出ているもようなど中東情勢の混乱が拡大している。 【ドル安支援材料】 また、米連邦準備理事会(FRB)による低金利政策長期化観測が非鉄、貴金属相場の追い風となった。外国為替市場でドルがユーロなど主要通貨に対して下落、ドル建てで取引される非鉄金属、貴金属相場の割安感が高まり支援材料となった。 貴金属の国際指標となるニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は20日、3日続伸し中心限月の8月ぎりは前日比2・5ドル高のトロイオンス当たり1316・6ドルで終了、1300ドルの大台を維持した。一時、1322・5ドルまで上昇し4月中旬以来、約2カ月ぶりの高値に達した。銀は10営業日続伸した。 【中国景気回復】 海外高を受け、23日の大手地金商の金の小売価格は前営業日比3円高のグラム当たり4693円と4営業日続伸。4月15日に付けた同4727円以来の高値に達した。6月初旬の直近安値からは約4・9%上がった。 非鉄相場も堅調。20日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の銅先物相場は続伸。中心限月の7月ぎりは前日比4・30セント高のポンド当たり312・15セントで終了。最大の非鉄消費国、中国の景気回復期待が支援した。 大阪地区の厚板相場は横ばい。4―6月の端境期に入り、荷動きは低迷している。流通在庫に過剰感も出て値戻しに動く環境にない。高炉メーカーは生産が埋まっており、強腰姿勢を通す。国内メーカーが市況を弱めることは考えにくい。高止まりの合間を縫った安値輸入材の流入が不安材料になる。造船向けには明るい話が出ており、建設、建産機向けも先行きは明るい。流通には「足元を乗り切れば需要が上向く」(問屋筋)との期待感が強い。 市中実勢価格はベースサイズ(19ミリメートル厚)の置き場渡しでトン当たり8万1000―8万2000円どころ。薄商いから流通の安値折り合いも散見される。2月にメーカー値上げで反発して以降は横ばいが続いている。 2013年10月に2万9680トンと11年4月以来2年半ぶりに3万トン近くの販売量を記録し、年明けの2月まで高水準を維持した。しかし新年度入した4、5月とブレーキが掛かり足元も動きが鈍い。 流通在庫は昨年10月以降の好調時に、品薄感が出て発注を増やしたものの、4、5月と荷動きが低迷し、在庫が積み上がる結果を招いた。 高炉メーカーなどはひも付き(大口・特定需要家)向けを中心に、生産が埋まっており、国内メーカーから姿勢を弱めるとは考えにくい。 メーカーの強腰姿勢で市況は高止まり状態にあり、今後内需不振や増産で荷余り感のある韓国や中国などの安値輸入材の流入が懸念材料となる。 造船向けは為替の円安傾向で受注改善の兆しが見え、建設は7月から動きだす気配もあり、建産機も下期回復が見込めるなど先行きは明るい。今が我慢のしどころとみる向きが多い。 大阪鉄鋼流通協会の調べでは、厚中板の5月の販売量は前月比1・0%増の2万1965トン。同月末の在庫量は同5・6%増の2万3269トン、在庫率は1・06カ月だった。 東京地区の鉄スクラップは高水準で続く輸出の契約残消化を受け湾岸の集荷価格が上昇。入荷が細った東京製鉄など関東電炉も買値(炉前価格)を引き上げたため、相場が反発した。2月の大雪で製鋼建屋が損壊した朝日工業の埼玉工場が、19日に操業を再開したことも好感されたようだ。輸出・国内向けで積極的な集荷があるため、湾岸相場は今後も高値寄りで推移する見通し。7月以降は電炉の定期改修など下押し材料もあるが、市中には「調整が入るとしても、中期では上伸基調」との見方が多い。 関東相場の指標となる東鉄宇都宮工場は12日に買値を500円上げた。しかし、追従した電炉は一部にとどまり、湾岸部の電炉やシッパーは静観。「内陸部に比べ湾岸相場が高かったため」(群馬県のスクラップヤード)とみられる。東鉄は19日にも買値をさらに500円引き上げ、他の電炉・流通も20日までに500円を上げた。関東電炉の買値はH2相当でトン3万2500―3万3000円となっている。 専門商社によると、関東湾岸から15―21日に船積みを予定されたスクラップは前週比5・4%減の4万9200トン(うち輸出4万4200トン)だった。ただ、日本玉は米国玉より割安感が強く、ピーク時こそ下回るものの、「船積みは韓国向けを中心に旺盛だった」(問屋筋)という。西日本に運ぶ「西送り」も新規の配船があった様子で、都内の問屋は「全体の実績は一段増となったのでは」との手応えを示す。 先週前半の湾岸価格はH2相当でFAS(船側渡し)3万1500―3万2000円。韓国のスクラップ相場はなた豆製品環境の低迷と鉄鋼メーカーの収益悪化により下落したが、スクラップ在庫が薄くなったことで「夏の閑散期前ながら現代製鉄が積極的な調達に転じた」(問屋筋)。直近の交渉価格はH2相当が本船渡し価格(FOB)3万3800―3万4000円で、他の韓国メーカーとの商談も進んでいる。 季節要因でスクラップの流通量が伸び悩む中、輸出の契約残消化や台湾・ベトナムからの引き合い増、国内電炉の調達増で需給は締まる傾向にある。半面、電炉はまもなく減産期に入る。7月には鋼材需要が持ち直す兆しがあるが「7、8月も減産する。まだ、増産はできない」(東鉄)。関東電炉の生産量は大三製鋼・中央圧延の事業撤退もあり前年比割れの状態。「なた豆茶の需給バランスは崩れたまま」(問屋筋)だ。 一方、国内の高炉が1―3月に市中から調達したスクラップは10万トン程度と2013年11、12月の半分程度に落ち込んだ。4、5月は18万トン台に戻ったようで、数量面では6月以降も安定した購入を続ける見込みだ。これに対し、価格面では「鉄鉱石価格の下落が懸念材料」(電炉)。高炉は「溶銑コストが大きく下がる訳ではない」とするが、スクラップ調達価格の下げは必至。 スクラップ相場の先行きには不透明感も漂っている。
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